1日3回ブラッシングするだけで!? プロ指南、目からウロコの“美髪作りルーティン”

2022.5.13
日々当たり前のように行っているヘアケアの習慣が、もしケアではなくトラブルの原因になってしまっていたとしたら…? トップスタイリストが指南するメソッドと自分のやり方を照らし合わせ、毎日のルーティンで土台からの美髪作りを目指して。

毎日のルーティンが“素髪力”を高める!

まだまだ続くコロナ禍。一見ヘアとは関係がないように思えるけれど、思わぬ弊害が。「以前よりサロンに行く機会が減り、髪のダメージがひどくなった、というお悩みはよく聞きます。そこでオススメなのが、自宅でできるヘアケアメソッド。ポイントを押さえて丁寧に行えば、日々のセルフケアで素髪力を鍛えられますよ」(トップスタイリスト・AYAMARさん)

ただ、普段やりがちな何気ない行動を並行して見直す必要も。「例えばバッグを肩にかける時に持ち手に髪を巻き込んだり、洗髪後濡れたまま放置するのも、髪を雑に扱っている行為。髪に優しくする心がけ一つで、ダメージは防げます」。自ら再生することがない髪は特に“大切に扱う”こと、また美髪を目指すべく頭皮から“育てる”意識を持つことが重要。AYAMARさん直伝のメソッドで、健やかな髪と頭皮を手に入れて。

土台を作る鉄壁ルーティンをマスター!

手に入りにくい特別なツールは不要で、どれも今日から実践できるものばかり。ちょっとしたコツを掴んで、自分史上最高の健康的な素髪を手に入れよう。

1日3回のブラッシングで根元立ち上げ&頭皮マッサージ。

朝は絡まりをほどいて根元の立ち上がりをよくし、ドライヤーなどの熱ダメージを軽減するのが主な目的。お風呂前は付着した大気中の汚れなどを落としてシャンプーの泡立ちをアップ、寝る前はリラックス効果も。

point
・タイミングは(1)朝(2)お風呂前(3) 寝る前の全3回。
・朝と寝る前の綺麗な髪用、入浴前の汚れ落とし用でブラシを分けると◎。

各ステップ3回ずつを目安に。これだけで驚きのツヤ美髪に。

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1、まず前から後頭部に向かってとかす。基本はブラシを頭皮に密着させて前から後ろに動かすこと(4を除く)。

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2、次に側頭部を。耳の上あたりから襟足にかけて、前から後ろに大きくブラッシング。左右それぞれ行う。

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3、今度は頭頂部をクロスするように、左前から右後ろ、右前から左後ろにとかす。無理に引っ張らず優しく。

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4、次に下を向いて、襟足から前方向に大きくブラッシング。頭の丸みに沿って、力を入れすぎないように。

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5、最後に全体を軽くポンポン叩く。各ステップで筋肉がほぐれ、血行もアップ。夜は安眠効果も期待できる。

入浴前は毛先からブラッシング!

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朝の素髪の状態と違い、夜は日中の外気の汚れが付着し、髪が絡まっていることも多いので、頭頂部からいきなりとかすと切れ毛などの原因に。まずは毛先から、次に中間部、根元、と3段階ほどに分けて。

外出前仕込みで髪バリケードを作る!

意外と見落としがちな髪と頭皮のUVケア。オイルなどのスタイリング剤を何もつけずに出かけるのは、すっぴんで紫外線を浴びるのと同じくらい無防備でハイリスク! お出かけ前のUV&保湿ケアでガードを。

マルチユースのスタイリング剤でしっかりコーティング。

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「ヘアアイロンを使う人は、巻く前に専用のスタイリング剤で熱ダメージを防止。バームやオイルは、天然由来成分配合&全身に使えるマルチタイプがオススメ。UVスプレーは頭皮だけでなく毛先まで入念に。ちなみに朝シャンは、必要な油分を不足させ、頭皮むき出しの状態で外出することになるので絶対NG!」

2品ともAYAMARさんも愛用。シアバターなど天然由来成分のみで安心。上から、N. ナチュラルバーム 45g¥2,200 同 ポリッシュオイル 150ml¥3,740(ナプラ TEL:0120・189・720)

予洗い、すすぎ…正しいシャワーが美髪の絶対条件。

髪を洗う上で、実は最重要ともいうべきなのがシャワー法。シャンプー前にぬるま湯でしっかり頭皮と髪全体を濡らす予洗いはもちろん、最近話題の、お湯のみで汚れを落とす“湯シャン”も正しい知識で実践を。

point
・お湯の温度は、髪や頭皮の負担が少ない38度前後。熱すぎると、乾燥につながるので注意。
・シャンプーの3倍の時間をかけるくらいの意識で行う。

予洗いを侮るなかれ。また、すすぎにも時間を割いてシャワーをとことん丁寧に。

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「髪を濡らす時は、根元まで水分を届けるため、シャワーヘッドを直接頭に当てること。入念な予洗いは、表面に付着した汚れを洗い流し、加えて、シャンプーの泡立ちをよくする効果も。泡立ちが悪いからとシャンプーの量を増やすとすすぎ残しの原因に。まずは約1分の予洗いを徹底して。“湯シャン”は毎日スタイリング剤を使うなど、シャンプーの洗浄力が必要な人には△。敏感肌や乾燥肌の人には、肌に合わないシャンプー内の物質を回避し、頭皮トラブルのリスク防止になることも」

細部まで抜かりなくトラブルの防止を。

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「どれだけシャワーを意識しても、最後にすすぎ残しがあると髪や頭皮のトラブルに。見落としやすいパーツは、耳後ろやもみあげ、前髪の生え際などの顔まわり。つむじやうなじなど見えにくい後頭部も丁寧に洗い流すこと」

泡が命のシャンプー&毛先集中トリートメント。

泡立ちが弱いと摩擦でダメージを招くのはもちろん、汚れも落ちにくくなるので、必ず泡立てたシャンプーで優しく洗うこと。トリートメントは全体にたっぷり塗らず、毛先に適量と心得て。

point
・シャンプーの追加は、より泡立ちが悪くなるので注意。
・ゴシゴシ洗いは髪のダメージになるのでNG。
・トリートメントの塗りすぎは、洗い残しの原因に。

もこもこの泡で摩擦を軽減&トリートメントは毛先中心に。
「シャンプーは直接頭皮につけず、まず中間部から毛先になじませてしっかり泡立てて。その泡を頭皮につけて指の腹で優しく全体になじませること。トリートメントは、傷みが気になりやすい中間部から毛先メインでOK。ダメージが気になる場合は、実はトリートメントよりシャンプーを変えたほうが効果的」

週に1度のスペシャルデー。2STEPリバースケア。

AYAMARさんが推奨しているのが、週に1回、マルチオイルと、洗い流すトリートメントをシャンプーの前につけるリバースケア。髪悩みを解決してくれる、目からウロコのスペシャルケアなんです!

point
・髪のパサつきが気になった時に。
・入浴前のブラッシング後に行う。

天然成分のみで作られたマルチオイルで頭皮と毛先のケアを。
「まずはオイルを指先で細かく頭皮に塗り込み5分置く。その間にヘッドマッサージをすれば汚れが浮き、血行もアップ! 液だれが気になる人は、コットンの活用を。次に同じオイルをそのまま髪中間から毛先に塗布。10分置く」

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上から、さらっとした質感で使いやすい。無印良品ホホバオイル 200ml¥2,490(無印良品 銀座TEL:03・3538・1311) ベストセラーの名品。大島椿 60ml¥1,650(大島椿お客様相談室 TEL:0120・457・178)

オイルの上から洗い流すトリートメントをオン。
「オイルを頭皮と髪に塗った状態で、その上から洗い流すトリートメントを毛先に塗り、目の粗いコームでとかす。こちらは塗ったあと時間を置かなくてOK。すぐに洗い流し、その後、通常通りシャンプー&トリートメントを行う」

お風呂上がりは、徹底キューティクルファースト。

濡れた髪はキューティクルが開き、最もダメージを受けやすい状態なのでいち早くタオルドライ&ドライヤーで乾かして。頭皮の乾燥が気になる人は、とろみのない化粧水(顔用でOK)をコットンに浸してなじませて。

point
・濡れ髪放置が一番NG。ターバンスタイルはすぐにやめること。

即、タオルドライ+コーミングでダメージから髪を守る。
「頭皮も毛先もポンポンとタオルで丁寧に押さえて水気を取ったら、洗い流さないトリートメントを中間から毛先に塗布し、毛先から順に目の粗いコームでとかして。コーミングで髪一本一本に均等に塗れます」

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根元から、温風と冷風を交互に当ててオーバードライを防ぐ。
「ドライヤーは地肌から約10cm離し、根元→中間部→毛先の順でドライ。熱風を長時間同じ場所に当てないよう、ヘッドを振りながらセルフで温風と冷風を作るイメージ。キューティクルの広がりを防ぐため、風は必ず上から下に当てて」

AYAMARさん 表参道と池袋にある美容室「aole」代表、トップスタイリスト。登録者数77万人超のYouTuberとしても活躍中。親しみやすい解説が人気。『1分ヘア革命』(KADOKAWA)も話題。

※『anan』2022年5月18日号より。写真・加藤新作 スタイリスト・大島有華 イラスト・green K 取材、文・小林瑞季

(by anan編集部)