【調査】約6割が収入に不満…25~39歳、働く女性300人に聞いた“仕事満足度”

2022.4.13
働き方や自分のスキルについて、みんなはどう考えている? 読者世代の仕事やスキルに対する意識についてアンケートを実施。識者の方々のコメントとともにご紹介します! アンケート結果は、2022年3月、日本全国の25~39歳の働く女性300人にインターネット上で実施した調査を集計したものです。

今の仕事に満足してる?

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あまり高いとはいえない、今の仕事への満足度。大きな要因の一つに社会不安があるという。

「リーマンショックや震災、コロナ禍と何が起こるかわからない今の時代。“新卒で入社した会社で勤め上げれば安泰”ではなくなったことが大きいと思います。さらにAIなどの技術も進化し、単一のスキルやキャリアでは通用しなくなってきたことも肌で感じているのではないでしょうか」(「パラナビ」編集長・岡部のぞみさん)

また、仕事に求めるものが変化したことも影響している模様。

「以前にくらべて福利厚生が充実している会社がいい、安心・安泰な仕事を選びたいなど、働く条件を重視する方が増えてきました。女性も長く働き続けることが当たり前になったことが、理由として考えられます」(キャリアアドバイザー・藤井佐和子さん)

「人生100年時代といわれる今、多くの人が“心身ともに健康で長く働くこと”を求めています。残業や休日出勤など体に負担をかけて無理して働くことは、そんな思いと相いれません。特に女性は、妊娠や出産といったライフイベントを経験するケースも少なくないため、その時どきで自分らしく働けることを重視する人が多いのでは。自身の状況に対応してくれる柔軟性や多様性、そしてサポートし合えるチームワークが期待できる環境を持つ会社が、これからも望まれるはずです」(岡部さん)

Q. 今の仕事、働き方に満足していますか?

とても満足している…10%、どちらかというと満足している…32%、どちらともいえない…26%、どちらかというと満足していない…19%、全く満足していない…13%

「満足している」とポジティブな回答は全体の42%と、半数以下という結果に。「でも、思っていた以上に満足している人が多いなという印象を受けました」(藤井さん)

Q. 「とても満足している」以外の人に、満足していないのはどの部分ですか?(複数回答)

収入…59%、やりがい…24%、労働環境…22%、労働時間…22%、人間関係…20%、役職やポジション…12%

約60%と圧倒的だったのが、収入に不満を抱えている人。「やりがいが感じられない」という声は全体の4分の1に。環境、時間、役職など、労働条件を挙げる声も目立つ。

Q. 今の仕事について、未来を考えた時、不安に感じるのはどんなことですか?(複数回答)

収入が少ない…59%、仕事へのモチベーションが続くかどうか…28%、今の労働時間で働き続けることができるか…24%、ワーク・ライフ・バランスが保てるかどうか…21%、今の仕事が本当に自分に合っているのかわからない…17%、会社がずっと存続するかわからない…17%

上の回答と同様、約6割が収入の低さを不安視。また、約3割が「仕事へのモチベーションに自信がない」と回答。収入の低さが、モチベーション低下につながっている可能性も。

どんなスキルを身につけたい?

仕事に活かせるスキルを身につけることが大事だと多くの人が考えていることが判明。では今、どんなスキルがあると重宝される?

「求められるのは言語化力です。もともと多くの日本企業は、“言葉で説明しなくても空気でわかるでしょ”という“ハイコンテクスト”文化の企業が多かったのですが、リモート時代になったことで一変。言外の慣習や前提をきちんと言語化して確認し、ミスやディスコミュニケーションを未然に防ぐことが重視されるようになりました」(岡部さん) 

仕事のためのスキルを身につけるためにできることは。

「同じ目標を持つ人たちとコミュニケーションがとれるキャリアスクールやオンラインコミュニティの活用、SNSでの発信を行うことがおすすめです。自分に必要な情報が集まりやすく、仲間と励まし合うこともできる。また、スクールの卒業後、仕事につながるケースもあります」(岡部さん)

「これからの転職のためにスキルを身につけたいという人は、まず、求人情報を集めてみてください。“あ、いいな”と思うものを10個程度ピックアップすると、気になる職種の傾向がわかり、求められるスキルや経験も見えてくるはず。そこまでしっかりと分析してから動きだしてもいいかもしれません」(藤井さん)

Q. 今、仕事に関してスキルアップをしたいと思っていますか?

とても思う…20%、どちらかというと思う…35%、どちらともいえない…25%、どちらかというと思わない…10%、全く思わない…10%

“スキルを磨きたい”と前向きに考えている人が半数を超える結果に。現状の仕事をより充実させる目的のほか、「副業で活かしたい」「転職に有利だから」という声も多かった。

Q. スキルアップすることが、仕事の充実度&満足度につながると思いますか?

とても思う…20%、どちらかというと思う…35%、どちらともいえない…26%、どちらかというと思わない…9%、全く思わない…10%

半数以上が、気持ちの面においてもスキルアップをすることが大事だと考えている模様。専門スキルを身につけるなど、できることが増えることで自信にもつながっているよう。

Q. 理想の仕事に就いたり、不安を軽減したりするために、身につけたいスキルや知識は?

  • 英語など副業できるスキル。今後産休や育休などで今まで通りに働けない場合に役に立たせたいから。(25歳・会社員)
  • ケアマネージャー、社会福祉主事などの資格のためのスキル。事業所の管理職に就けたり、高齢化社会が進むにつれて需要が高まることが予想されるから。(36歳・会社員)
  • 転職に有利、または手に職が持てるような資格やスキル。(39歳・会社員)
  • 営業力や接客力などの人と関わるスキル、コミュニケーションスキル。(27歳・パート)
  • 農業参加または支援するような仕事を学びたい。現在の仕事はAIに取って代わられる事務系なので、今後も存続しうる仕事を見つけたいから。(39歳・会社員)

介護など今の社会に求められている職業に不可欠な資格や語学スキルを答える人が多数。また、農業など、「AIに代替できないスキルがあると安心感につながります」(藤井さん)。

Q. 現在スキルアップのために行っていることは?

YouTube動画などを見て学ぶ…21%、資格取得のテキストなどで学ぶ…19%、本を読んで知識を蓄える…17%

YouTubeや本を読むなど手軽にできる方法が人気。「おすすめはスクールですが、お金がかかる手段で自己投資をする余裕がない人も多いのではないでしょうか」(藤井さん)

岡部のぞみさん パラレルキャリア情報サイト「パラナビ」編集長として働き方の多様なあり方を発信。本業とは別にメディアを運営するパラレルキャリアを実践。

藤井佐和子さん キャリアアドバイザー。『どんな職場でも求められる人になるためにいますぐはじめる47のこと』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など、著書多数。

※『anan』2022年4月20日号より。イラスト・北村みなみ 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)