韓国在住のNight Tempo「国や言葉の違いは関係ない」 昭和歌謡の魅力を語る

2022.4.11
韓国在住のDJ/プロデューサー・Night Tempoさんのメジャー初のオリジナルアルバム『Ladies in The City』のコンセプトは“’90年代の日本の都会に暮らす女性”。そもそも昭和歌謡への造詣は深いが、コロナ禍で日本の’90年代のトレンディドラマを見たことがインスピレーションになったそう。楽曲イメージを固める中で、BONNIE PINKさんや道重さゆみさんらに声をかけた。

昭和歌謡にはシンプルなわかりやすさがある。

Entame

「どんな活動をしているかを調べずに、純粋に声だけで一緒にやってみたいと思う方々に声をかけました。例えば道重さんにはこれまで歌ったことのないようなディスコを歌ってみてほしいといったアイデアを反映させて作っていきました」

CD&配信に続いて、LP&カセットの形態でもリリース。カセットのコレクターとしても知られるが、「音が上品でコンパクト。必要なものだけ詰まってる」と良さについて話す。日本のものだけで600本以上を所有する中で、一番のお気に入りはシティポップブームを牽引した「プラスティック・ラブ」が収録された竹内まりやの『VARIETY』。

「これまで10本持ってたんですが、最近倉庫からもう1本見つけて11本あります。『これが聴けなくなってしまったら……』って思うと買ってしまう(笑)。でも数というより、例えばアルバム1作に100人の思いが込められてるとしたら、600本あれば6万人の思いが込められている。それだけの価値を所有していると考えることが大事かな」

アイドルのプロデュースにも意欲的で、昭和の歌手とのコラボも近いうちにやってみたいという。

「中森明菜さんと一緒にやってみたいですね。ハードルは高いと思いますが、これまでも頑張っていろんなことを叶えてきたので、強くアピールしていきたいと思ってます(笑)」

欧米のヒット曲にも昭和歌謡がサンプリングされていたり、さらに盛り上がる現状をこう分析する。

「日本の優れた音楽が再評価されていると感じます。今の若者には即効性の高いものがヒットする。昭和歌謡にはシンプルなわかりやすさがあるのも大きい。国や言葉の違いは関係ないんですよね」

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1stメジャーオリジナルアルバム『Ladies In The City』。’90年代の日本の都会に暮らす女性を描いた楽曲を収録。BONNIE PINK、道重さゆみ、野宮真貴らが参加。【通常盤(CD)】¥2,970(Universal Music Japan)

ナイト・テンポ 1980年代の日本のシティポップや昭和歌謡を再構築した音楽ジャンル、フューチャーファンクの韓国人プロデューサー/DJ。カセットコレクターとしても有名。

※『anan』2022年4月13日号より。取材、文・小松香里

(by anan編集部)