この春上演! 春組キャスト6名が語る、舞台『A3!』にかける熱い思い

2022.4.4
経験を積み役者として成長していく役柄と演者の姿がシンクロし、客席に熱狂を巻き起こしているMANKAI STAGE『A3!』(エーステ)。2018年の初舞台化から人気を博し、昨年末には実写映画化も実現。この春上演の春組舞台を紹介します。

舞台も映画も人気爆進中! MANKAI STAGE『A3!』の魅力とは?

Entame

咲也くんと一緒に僕も役者として作品に成長させてもらっています。

春組:佐久間咲也 役 横田龍儀

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どんなに悩んだり苦しいことがあっても、乗り越えるために努力するのが咲也くん。この『A3!』という作品を通じて、咲也くんと一緒に横田龍儀自身も役者として成長させてもらっているのを感じます。演出の(松崎)史也さんは、作品にもキャストにもとても愛があって、ダメ出しも、僕がちゃんと次にステップアップできるような言い方をしてくださいます。僕自身が春組リーダーという立ち位置に対してすごくネガティブになってしまった時期、史也さんに「お前が全力でやればみんなはついてくるはずだから、とにかく全力でやれ」とアドバイスをもらいました。その言葉で吹っ切れたし、今もこの作品に臨む時には、ただただ全力で、と思ってやっています。もうひとつ忘れられないのは、「SPRING 2019」を観に来た父親に、ラスト近くの僕のひとり語りのセリフを「お前の言葉がそのまま届いてきたようで感動した」と褒められたこと。東京にも全然来ないし、舞台を観たのは人生で初めてという堅い人だけに嬉しかったし、ここまで頑張ってきてよかったと思えた瞬間でした。僕自身、お芝居しながら本当に心が動かされることが何度もあります。“2.5次元”と呼ばれてはいますが、舞台上では本当のリアルが起こっているなと感じる作品です。今回、春組に新メンバーが加わります。これまで培ってきたものも大切にしながら、また新たな春組を構築していきたいです。

よこた・りゅうぎ 1994年9月9日生まれ、福島県出身。2015年に映画『宇田川町で待っててよ。』に主演。’17年よりミュージカル『刀剣乱舞』に物吉貞宗役で参加。その他の出演作に、映画『いつまでも忘れないよ』、舞台『炎炎ノ消防隊』‐破壊ノ華、創造ノ音‐、ミュージカル『VIOLET』『グッド・イブニング・スクール』などがある。

セットアップスーツ¥203,500(MINDSEEKER/WORLD STYLING TEL:03・6804・1554) その他はスタイリスト私物

早く舞台に立ってみんなに愛を伝えたい!

春組:碓氷真澄 役 高橋怜也

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僕は昨年末に公開された映画・MANKAI MOVIE『A3!』からの参加なので、舞台でみなさんの前に立つのは今回が初めて。特に僕が演じる碓氷真澄は監督が大好きな子だから、彼の愛を直接伝えられるのが今からすごく楽しみです。真澄は普段はあまり感情を表に出さないクールな子なんですけど、舞台に立つとガラリと変わるところが魅力だと思います。役者って、役を演じていてもたまに自分が出てしまうことがあるんですよ。でも真澄にはそれが一切ないんですよね。どんな役でもその人物になりきるし、演じる役によって自分を変えてしまえるところは尊敬しています。そんな真澄だから、僕も思いっきり演じられるところがあります。真澄が舞台で役を演じる時、“僕が演じる真澄が演じる役”ということを意識せず、まっすぐ役に向き合えるというか。二重に役を演じるというのは不思議な感覚でしたけど、真澄のおかげで乗り越えられたと思います。真澄という役は以前、牧島輝くんが演じられていて、僕は彼からバトンを引き継いでいるわけですけど、春組のみんながあたたかく迎え入れてくれて、まるで家族みたいに僕の悩みや不安を解消してくれました。今回、真澄にはいろんなことが起きて、MANKAIカンパニーのみんなとより向き合うようになります。そんな真澄の気持ちと僕自身もすごくリンクしている作品なので、今は早く舞台に立ちたいですね。

たかはし・りょうや 1996年9月2日生まれ、千葉県出身。歌手として活動する傍ら、俳優としても活躍の幅を広げており、2020年より出演中のミュージカル『新テニスの王子様』では跡部景吾役で注目を集めた。その他の出演作に、Live Musical『SHOW BY ROCK!!』、配信ドラマ『さよなら、ハイスクール』などに出演。

衣装はスタイリスト私物

綴くんの信念の強さには僕自身も驚かされるほど。

春組:皆木 綴 役 前川優希

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エーステがスタートして4年。最初は役者として駆け出しの状態でとにかく必死でやり続けてきました。初めてMANKAI STAGE『A3!』が世に出る時、初めての春組だけの単独公演…ひとつずつ壁を越えるたび、素敵な景色が見えたり、感じたことのない感情に出合えたり。だから今回、新しい劇団員を迎えたACT2が楽しみで仕方ないです。濃いキャラクターの多い春組の中で、綴くんは一番普通に近い感覚を持っている人。ビビッドな個性じゃないところを追求していく中で、今、ファンの方から「他の組の公演でも綴くんが出てくると安心する」と言っていただくことが増えたのは嬉しいですね。ただ、一般的な感覚を持っているがゆえに、春組ではツッコミポジションなんです。僕自身も属性としてはツッコミだと思うんですが、春組は息を吸うようにボケてくる人ばかりで、たまにそのボケをうまく拾えずに悔しい思いをすることも。どうやら新キャストの染谷さんもボケることが多い方みたいなので(笑)、どこまで拾い切れるかわかりませんが、頑張ります! 僕、綴くんの醸し出す空気感がすごく好きなんですよ。優しい人ですが、それだけじゃなく脚本を書きたいという情熱だったり、演じることに対する想いだったり、強い信念を持っているんですよね。そのエネルギーの強さには演じている僕自身が驚かされることもあるくらい、とても刺激を受けています。

まえかわ・ゆうき 1997年12月17日生まれ、東京都出身。NHK Eテレの教養バラエティ『Rの法則』でデビュー。その後、俳優として活動をスタートさせ、大河ドラマ『西郷どん』、舞台・RICE on STAGE『ラブ米』、『最遊記歌劇伝‐異聞‐』などに出演。またTFGとしてアーティスト活動もしており、今年8月にラストライブを控えている。

ジャケット¥86,900(Iroquois/Karaln TEL:03・6231・9091)その他はスタイリスト私物

いろんな個性が集まった春組はまるで春の嵐みたい。

春組:茅ヶ崎 至 役 立石俊樹

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初演の時、「もう一回、人を信じてみてもいいのかな」というセリフがあったんですけど、僕はそのセリフがすごく印象に残っています。生きていれば誰しも嫌な思いをすることってあると思うんですよ。そういう経験から人を信じられなくなったり、人と会うのが億劫になってしまったり…。でも、そんな時に春組と出会った至がみんなに抱いた気持ちと、僕自身が春組のメンバーに対して抱いた気持ちがすごくリンクしていて、僕もみんなを信じたいという想いが初演の時はすごく強かったんですよね。稽古を重ねるうちに、普段は人に見せたくない一面を見せることもあったし、逆に相手が見せたくなかった部分もいっぱい見たし。それで嫌になることもあれば、もっと好きになることもありました。そういう瞬間を重ねてきて、今の春組が出来上がったんだと思います。春組は奇想天外なやつらの集まりで、なんだか春の嵐みたい(笑)。でもみんなとは出会うべくして出会ったと思うし、そんなやつらが世の中を巻き込んでいく感じが僕は好きです。エーステは毎回、舞台に立って監督さんと同じ空間に入った瞬間、「あ、大丈夫だ」って思えるんですよ。だからこそ観てくださる人に届けたいという気持ちが強いし、“届ける”ということに関してはエーステで学ばせてもらいました。観てくださる監督さんへの感謝の気持ちを忘れずに、あとはやるだけです!

たていし・としき 1993年12月19日生まれ、秋田県出身。ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン幸村精市役、ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~のセバスチャン・ミカエリス役、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ティボルト役など。今年10月にはミュージカル『エリザベート』にルドルフ役で出演することが決定している。

衣装はすべてスタイリスト私物

エーステは人生を何倍も味わっているような感覚があります。

春組:シトロン 役 古谷大和

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お芝居を観に行くことなく一生を過ごす人もたくさんいると思うんですけど、エーステは今まで舞台を観たことがない人にも観やすく、演劇って素晴らしいものなんだなということを伝えられる作品だと思います。前知識がなくても楽しめますし、物語も素敵だし、みんな個性的で見飽きることがないんです。僕自身、演劇人としてお芝居が好きな子を演じるというのは親近感がありますね。『A3!』のキャラクターにはそれまでお芝居をやったことがない子もたくさんいるんですけど、僕にもそういう時期があったなとその頃のことを思い出しましたし、同じ演技をやっている者として悩みや葛藤の理由もわかります。演技って自分の人生で重ねてきた分しか表現できないものだけど、エーステは演劇にたずさわっている役者の人生を背負っているから、自分だけでは得られなかった経験値をいただいて、人生を何倍も味わっているような感覚なんですよね。シトロンくんは異国から日本にやってきた留学生で、それまでお芝居なんてやったことがないのに劇団に入るんです。どんな時もポジティブで、そこにいるだけで周りを明るくできる人だけど、実は人生においていろいろと経験していて、それを人に見せない強さとやさしさを持っています。僕はシトロンくんのそういうところが大好きだし、打算のない明るさに憧れます。彼のただ明るいだけじゃないところを大切に演じたいです。

ふるや・やまと 1991年5月4日生まれ、東京都出身。おもな出演作に、Musical『天使について』~堕落天使編~、ミュージカル『黒執事』~寄宿学校の秘密~、舞台『KING OF PRISM』シリーズ、『朗読活劇 信長を殺した男 2021』など。昨年11月には、朗読劇『M・A・D朗毒』の演出を担当。

衣装はすべてスタイリスト私物

春組に自分が入るとどうなるか、想像つかないけど楽しみです。

春組:卯木千景 役 染谷俊之

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エーステはみんなでひとつの作品を作り上げようとする姿勢が魅力的ですよね。なかでも春組は一見バラバラなようでいてまとまっている、すごく不思議な関係。すでに完成されている春組の中に僕が入ったらどうなるのか、まだ想像がつかなくて、僕も楽しみにしています。過去の公演を観たり、ゲームをしてみて共感するところがたくさんあったんですけど、同じ役者だからこそわかる部分もあると思うんですよね。例えば役者同士の関係で真澄と至が悩むところはすごく共感しました。役者も人間なので合う合わないはあるけれど、役同士は仲がいいとなるとどうしたものかとなるんですよね。役としてだけ仲良くやるのか、それとも役者同士の関係性から作っていくのかは役者のスタンスによるんですけど、僕は相手に合わせるタイプ。相手が役者同士仲よくなりたいというなら、今は難しいけど飲みに行ったり話し合ったりしたいですし、逆に舞台の上で出すものがすべてだと考える人なら、僕も相手に合わせます。僕としては、すべてを話し合って決めるよりは、お互いを舞台の上で出し合って、その上に乗っかっていくのが好きですね。千景は本作で初登場する至の会社の先輩です。その縁で春組に入ることになるんですが…。舞台を作るために力を合わせる物語は役者として感情移入しやすいと思うので、そこは乗っかっちゃって、作品を作るという想いを大切に演じたいですね。

そめや・としゆき 1987年12月17日生まれ、神奈川県出身。ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン・平古場凛役、舞台『刀剣乱舞』鶴丸国永役など話題の舞台に数々出演するほか、主演映画『恋するふたり』、ドラマ『REAL⇔FAKE』など映像作品でも活躍。声優としても、アニメ『HUGっと!プリキュア』など出演作多数。

カットソー¥15,400(Iroquois) パンツ¥15,290(SUPERTHANKS) 共にKaraln

MANKAI STAGE『A3!』 ACT2! ~SPRING 2022~

東京公演・4月22日(金)~4月27日(水) 東京国際フォーラム ホールC、兵庫公演・5月4日(水)~5月8日(日) 神戸国際会館こくさいホール、香川公演・5月13日(金)~5月15日(日) レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール、東京凱旋公演・5月20日(金)~5月30日(月) 日本青年館ホール ネルケプランニング 演出・松崎史也 脚本・亀田真二郎 原作・イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』https://www.nelke.co.jp/about/contact1.php

※『anan』2022年4月6日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・小田優士(春組) ヘア&メイク・今井洋輔(横田さん、高橋さん、古谷さん) 髙橋優奈(前川さん) 中元美佳(立石さん、染谷さん) 取材、文・尹 秀姫(高橋さん、立石さん、古谷さん、染谷さん) 構成、文・望月リサ

(by anan編集部)