この道50年! 中国の伝統療法・推拿の達人が教える“自宅でできる脚ケア”

2022.3.13
脚と股関節は、この人におまかせ! 街で噂の先生を大調査。ここでは、中国から来た推拿(すいな)の達人・東京中医学研究所の孫 維良先生を直撃、脚や股関節にアプローチできる施術をライターSが体験しました。ストレッチやツボ押しなど自宅で簡単にできるケア方法も教えてもらいました。

100種以上の手技を駆使して症状の根源にアプローチ。

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数千年の歴史を誇る中国の伝統療法。

中国に昔から伝わる治療法の一つである推拿。3000年以上前には初歩的な治療が始まり、春秋戦国時代(紀元前722~221年)には盛んに行われていたという。「推」には押す、「拿」には掴むという意味があり、人の手のみで治すことが最大の特徴。天津中医学院第一付属病院の推拿科の医師であった孫維良先生は、この道50年。推拿の技術に感銘を受けた日本人医師に誘われ30年以上前に来日し、治療の傍ら、推拿塾を開設、普及活動にも力を入れる。

「経絡に沿って、痛みを感じる場所に、手で適度な刺激を与えていきます。手技の数は100種類以上もあり、症状に合わせた手技で力の強弱も変化させます。的確なポイントを探し当て、適切な手技を選ぶことが大切です。推拿の特徴である“理筋”と“分節”という手法で、筋肉や靭帯の癒着、捻れにもアプローチ。中国にある中医薬大学には、すべて推拿科が設けられており、人々にとっても大変、馴染み深い治療法なんです」

施術の最後には、自分でできる療法もていねいに教えてくれる。

「私が目標にしているのは、不調を抱えた人が治療に通わなくてもいい体にすること。そのためには、自分で不調を治せるようになっていただくことが大事なんです」

ピンポイント刺激で一瞬でこわばりを軽減。

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両脚の長さをくらべたり、膝下をさすったりしながら、問題のある場所を探っていく孫先生。私の場合、左脚の筋肉が縮まっていた模様。今回、先生がアプローチしたのは、お尻にある梨のような形をした梨状筋。両手の親指を使ってぐっと押された瞬間、深い部分にまで刺激が…! すると、みるみるうちにこわばりが軽減され、左右差もなくなりました。

孫先生が伝授! 自宅でできる脚ケア

脚全体の痛みやだるさを感じたら。

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脚の坐骨神経痛や、太もも&膝裏に痛みやだるさがある時は、太もも裏の中央付近にある「殷門」というツボを刺激しよう。片足を椅子などに乗せ、拳を作り、一定の強さとリズムで、ツボの周囲を数分間、叩く。あらかじめ両手を擦り合わせて温めてから行う。

ふくらはぎのトラブルにはこれ。

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膝裏とアキレス腱の中間あたりに位置する「承山」というツボは、ふくらはぎの痛みや冷えに有効。また、こむら返りにも即効性がある。まずは、椅子に浅く座り、かかとを上げる。そして、拳を使ってツボの周囲を軽く叩く。これを数分間、続けてみよう。

東京都千代田区五番町5‐6 ビラカーサ五番町001 TEL:03・3512・0202 10:00~20:00(受付19:30) 孫先生は火・木・日曜休、他スタッフの施術は無休 孫先生施術1回¥10,000(別途初診料¥5,000)、他スタッフは30分¥3,000~。https://tuina.jp

※『anan』2022年3月16日号より。写真・田尻陽子 イラスト・山中玲奈 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)