milet「誰かの背中を押せる曲を作るべきなんじゃないか」 新アルバムに込めた想い

2022.2.8
miletのセカンドアルバム『visions』は、半数以上の楽曲がドラマ、映画、TVCM等のタイアップ曲という華やかさがありながら、音楽的な挑戦性に貫かれたアルバムだ。

暗い時期には暗い曲を書かないことに気付いた。

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「私は暗い時期には暗い曲を書かないということに最近気付いたんです。コロナ禍ということもあって、希望に溢れた光を放つ曲が多いなって思います。あと、ツアーで私の音楽を待ってくれてる人がたくさんいることを実感して、誰かの背中を押せるような曲を作るべきなんじゃないかっていう責任感もありました」

1曲目の「SEVENTH HEAVEN」から、音と自由に戯れるような躍動感が溢れている。

「ツアーが楽しすぎて興奮冷めやらなくて。その気持ちをどうにかしないと他のことが手につかない感じだったので、ツアー中にスタジオに入って作った曲です。そのままツアータイトルを曲名にして。ライブが始まる前のワクワク感が、海外に飛び立つ機内で感じるワクワク感と似ているなと思ったので、空港名を歌詞にちりばめたり。あと、ツアー中にパラダイスみたいな楽しさやお祭りみたいな賑やかさも感じたので、笑い声が入るような楽しい曲になりました。ライブで直接会ってる時間って、本当にその時しかない感覚があると思うんです。だから“今”っていうことにフォーカスして。ラブソングではあるんですけど、私とファンの方とのラブソングでもあると思います」

miletさんのイメージを更新したワイルドなシングル曲「checkmate」にも通じる、ビートの利いた新曲「Outsider」も収録。

「優しくて広がりのある曲が多いので、私のアグレッシブな部分も収録したいなと思って、イキり倒すのが楽しくて仕方なかったので(笑)、『Outsider』も入れました。『checkmate』と同時期に作っていて、音楽で攻撃的になるのが楽しい時期だったんです。いつもより力強い歌い方をしたり、女性の妖艶さを出したり、声で上から目線みたいな雰囲気を入れてみたり。歌でも私の中のいろんなアウトサイダーを呼び起こしてみた曲です」

ツアーやオリンピック閉会式での歌唱等、様々なことを経験したことで「タフになったし、聴いてくれる方々の存在がはっきり感じられたことは自信につながった」と語る。どんどん楽曲のインスピレーションが湧き、アルバム制作後も曲作りのスピードは加速する一方だという。

「アルバムのための曲を作ろうとすると、またデモのストックが倍々で増えていって。アルバム制作後の方がスタジオに入る勢いが増してるっておかしいですよね(笑)。関わってくれてるプロデューサー陣も私のことをすごく理解してくれてるので、もっといろんな曲を作りたいです。そういう刺激を与えてくれる人が近くにいてくれてるのも誇らしいし、どんどん新しい曲を作っていけると思える。だから曲作りがやめられないんでしょうね」

Entame

2ndフルアルバム『visions』。NHKウィンタースポーツテーマソング「Fly High」等全15曲収録。【初回盤A(CD+Blu‐ray)】¥4,950 【初回盤B(CD+DVD)】¥3,850 【通常盤(CD)】¥3,190(SME Records)

ミレイ 思春期をカナダで過ごす。2019年メジャーデビュー。’20年、1stアルバム『eyes』がオリコン週間CDアルバムランキング1位を記録、NHK紅白歌合戦出場。’21年、東京2020オリンピック閉会式に歌唱出演。
トップス¥24,750(ミー イッセイ ミヤケ/イッセイ ミヤケ TEL:03・5454・1750) その他はスタイリスト私物

※『anan』2022年2月9日号より。写真・岩澤高雄(the VOICE) スタイリスト・森田晃嘉 ヘア&メイク・枝村香織 取材、文・小松香里

(by anan編集部)