iri「20代前半だったからこそ書けた詞とメロディがあった」 ベストアルバム発売

2021.11.7
2016年のデビュー以降、低音が心地よく響くスモーキーな歌声や、幅広いプロデューサー陣と共作した多彩なサウンドで、唯一無二の存在感を放ってきたiriさん。そんな彼女が、5年間の活動を凝縮したベストアルバム『2016‐2020』をリリースした。
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「収録曲は、これまでに発表した作品の中からリード曲を中心にセレクトしました。あえて時系列がバラバラな曲順にしたのですが、初めて聴いてくれた人に『iriってこういう人なんだ』とわかってもらえて、ずっと応援してきてくれた人には懐かしんでもらえるような流れを目指していて。あとは、『ライブでこういうセットリストでやれたら楽しそうだな』っていうのも意識しました。ジャズクラブでライブをしていた大学生の頃からずっと大切に歌ってきた『Valerie』をはじめ、より私らしさを感じてもらえるようなカバー曲も収録しています。ジャケットのイラストは、インディーの頃から親交のあるKYNEくんに描いてもらいました。この5年の間に、私の楽曲のテイストにも、彼のイラストのタッチにも小さな変化があったと思うんです。だから、節目のタイミングで一緒に何か作れたらいいなと思いお願いしました」

22歳から27歳まで歳を重ね、ミュージシャンとして、一人の女性として、自身の変化や成長を感じる部分も多いという。

「曲作りに関してほとんど無知なところからスタートして、この5年で少しずついろんなスキルを習得してきました。昔の歌詞を読むと、未熟な若さを感じると同時に、力強さもあると思うんですよね。当時はたくさん葛藤があったけれど、こうやって改めて聴くと、20代前半だったからこそ書けた詞とメロディがあったんだなと実感します。今は自分にとって必要なものをしっかり見極められるようになりましたし、日常生活の中で思ったことや気づいたことを言語化しやすくなったように感じています」

「日常的にインプットされた音が、曲作りの際に自然と頭に浮かぶタイプ」だと話すiriさんは、この5年の間に、オン・オフの切り替えも意識するようになったのだとか。

「休みの日に友達と食事に行ったり家でテレビを見たりしていると、常に何かしらの音楽が聞こえてくるじゃないですか。そういう外からの刺激があるとどうしても常に音楽のことを考えてしまい、気持ちをうまく切り替えられないと気づいたんです。だから最近は、完全に無音の部屋や自然の音だけが流れる場所を訪れたりして、意識的に自分のスイッチをオフにするよう心がけています。音楽以外の趣味も何か増やしていけたらと思って、最近はハンモックヨガやリラックス効果のあるトレーニングにも挑戦中で。生活リズムにメリハリをつけることで『今は曲と向き合う時間!』という線引きもできるようになりましたし、これからは今まで以上にパワフルな活動ができるんじゃないかなと思っています」

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ベストアルバム『2016‐2020』。過去にリリースされた人気曲のほかにカバー曲を含む、全16曲を収録。【完全生産限定盤】¥6,600 【初回限定盤】¥4,400 【通常盤】¥3,300 【アナログ】¥4,400(Colorful Records)

イリ 1994年生まれ、神奈川県出身のシンガーソングライター。2016年に1stアルバム『Groove it』でメジャーデビュー。最近では、海外フェスやブランドのショーでもライブを行う。
デニムジャケット 参考商品 Tシャツ¥20,350 デニムパンツ¥30,250(以上アクネ ストゥディオズ/アクネ ストゥディオズ アオヤマ TEL:03・6418・9923)

※『anan』2021年11月10日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・服部昌孝 ヘア&メイク・フジワラミホコ(LUCK HAIR) 取材、文・大場桃果

(by anan編集部)