現代アートを気軽に楽しむチャンス! バスで巡る「アートウィーク東京」

2021.10.31
東京の現代アートを気軽に楽しめる新しいプロジェクト「アートウィーク東京」が開催される。これは国立美術館から国際的なギャラリー、小さなアートスペースやプライベートミュージアムまで、現代アートを牽引してきた都内50のギャラリーと美術館がタッグを組んだ、かつてない規模のアートイベントだ。

海外からも注目される東京の現代アートシーンをバスで巡る秋のイベント!

期間中はパスを手に、4つのルートを巡回するバスを自由に乗り降りして50のスポットへ気軽にアクセスできる。これなら足を運びにくかったギャラリーなどにも短時間でたどり着け、東京のアートとカルチャーを効率よく満喫できる。期間中巡回する「アートバス」では、ルートごとにアーティストの高山明、毛利悠子、塩見允枝子(みえこ)、グループ・音楽の4組による、車内だけで体験できる“都市を巡る声”をテーマにした作品も楽しめる。初心者からプロまで、アートファンなら誰もが気軽に参加できる、またとないチャンスだ。

「コロナ禍で国際的にギャラリー同士のネットワークが盛り上がり、新しい取り組みを他の画廊と一緒に行う機会が増えたことが開催のきっかけとなりました。ならば東京でもコミュニティを盛り上げることができるのではと」

とアートウィーク東京共同設立者・ディレクターの蜷川敦子さん。東京の現代アートの歴史は100年にも及ぶ長さで、世界に誇る作品を数多くのアーティストが生み出してきた。ギャラリーでは気に入った作品を購入することもできる。海外でも注目されるそんな東京アートシーンの魅力をこの期間にぜひ満喫して。

ART WEEK TOKYO 巡回バスマップ

Entame

美術館&ギャラリーを結ぶ4つのルートを巡回する「アートバス」は15分に一本の頻度で発着し、どのルート、どのバスにも乗り降り自由。2名用のペアパス(1800円)や4‐DAYパス(2000円)などお得なパスもあり。パスを提示すれば美術館で割引なども受けられる。購入は下記ウェブサイトより。

ART WEEK TOKYO 美術館6館、ギャラリー44軒で開催。11月4日(木)~7日(日)10時~18時(東京オペラシティアートギャラリー、ワタリウム美術館は11時開館) AWTパス1000円(1日有効)ほか。AWTインフォメーションセンター(東京都港区南青山5‐4‐30) info@artweektokyo.com https://www.artweektokyo.com/

ROUTE A

アーティストに縁深い会場がある天王洲、品川、恵比寿方面を巡るルート。世界的に有名なアーティストが拠点としたギャラリーや画廊も多いのも特徴。

【A4】カイカイキキギャラリー「Event Horizon」開催中~11月11日(木)予定

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アルミニウム、ガラス、ブロンズ、粘土といった素材を探求し彫刻への考察を深める仏人アーティスト、ジャンマリ・アプリユの日本初個展を開催。

ジャンマリ・アプリユ《Callisto》2020 ©Jean-Marie Appriou, courtesy of the artist, photo by Benjamin Baltis

【A9】ギャラリーサイド2「三井淑香新作展」開催中~11月26日(金)

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アーティスト三井淑香の日常や事物、思い出などを通し、現代のポップなイメージと隣り合わせで表現される伝統文化へのオマージュを描く。

三井淑香《壺の間》2020

ROUTE B

新進から歴史的評価の高い作家まで、日本の実験的アートに注目した会場が集中するルート。新橋、京橋から両国までの歴史を感じられる風景も○。

【B7】ギャラリー小柳「I saw it, it was yours.」開催中~10月30日(土)、11月4日(木)~7日(日)

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膨大な作業量によって描かれた鉛筆画のインスタレーションを展開する橋本晶子の個展。2020年の個展「Ask him」に新作10点を加えた新たな内容。

橋本晶子《Ask him》2020 Installation view of Akiko Hashimoto’s exhibition “Ask him” at the 14th shiseido art egg, Shiseido Gallery, 2020 制作協力:資生堂 ©Akiko Hashimoto, photo by watsonstudio

【B11】Take Ninagawa「大竹伸朗『残景』」10月30日(土)~12月18日(土)

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コロナ禍に取り組んだ連作を紹介。様々な素材を組み合わせた分厚い油彩画の堆積物から成る三次元構造の作品を通して、“記憶の最後に残る景色”を探求。

大竹伸朗《残景 1》2019 ©Shinro Ohtake, courtesy ofTake Ninagawa, Tokyo, photoby Kei Okano

ROUTE C

上野、池袋、渋谷までと広範囲をカバー。コンテンポラリーアートの中でも、今もっとも先鋭なセンスを満喫したい人がはずせないルートがこちら。

【C9】ナンヅカ アンダーグラウンド「SOME DAYS ARE DIAMOND」開催中~11月7日(日)

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ナイジェリアを拠点に活動するワハブ・サヒードの日本初個展。印象的なマークやパターン、色鮮やかな背景と木炭で描かれた作品は人間に不可欠な出来事や心理とは何かを問う。

ワハブ・サヒード《Secret in Scars》2021 ©Wahab Saheed, courtesy of NANZUKA

【C4】4649「カルビン・ミシェリ‐ネルソンと清水将吾」11月4日(木)~12月19日(日)

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ロサンゼルスをベースに活動する画家カルビン・ミシェリ-ネルソンと「4649」のディレクターでもある清水将吾による二人展。本展はネット上での自助的な交流によって実現。

カルビン・ミシェリ‐ネルソン 2021 Courtesy of the artist and 4649, Tokyo

ROUTE D

新宿、渋谷、六本木、神楽坂など都心を中心に巡るルート。映像関連やアートフェア、トークショーまで、自主企画の展覧会が面白い個性派ギャラリーが集中。

【D1】タカ・イシイギャラリー「YAKIMONO」開催中~11月7日(日)

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ポリウレタンやブロンズなどを用いた立体作品で有名なスターリング・ルビーをはじめ、リズ・ラーナー、ルシア・ビダレスなどのグループ展を開催中。

スターリング・ルビー《CLUB(7689)》2021 ©Sterling Ruby, courtesy of Sterling Ruby Studio and TakaIshii Gallery, photo by Robert Wedemeyer

【D1】シュウゴアーツ「わたしはどこに立っている」10月30日(土)~11月27日(土)

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森村泰昌と三嶋りつ惠の二人展。森村は自画像の美術史シリーズよりゴッホ、ダ・ヴィンチなどを取り上げ、三嶋はその人物に捧げる新作を発表。

森村泰昌《青春の自画像(松本竣介/わたしはどこに立っている1 )》 2016  発色現像方式印画160×124cm ed.5 ©the artist, courtesy of Shugo Arts

※『anan』2021年11月3日号より。取材、文・山田貴美子

(by anan編集部)