宇賀なつみ「目標は“翠ちゃん”&“姫ちゃん”」 “機嫌よく”生きるコツ

2021.9.30
相手が話しやすい環境を作り、トークを引き出すアナウンサー。その会話の極意を知るべく、宇賀なつみさんにインタビュー。

相手も自分も機嫌よく会話できる状況を作る。

uga1

局アナ時代から明るく飾らない人柄で知られていた宇賀なつみさん。小料理屋の女将に扮した冠番組『川柳居酒屋なつみ』では、ゲストとお酒を楽しみつつ、ざっくばらんなトークで、MCとして普段とは違う相手のリラックスした一面を引き出す役割を担っていた。

「もともと人としゃべることが好きで、アナウンサーという仕事を選んだ一番の理由もそこなんです。あの番組は台本がほぼなくてかなり自由だったので、本当に普通におしゃべりしていた感覚。ただ心がけていたのは、ゲストが誰であれ態度を変えないこと。もちろん目上の方であれば敬語を使うというような最低限のマナーはありますが。それは番組関係なく、普段からそうですね」

そんな宇賀さんの会話の基本は、“相手に興味を持つ”こと。

「よくコミュニケーション術や、しゃべりのテクニックを聞かれるんですけれど、それより大事なのは、誰であれ相手を好きになることだと思うんですよね。相手に好かれようと思うと大変だけど、自分が相手を好きになるのはいくらでもできる。どんな人にもいいところはあるし、興味を持てば聞きたいことは自然と見つかります」

意識しているのは、嘘をつかないこと、知ったかぶりしないこと。

「嘘って相手にすぐ伝わってしまうもの。作品の感想などを伝えるときも、なるべく素直に言うようにしています。ただ、マイナスに聞こえることを伝えるとしたら、相手を傷つけないよう言い方を考える。たとえば字が汚いならば、独特ですねとか、わんぱくですねとか(笑)。愛情を持って伝えられるかが重要だと思っています」

話題を振られたときに、すぐ返せるよう、日頃から自分の意見や考えを言語化しておくことも重要。

「私、手帳にメモに近い日記のようなものを書いているんです。たまにそれを読み返してみると自分の思考の傾向がわかるので、人と対峙するときに役立てることができるし、意見や感想を事前に精査しておけるのもいいですね」

とにかく明るく快活。もともと10代の頃から、「どうしたら人生を楽しく面白くできるかを考えてきた」という宇賀さん。

「そのために自分を変えようと思って、ハウトゥー本を読んだり、理想の女の子に自分を寄せていくトレーニングをしていました(笑)。目標にしたのは、明るく素直で嫌みのない少女漫画のヒロイン。こういうときに、『天使なんかじゃない』の翠ちゃんだったらどう言うか、『姫ちゃんのリボン』の姫ちゃんだったらどういう行動をとるかをシミュレーションして、少しずつ自分の思考を変えていきました。おかげで今は、どんなにピンチでもポジティブな思考に変換して、機嫌よくいられるんです」

つねに明るくオープンマインド。それが自然と相手の心を開かせるのかもしれない。

「自分を飾らないというのが基本ですが、その自然体が自分自身にOKを出せる状態であるかどうかが大事だとは思っています。心に留めているのは、普段から機嫌よく、気分よくいることです。自分が気分がいいと周りに優しくできるし、場の空気がよくなれば話しやすい環境にもなるんですよね」

宇賀さんの会話3か条

1. 相手を好きになり、興味を持つ。
2. ポジティブな主人公になりきる。
3. 愛情のある表現に言い換える。

うが・なつみ 1986年6月20日生まれ、東京都出身。2009年にテレビ朝日に入社し、『報道ステーション』などの番組を担当。’19年の退社後はフリーランスとして活躍。『池上彰のニュースそうだったのか!!』などに出演中。

ブラウス¥17,600(セルフォード/セルフォード ルミネ新宿1店 TEL:03・6279・4750) パンツ¥17,600(アンクレイヴ/オンワード樫山 TEL:03・5476・5811) リング¥81,400(ヴァンドーム青山/ヴァンドーム青山本店 TEL:03・3409・2355) その他はスタイリスト私物

※『anan』2021年10月6日号より。写真・兼下昌典 スタイリスト・近藤和貴子 ヘア&メイク・イワイユイナ 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)