PUFFY「『楽しいばっかじゃねーよ!』って…」 25年の歩みを振り返る

2021.9.17
見た目が似ているかわいい女の子2人組が、おそろいのTシャツ&デニムをまとって世に出てきてから四半世紀。25年間一緒に歩んできたPUFFYの亜美さんと由美さん。60分のインタビューを通して感じたのは、やっぱり二人が出会ったことは奇跡であり、二人の間には運命的な何かがある、ということ。のほほんと、でも力強い結びつき、とっても羨ましいです。
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――今年の5月、弊誌のスタッフが横浜で開かれたフェスで、PUFFYのライブを拝見したらしいのですが、ファンの年齢層が幅広いことに驚いていました。子供さんもたくさん見ていたそうで。

由美:えー、ありがとうございます。はい、やりました、横浜で。

亜美:そういえばデビュー当時、小学4年生の女の子からファンレターをもらったことがあるんですが、そこに「PUFFYは楽しそうでいいね」って書いてあったことがあって。当時はめっちゃくちゃ忙しかったから、「楽しいばっかじゃねーよ!」って返事を書きたい気持ちだったんですけど(笑)、でもそういうふうに小さい子に思ってもらえるのは、今も昔もとても嬉しいです。

由美:そういう人たちってみんな、「なんか好き」って言うんですけれど、その“なんか”っていうのが、実は一番ありがたかったりして。面白そうとか、楽しそうとか、そういう感覚が、その“なんか”なのかなって思っていて。

亜美:うんうん。

由美:でもその“なんか”の中身が明確になっちゃうと、たぶん飽きられちゃうんですよ。正直自分たちも、25年やってますけれど、私たちの良さとかウリって、いまだにわからないんです(笑)。だから“なんか”くらいで止めておくのがいいような気がしています。

週5日遊んでいたけれど、もっと一緒にいたかった。

――お二人は本当に仲良しに見えるのですが、そもそもどういう経緯でPUFFYは結成されたのでしょうか?

亜美:お互い別々に事務所に入ったんですが、当時デビュー前の女の子が、私と由美ちゃんしかいなかったんです。それでちょこちょこ顔を合わせるようになり少しずつ仲良くなって、お互いまだ仕事もなかったので、週5くらいで遊ぶようになったんです。

由美:よく亜美ちゃんの実家に行って、夕飯を食べさせてもらったりしました。まだ働いてなかったからお金がなくて(笑)。

亜美:で、残りの会わない2日が寂しくて。ならば、一緒に仕事をすれば、1週間全部一緒にいられるじゃんと思って、「由美ちゃんと組みたい」って、私が事務所にお願いをしたのがスタートです。

由美:マネージャーさんから「亜美ちゃんが組みたいって言ってるよ?」って軽い感じで言われたので、私も「ハイハ~イ」みたいに答えたような記憶が。でも今思うと、誰も事の重大さに気づいてなかった気がしますね…。

――人は歳を重ねて互いの状況が変わると、すれ違ったり、疎遠になることも少なくないと思うのですが、そういうことはPUFFYにはなかったのですか?

由美:もちろん25年の間には、「お互いの生活があるから仕方ないよね」っていうことは、何度もありました。でも、そういう意味で言うと、ちょっと語弊はあるかもしれませんが、私たちはやっぱり、ただの友達ではないんだと思います。いい面も悪い面も見た上で付き合っているので。

亜美:会社から「あなたたち組みなさい」って言われたわけではなかったけれど、デビューして、急に仕事が忙しくなった状況に対して、どう乗り越えていくのか苦しんだり悩んだりする気持ちが理解できるのは、お互いしかいなかったんです。いろんなことを考え、言い合って文字通り育ってきた二人なので、やっぱりそこに、絶大な信頼関係はあるんですよね。

由美:なんていうのかな、今となっては、お互いに深く知っているからこそ、詮索しない、というか。

亜美:そうそう、“すべてを知ろうとしない”っていうのはあるかもしれません。もちろん「聞いて聞いて、昨日ね~」っていう会話はしょっちゅうあるし、言いたいことは全部言ってる。でも相手に対して、「なんで私にその話してくれなかったの!?」みたいなのは全然ない。絶大な信頼関係があるからこそ、踏み込まなくても大丈夫って思うのかもしれません。やっぱり、私にとって由美ちゃんは特別で、なかなか得られない人だと思います。

由美:ソロだったらきっと、続いてなかったと思いますね。

亜美:私も。「面白くないな」って、飽きちゃってたと思う(笑)。

――二人だったから、面白かったし続いた、と。

亜美:はい。今でも会うたび、毎回爆笑して帰りますから。

10年ぶり12作目のオリジナルアルバム『THE PUFFY』(ワーナーミュージック)が9/22に発売。ユニコーン、前山田健一(ヒャダイン)、生形真一、tofubeats、志磨遼平など豪華作家陣が楽曲提供&演奏を。初回限定盤AはオリジナルTシャツ付き、初回限定盤Bは25周年ライブを収録したDVDのおまけ付き!

パフィー 右・大貫亜美(おおぬき・あみ) 1973年生まれ、東京都出身。左・吉村由美(よしむら・ゆみ) 1975年生まれ、大阪府出身。’96年、奥田民生プロデュースによるシングル『アジアの純真』でデビュー。以降ミリオンヒットを連発し、アメリカでは二人を主人公にしたアニメが作られ、世界110か国以上で放送されるなど、国内外で活躍。

※『anan』2021年9月22日号より。写真・岩澤高雄(the VOICE) ヘア&メイク・中山友恵

(by anan編集部)