コロナ禍、介護施設、抱擁…「世界報道写真展2021」大賞作は?
世界中で起きた現実を捉え、観る人の心に迫ってくる一枚。
「観る人が物事を考えるきっかけとなる作品であることが重要な選考基準。2020年は、やはりコロナ禍を様々な視点から捉えた作品が数多く受賞しています」(朝日新聞社企画事業本部文化事業部主催者)
例えば世界報道写真大賞に選ばれた〈初めての抱擁〉は、「コロナ禍で一変した人々の暮らしの中で、脆さ、喪失と別れ、死、そして生き延びることの大切さが表現された一枚」「最前線で働く人の努力と困難を伝えつつ、コロナ禍を前向きに捉えた作品」と高く評価された。
日々報道されるニュースだけでなく、世界中で起きている現実のミクロな一面に触れられるのが報道写真の魅力。嘘のない現実だからこそ伝わる作品は衝撃的で、誰もがきっと心を揺さぶられるはずだ。
1.世界報道写真大賞 一般ニュースの部 単写真1位 マッズ・ニッセン(デンマーク、ポリティケン/パノス・ピクチャーズ) 初めての抱擁 2020年8月、サンパウロにある介護施設で、新型コロナウイルス感染防止の「ハグカーテン」越しに看護師に抱きしめられる85歳の入所者ローザさん。
2.ポートレートの部 単写真1位 世界報道写真大賞ノミネート作品 オレグ・ポノマレフ(ロシア) ジェンダー移行:イグナット 2020年4月、サンクトペテルブルクにてガールフレンドのマリアと座るトランスジェンダー男性イグナット。
「世界報道写真展 2021」 東京都写真美術館 地下1階展示室 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 開催中~8月9日(月)10時~18時(入館は閉館の30分前まで) 月曜(7/19は開館)、7/20休 一般1000円ほか TEL:03・3280・0099 滋賀・京都・大分でも順次開催。
※『anan』2021年7月7日号より。取材、文・山田貴美子
(by anan編集部)