下半身太りの原因に!? 美脚の敵、“内巻き股関節”とは

2021.6.30
鏡の前に立った時に目に余る、前ももや外ももがパンパンに張った脚。その一因となるのが“内巻き股関節”。間違った使い方が習慣になり歪んだ股関節を正しい位置に戻して、すらりと伸びた美脚に!

太脚の悩み解消に、股関節からアプローチ。

「下半身太りに悩む人の多くに共通しているのは、立ち姿や歩き方に歪みやクセがあることです」

と、美脚専門パーソナルトレーナー・みすたーだいどーさん。

「それらの原因の一つは、筋肉の使い方に偏りがあり、股関節が正しく動かせていないこと。特に多いのが股関節を外にひねる動作ができず、内側にねじれたままになっている“内巻き股関節”です」

内巻き股関節が常態化すると、脚のシルエットにも大きな影響が。

「股関節が内側にねじれてしまうと、股関節につながっている太ももの骨が外に張り出します。これはO脚やXO脚を招く一因に。また、太もも前面に筋肉がついて厚みが増したり、外側がパンパンに張ったりします。その一方で、働いていないお尻やもも裏には脂肪がつきやすく、たるみがちです」

まずは、股関節を外へ外へと引っ張ってくれる筋肉を目覚めさせる。そして、股関節を正しい位置に戻し、真っすぐで引き締まった美脚を手に入れよう!

股関節

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太ももの骨(大腿骨)と骨盤の間にある関節。大腿骨の上端が丸くなっていて、そこが骨盤の窪みにはまり込んでいるので可動性が高く、前後左右のほか、さまざまな動きができる。ただ、動作には股関節周辺の23個もの筋肉が関係するので、本来とは違う筋肉で動かすこともでき、それが歪みや下半身太りの原因にも。

内巻き股関節が、美脚を遠ざける!

長年の下半身太りは内巻き股関節が原因。
上半身はそうでもないのに、下半身だけガッチリたくましくなってしまうのも内巻き股関節の仕業。股関節が内巻きになると、なぜ脚が太くなるのか? だいどーさんにもう少し詳しく教えてもらおう。

「股関節がねじれると重心が前がかりに。カラダが傾きやすくなり、前ももや外ももに体重が乗ってしまいます。すると自分の体重を支える力に加えて、傾いたカラダを支えるための力も余分に必要に。前ももや外もも、ふくらはぎがそれを担ってくれますが、当然筋肉は発達してしまいます。体重が50kgだと、本来はその重さを支えるだけの筋力で十分ですが、カラダのバランスが悪いとそれでは支えきれず、体重以上の重さを支えられる脚になってしまうのです」

なかには、筋肉がそこまでつきやすくない体質の人もいるはず…。

「内巻き股関節の人のもう一つの特徴が、お尻やもも裏がたるみがちなこと。股関節を開く時に引っ張ってくれるのはお尻の筋肉ですが、内巻きだとサボりがち。筋肉を動かさない部位は、脂肪がつきやすくなるといわれています」

◎実際の体重より下半身が太く見える。
内巻き股関節の人は前ももと外ももに体重が乗りやすく、傾いたカラダを支えるための筋肉がつく分、脚が太くたくましくなる。実際の体重以上に太く見えるのはこのせい。

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内巻き股関節になると脚が太くなるだけでなく、脚全体のシルエットが崩れてしまいがち。股関節が内側にねじれて、膝が外に広がることでO脚になったり、膝が内側に入り、バランスをとろうとしてすねの骨が外側にねじれるとXO脚に。いずれもお尻の筋肉をうまく使えず、美脚づくりの効果が出にくくなるうえに、関節に不自然な荷重がかかることで膝や腰を痛めかねない。股関節ひねりで歪みの解消に努めよう。

股関節をひねり、正しく動かすと細脚に。

筋肉のアンバランスを整える動き方で美脚に。

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脚が太くたくましくなる内巻き股関節は、傾いたカラダを筋肉で無理やり支える立ち方。

「脚を細くするには、とにかく特定の筋肉に頼らないで真っすぐな姿勢を取り戻すこと。その解決策として日課にしたいのが股関節ひねりです。内巻きを正して、傾いていたカラダが上手くバランスをとれるポジションに戻ると、頑張っていた前ももや外ももにかかる負荷が軽減されます。筋肉のアンバランスが整い、最小限の筋肉と骨でラクに立てるようになるので、脚のシルエットもすっきり。O脚やXO脚の人なら、膝が正面に向き脚が真上にスッと伸びることで、確実に脚の長さも変わるはず」

立ち姿勢だけでなく、立ち上がる、しゃがむ、歩く、階段を上るなど日常動作でも、股関節を正しく動かせるようになるのが理想的。

「股関節が正しく使えず、これまで膝に負担をかけていたのが、最小限の力でできるようになるので、さらに美脚に近づけます」

みすたーだいどーさん 美脚専門パーソナルトレーナー。銀座にある女性専用の美脚専門パーソナルジム「Desty」の代表を務める。著書に『東大卒トレーナーの脚やせ大全』(ワニブックス)。

※『anan』2021年7月7日号より。イラスト・井上 明 取材、文・門上奈央

(by anan編集部)