量、期間、周期は? 「月経」の異常のサインをセルフチェック!

2021.6.19
PMSや月経、それに伴う痛みや不快感など、女性の体と心は1か月間で大きくゆらぐもの。でも、自分のリズムを理解していれば、日々快適に過ごすのは難しいことではありません。

自分の月経を知ることが、心身のケアには必須。

月経がくる前、大なり小なりさまざまな不調が起こるのを実感している人は多いはず。

「月経をもたらすだけでなく、心身のリズムに関わるのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量の変化です。この変化を理解していれば、いつもより些細なことでイライラしたり落ち込みやすくなる時期や、心の浮き沈みのパターンがわかり、対処しやすくなるはずです」(婦人科医・松村圭子さん)

また、月経の状態が心身の変調を教えてくれることもある。

「生活がガラッと変わった時などは、ストレスの影響でホルモンの分泌量も変わります。新生活が始まった春以降、月経が止まったと病院に相談に来る人が増えるのもそのせい。普段の月経を知っていれば、量や周期の変化で心や体が疲れているのかも、と気づくことができ、自分をいたわれるのです」(心療婦人内科医・池下育子さん)

でも、編集部で実施したアンケートを見ると「自分の月経がそもそも正常なのか」「心身の変化が生理によるものなのかがわからない」という声が多数。

「月経には個人差があるので、人と比べても、情報が溢れるネットを調べても、あなた自身の正確な状況はわかりません。自分のパターンとリズムを知ることが大事です」(松村さん)

まずは下記を読んで自分の状態をセルフチェック! 体と心の声を教えてくれる、月経のメッセージを受け取る方法を探っていこう。

自分自身のバイオリズムを見直すため、まずは月経をセルフチェック。

一般的な月経

個人差はかなりあるが経血量、期間、周期が下記の範囲内であれば、正常な月経。

・量
20~140ml

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1周期に使用するナプキンをすべて昼用のものとして換算した場合、1パック(20枚)程度が目安。

・期間
3~7日

・周期
25~38日

こんな月経は異常のサイン!

下記のような症状が2か月以上続く場合、異常のサインと考えられる。体の乱れは人それぞれのため、気になったら気軽に婦人科で相談しよう。

・量
【過少月経】極端に量が少ない
月経量が多いとされる2~3日目でも生理用ナプキンを1日に1~2回しか換えなくて済むほど経血の量が少ない状態。女性ホルモンの分泌量が少ないため、子宮内膜が厚くならず、月経がきても経血量が少ない。

【過多月経】極端に量が多い
経血の量が異常に多く、昼用のナプキンが1時間もたなかったりする状態。レバー状のかたまりが出ることも。子宮筋腫など病気の可能性も考えられる。

・期間
【過短月経】2日以内で終了
月経が2日以内で終わってしまう状態。過少月経と同じく女性ホルモンの分泌量が少ないため、子宮内膜が厚くならず、短期間で月経が終わってしまう。

【過長月経】8日以上続く
月経が8日以上続く状態。しっかりした出血が長く続いて貧血を起こす場合がある。排卵しないで出血がだらだら続く無排卵月経になっている可能性も。

・周期
【稀発月経】なかなかこない
39日以上経っても次の月経が始まらない状態。一定のリズムでも2か月に一回などという人は要注意。女性ホルモンが順調に分泌されていない可能性が高い。

【頻発月経】すぐにくる
月経周期が24日以内と短くなっている状態。ホルモンバランスが不安定な思春期に多い。月経回数が増えてしまうため、貧血になりやすい。

・痛み
あまりにも月経痛が激しい場合は、子宮内膜組織が子宮以外のところで増殖してしまう子宮内膜症も考えられる。

松村圭子さん 婦人科医。「成城松村クリニック」院長。若い世代の月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポート。近著は『これってホルモンのしわざだったのね 女性ホルモンと上手に付き合うコツ』(池田書店)。

池下育子さん 心療婦人内科医。「東峯ラウンジクリニック」院長。オンライン診療も受け付け中。ストレスの多い現代女性の心身の不安解消に取り組んでいる。著書に『PMSの悩みがスッキリ楽になる本』(東京書籍)など多数。

※『anan』2021年6月23日号より。イラスト・別府麻衣 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)