“はがトレ”で首のコリを解消! 皮膚をつまむだけでOKって本当?

2021.6.5
数ある筋膜リリース法の中でも、群を抜いてわかりやすいと評判なのが“はがトレ”。はがトレの“はが”は、皮膚はがしの意味。はがして、ほぐすの2ステップで、さまざまな体の不調にアプローチが可能。最初に基本的なやり方を覚えましょう。

安部元隆先生が“はがトレ”を発案したのは14年ほど前。アスリートなどが愛用する“キネシオテープ”にヒントを得たそう。

「肌に貼り皮膚を持ち上げることで、皮膚と筋膜の間に隙間を作り、血液やリンパの流れの改善を促すのがキネシオテーピング。テープを使わず、皮膚と筋膜の癒着をはがす方法はないか…と考えたのが、指で皮膚を持ち上げそのあとに筋肉をほぐす“はがトレ”です。癒着を解消すると可動域が広がり、筋肉の収縮も良くなるんですよ」

皮膚と筋膜が癒着していることと、体の不調には密接な関係が。

「癒着によりリンパや血液の流れが滞り、老廃物が排出できず、それが筋肉の硬化につながる。皮膚をはがし筋肉をほぐせば、不調解消に近づきます。慣れないうちは筋肉の硬いポイントを把握するのは難しいですが、広めのエリアをはがし、ほぐしておけば大丈夫」

“はがトレ”はたったの2ステップ!

STEP1:皮膚をはがす

つまんで持ち上げる

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親指と人差し指の2本で皮膚を軽くつまむようにして持ち、皮膚をはがすように持ち上げます。なるべく薄く持ち上げるのがポイント。初心者や痛みを感じる人は、脂肪ごと持ち上げてもOKです。続けるうちに、しっかりとはがせるようになってきます。

うまく皮膚をはがすためのポイントとは?

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OK:皮膚の表面だけをつまむように持ち上げる。痛みを感じるまで引っ張る必要はなし。

NG:つまんだ皮膚を、ねじったり、つねったりするのは×。肌やその下の組織を傷めます。

NG:持ち上がらないからといって、力ずくで上に引っ張らないこと。こちらも傷める原因に。

STEP2:筋肉をほぐす

指の腹でまずは横方向に15秒

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筋肉を捉え縦方向に15秒

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筋肉は、格子状に集まった筋線維の集合体。筋線維の方向に沿って、横方向、次に縦方向にほぐしていくと、筋肉のこわばりがほぐれやすくなります。指の腹を使い、肌を軽く押しながら、筋肉をしっかり捉えて揺らすイメージで、ゆっくりほぐしていきましょう。

首のコリ

首の後ろをはがしてほぐして。首元スッキリ!
ただでさえ重い頭を支えている首ですが、パソコンやスマホの使用時間が増え、頭が前に出て姿勢が悪くなったりすることで、ますます首への負担は大きくなる一方。首にコリや疲れを感じたときは、首の付け根&後ろの皮膚をはがしてほぐす、この2ステップを試してみて。

STEP1:皮膚をはがす

1、首の付け根の皮膚をはがす

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生え際あたり、首と頭の境界線あたりの皮膚をはがします。首の筋肉が硬い人は、このあたりの皮膚と筋肉が癒着しているので、しっかり持ち上げて。

2、首の後ろの皮膚をはがす

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その次に首の後ろ側全体の皮膚を持ち上げ、はがします。下を向かず、まっすぐ前を向いた姿勢のほうが、皮膚をつまみやすいので、姿勢良くを心がけて。

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はがしにくかったら…皮膚をはがしにくい(=つまみにくい)場合は、脂肪も一緒に少し厚めにつまんでもOK。またそれでも難しい場合は、左右から両手3本ずつの指を添え、両手を同時に寄せると、硬い皮膚でも中央に持ち上げやすくなります。

STEP2:筋肉をほぐす

1、後頭下筋群の付け根を横方向→縦方向にほぐす

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後頭下筋群とは、頭蓋骨と首の骨をつなぐ筋肉の一群。首の付け根にあるので、そのあたりをしっかりと横方向、そして縦方向にほぐしていきます。

2、後頭下筋群の付着部を横方向→縦方向にほぐす

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今度は少しだけ手を下にさげ、生え際近辺にある後頭下筋群の付着部をほぐしていきます。横方向、縦方向の順番でどうぞ。

ほぐしにくかったら…3本指だと力を入れづらいという人は、親指を使うのもおすすめ。親指を使う側の腕の肘をテーブルなどにつくと、安定するので、力がしっかり入ります。頭が少し斜めになるのは問題なし。自分がやりやすい形を探してください。

あべ・げんりゅう 整体師、理学療法士。綜合整体GENRYU院長。著書に『はがトレ』(KADOKAWA)が。またYouTube「GENRYUチャンネル」で、セルフケア動画を配信中。全国から患者が訪れ、施術は常時2か月待ちだとか。

※『anan』2021年6月9日号より。イラスト・加納徳博

(by anan編集部)