背中が丸まって老け見え…1日10分で猫背解消の“筋膜リリース”

2021.6.3
運動不足に拍車がかかる今、背中の老化が密かに進行中。上半身の筋膜リリースと、座ったままのストレッチに背中を狙い撃ちする筋トレを組み合わせた“背活(せなかつ)”で、見た目印象を底上げ&コリと痛みをシャットアウト! 今回は、1日10分の背中リリース&ストレッチのうちのSTEP1をご紹介します。

3ステップで、上半身の印象をがらりと変える!

「もともと背中は何もしないと衰えていきやすい場所ですが、パソコンを見る時間が増えた今、さらに動かす機会が減っている。常に背中が丸まっていて、筋肉が眠ったままという人がほとんどです」

とは、背中を活性化する“背活”メソッドを提唱するパーソナルトレーナーの玉置達彦さん。

「猫背は肩こりや頭痛の原因になる上、全体的に老けた印象を与えてしまいます。顔や腕、脇腹のたるみ、ぽっこりお腹の一因にも」

オンライン会議の画面でひとりだけ冴えない自分に愕然…なんてことになる前に、今すぐ対策を。

「体の前面の筋膜をゆるめておいてから、背中のストレッチで筋肉を目覚めさせます。これを1日10分程度続けるだけで姿勢が良くなり、肩こりや腰痛も和らぐはず。余裕があれば、筋肉をキープするためのトレーニングもぜひ」

まずは下のチェックで、背中の状態を知ることからスタート!

背活に関わる筋肉はコレ

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美しい姿勢を作るのは、脊柱起立筋や広背筋などの背中の筋肉群。正しく動かすには、対になっている前面の大胸筋などの筋膜を先にゆるめるのがカギ。

背中の活性度チェック!

□片腕を自然に上げられる?
足をやや開いて立ち、片手で反対側の肩を押さえる。押さえた側の腕をまっすぐ伸ばし、上へ。無理なく上げられるかをチェック。

NG:無理に上げようとするため肩がすくむ、途中までしか上がらない、というなら、背中と脇腹の筋肉がカチコチ状態かも。

□両腕を耳の横で上げられる?
足をやや開いて立ち、二の腕を耳につけるようにして、両腕をまっすぐ上へ。上体をまっすぐに保ったまま、耳の真横で両腕を上げられたらOK。

NG:両腕が上がらない、あるいは真上まで上げようとするとお尻が出て反り腰になってしまうのは、背中の筋肉が硬い証拠。

□背中で手をつなげる?
足をやや開いて立ち、両手を上下から背中に回して、手をつなげるかチェック。握手ができなくても、指先がひっかかればOK。

NG:両方、あるいはどちらか一方でもできない場合は、背中全体の筋肉が凝り固まっている可能性大。

STEP1 胸&腕の筋膜リリース

背中の動きをブロックする、前&側面の筋膜をゆるめる。
まずは、デコルテや腋の下の筋膜を丁寧にリリース。背中の筋肉と対になって働く前面の筋肉が滑らかに動くようになると、背中の筋肉の動きも活発に。

1、二の腕(左右各5~6回)

上腕部の緊張を解き、肩が内側に巻くのを防止。
前かがみの姿勢によって絶えず緊張している、上腕二頭筋の筋膜をリリース。ここが硬いと肩が前に引っ張られて猫背になるので、まめにゆるめるのがおすすめ。

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1、床にあぐらをかいて座り、右の手のひらを上にして膝に置く。左手の手のひらを右の上腕に当て、軽く圧をかける。

2、そのまま手のひらを軽く押し当てるようにしながら、肘の関節に向けてゆっくりと滑らせる。少しずつ場所を変えながら5~6回繰り返す。左腕も同様に行う。

2、胸(左右各5~6回)

縮こまった胸の筋肉を呼吸とともにゆるめて。
猫背の大きな原因である大胸筋の縮こまりを、筋膜へのアプローチで解きほぐす。ゆっくりと深呼吸し、胸を開くようにして行うと効果的。

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1、床にあぐらをかいて座る。左手で握り拳を作ってデコルテの中心あたりに当て、軽く圧をかける。

2、そのまま拳を軽く押し当てるようにしながら、右肩に向かってゆっくりと滑らせる。少しずつ場所を変えながら、中心から外へと5~6回さすり、反対側も同様に行う。

3、腋の下(左右各1分間)

肩甲骨を寄せる動きをスムーズにする効果が。
肩甲骨を動かすのに欠かせない、広背筋につながるのが腋の下周辺の筋肉。握り拳を入れて体重をかけ、筋膜をリリース。上体を小刻みに揺らすのがコツ。

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1、右の脇腹を下にして床に横になる。右手をまっすぐに伸ばし、左膝を軽く曲げて体勢を安定させる。左手で握り拳を作って右の腋の下に差し込み、そこに圧がかかるように、上半身を床と平行に上下に揺らす。1分ほど行い、反対側も同様に行う。

4、首(左右各5~6回)

頭の重みで凝りやすい、首の筋肉をリラックス。
猫背が続くと、首にも大きな負担が。僧帽筋や大胸筋も緊張させる原因になる、胸鎖乳突筋の筋膜を握り拳でリリース。同じように首の後ろをほぐすのも◎。

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1、床にあぐらをかいて座り、顔をやや左に向ける。左手で握り拳を作り、4本指の関節を右耳の下の、筋肉の束が感じられる部分に当てる。

2、軽く圧をかけながら、そのまま鎖骨に向かってゆっくりと滑らせる。5~6回繰り返し、反対側も同様に行う。

玉置達彦さん パーソナルトレーナー、STELLA GYM代表。俳優やアナウンサーからも信頼が厚い。著書に『背中から見た目印象を変える13の「背活」メソッド』(主婦の友社)。

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※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ) モデル・冴島理映(ボンイマージュ) 取材、文・新田草子

(by anan編集部)