Perfumeの「TOKYO GIRL」で一躍注目! ライゾマティクスが個展

2021.3.21
2017年の年末、紅白でPerfumeが披露した「TOKYO GIRL」の映像を覚えているだろうか。渋谷のビル屋上でのパフォーマンスは、街中のビルから光が伸びていく様子があらゆる角度から映し出され、視点が次々と切り替わる演出が話題となった。実際は映像を合成していたのだが、自然すぎるあまり「どんな技術が?」と問い合わせが殺到したそう。そんな驚きの創作を手掛けてきたのが、クリエイティブ集団・ライゾマティクスだ。

テクノロジーを超えたライゾマの美学が炸裂。

彼らは2006年の設立以来、人とテクノロジーの関係性を一貫して探求。ビョークやPerfume、野村萬斎、科学者らともコラボレーションし、メディアアートの領域に収まらないプロジェクトを通して、技術と表現の新たな可能性を切り拓いてきた。結成15周年を記念した本展では、ライゾマの活動を多岐にわたり紹介。様々なジャンルを横断するクリエイションから、オンライン化が進む現代社会の新しいコミュニケーションの可能性を試みる。

例えばビットコインの自動取引の様子を可視化・可聴化したインスタレーションや、坂本龍一とライゾマの真鍋大度がコラボし、ある波長の電磁波を可視化・可聴化した作品など、ネットワーク上の事象を題材に展開する作品は彼らならでは。またダンスカンパニー・ELEVENPLAYとコラボし、AIを駆使して身体と運動を捉え直したパフォーマンスのほか、SNSを活用した観客参加作品などもアーカイブより紹介。ポスト・コロナ時代、アーティストの新しい役割を問う内容だ。

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1.Squarepusher《Terminal Slam》2020年[参考図版]
架空のMR(複合現実)グラスを用いて、街中から広告を排除するというコンセプトで制作された真鍋大度によるミュージックビデオ。2020年アルス・エレクトロニカ佳作入賞。

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2.ライゾマティクス「2045×LIFE PAINT Supported by VOLVO CAR JAPAN」2016年 Photo by Muryo Homma[参考図版]
真鍋大度とメディアアーティストでDJの徳井直生がオーガナイズする音楽&テクノロジーのイベント「2045」も有名。

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3.「Fencing Visualized Project」2013年~ H.I.H. Prince Takamado Trophy JAL Presents Fencing World Cup 2019 ライゾマティクス_マルティプレックス展[参考図版]
フェンシングの太田雄貴や、「Dentsu Lab Tokyo」と協働し、ライゾマが開発した剣先の軌跡を可視化するプロジェクト。AR(拡張現実)と機械学習技術が用いられている。

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4.Perfume《Reframe 2019》2019年 撮影:上山陽介[参考図版]
Perfumeの活動の中で作られた映像、音声、振り付け、歌詞のデータを解析し新たな視点から再構築したコンセプトライブ。2020年に映画化、劇場公開された。

ライゾマティクス_マルティプレックス 東京都現代美術館 東京都江東区三好4-1-1 3月20日(土)~6月20日(日)10時~18時(展示室入場は閉館の30分前まで) 月曜(5/3は開館)、5/6休 一般1500円ほか※予約優先チケットあり。TEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)

※『anan』2021年3月24日号より。文・山田貴美子

(by anan編集部)