豚肉あんぎっしりの“台湾ワンタン”がうまーい 路地裏のおすすめ店

2021.3.17
フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『also』の台湾ワンタンランチセットです。
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白山駅を出てすぐ。路地裏のY字路に現れるは突然の台湾。レトロな窓枠、エイジングされた壁、掲げられた看板には「鶯嶁莊」の文字。読めない。時空間を歪めるほどの異彩を放つ古めかしい館、それが『also』だ(看板の漢字、当て字だった)。水餃子とナチュラルワインが自慢の江戸川橋の人気者『フジ コミュニケーション』による新店で、今度の主役は台湾ワンタンとクラフトビール。ハイテーブルが並んだ1階(立ち飲みに最適)の壁にはクラフトビールのタップがずらりと並び、その隣でお店の人が台湾ワンタンをわしわし包んでいる。その姿を横目に2階に上がれば、採光抜群のテーブル席が。開放的な気分になって昼からビールで優勝しつつ、ランチセットは鶏肉飯(ホロホロの骨付鳥と香ばしいタレに米が絡む喜び)を頼んでも葱油拌麺(焦がしネギのこってり香ばしい幸せ)を頼んでも、絶対の相棒として台湾ワンタンと上湯スープが付いてくる。豚肉あんがぎっしり詰まった大きめのワンタンは食べ応え抜群。丸鶏を軸に龍眼や棗と共に煮込んだスープも滋味深き味わい。最高な三角食べを実践しつつあっという間に完食してこみ上げるのは、「絶対また行くぞ。今度は夜だ!」という誓いだった(なぜなら、自家製マーガオ腸詰然り、台湾クリスピー唐揚げ然り、夜のアラカルトも魅惑だから!)。

台湾ワンタンランチセット。鶏肉飯(手前右)セット¥950、葱油拌麺(手前左)セット¥950などメインが数種類から選べる。オリジナルのクラフトビールは、まさかのワンタンの皮を使用して醸造した、ワンタン“Hazy”IPA¥990。グラスワインは¥750~。ちなみにすべての料理がチーム無化調!

Food

also 東京都文京区白山5-32-13 TEL:03・5615・9969 ランチ11:30~14:30(14:00LO) ディナー17:00~20:00(19:00LO) 月曜休

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

※『anan』2021年3月24日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)