マスクは必要? Withコロナ時代の“ランニング”Q&A

2021.2.23
快適に颯爽とランニングを楽しみたい! ランナーになると決めた今、心に留めておきたい、基本の走り方からエチケットまでご紹介。

ランニングを続けるなら“マイペース”が一番!

日差しが暖かくて草花も色づく春はランニングに絶好の季節。

「朝一番に外を走ると一日を元気に過ごせます」と語る森川千明さんは、ランニングコーチを務める傍ら、マラソン大会に多数出場するほどランに魅せられた一人。

「最初のうちは自分のペースを維持することが重要なので、坂道と信号が少ないコースを走ってみては。家の近所に小さな周回コースがあれば、走行距離を把握しやすくおすすめです!」

また三日坊主にならないよう、今の生活リズムは変えずにランニングの時間を確保したいもの。

「体内時計が整うきっかけになり、脂肪燃焼にも効果的で、次の日に疲労が残りにくい。この3つが朝に走るメリットです。夜は紫外線が少なく、適切なペースで走れば睡眠の質の向上に繋がります。ただ夜道は足元が見えにくいため、気をつけて走りましょう」

走る前に、知っておきたい! 初心者向け、今どきランニングQ&A

Q. まずは何を揃えればいい?

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A. 専用シューズ&ウェアはマスト。走りや疲れを左右します!

他の運動と比べて少ない装備でできるからこそ、一つひとつを吟味したい。

「ランニング用のシューズを履くことが一番大事! 普通のスニーカーにない機能で足をサポートしてくれます。初心者の方には、説明書に“エントリーモデル”とあるものがおすすめ」

服装は吸湿・速乾のタイトなものを。

「あとは脚の関節への負担を軽減するサポート付きタイツや、足先を冷やさないための長めのソックス、バストを支えるスポーツブラがあると理想的」

Q. どのくらいのペース&頻度で走るのがおすすめ?

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A. 無理は禁物。まずは徒歩より少し速いスピードからスタート。

「最初は1kmを約8分かけて走るぐらいのペースが最適です。もちろん個人差はありますが、走り始めた頃は脚の筋力が少なく、それ以上ペースを上げると疲れてしまうはず。まずは2~3km走ることを目標に始めてみて」

理想の走る頻度は目的により異なる。

「運動不足が気になる方は週2日程度。2日連続で走るのでなく、3日空けて走りましょう。ダイエットも兼ねて走るなら週3~4日。食事前の空腹時に走ると体脂肪を燃焼しやすいです」

Q. 走る前、走った後に効果的なストレッチや動きを教えて!
A. 走る前は肩甲骨と股関節、走った後は脚全体を重点的にアプローチ!

在宅勤務でただでさえ体がガチガチ。関節まわりを動かしてから走ろう。

「全身の筋肉を使って走れる他、心地いい呼吸を続けやすくなります。走った後はスローな呼吸を伴う静的ストレッチで脚全体をゆるめましょう」

[走る前]

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巻き肩などの悪姿勢を肩甲骨を回してリセット。ニュートラルな位置に正して走ると、肩甲骨を使いながら腕を振れるようになり、固まりがちな背中もほぐれる。可動域が下がりがちな股関節もぐるぐる回してほぐす。立ち止まって行うのもよし、走りだす前に5分ほど歩きながらやってもよし。走りやすさを実感できるはず。

→+1 Technique

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体幹が安定すると走った後の疲労感が軽減。うつ伏せになり肩の下で肘を曲げ、お腹に力を入れて頭から足を一直線に保つ。30秒×2セット。

[走った後]

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前腿の筋肉を使った後に放置すると腸脛靭帯を傷めかねない。立ち姿勢から片膝を曲げ、体の後ろで足の甲を持ってキープ。また腿裏からアキレス腱まで脚の裏側の筋肉も全体的にストレッチ。階段などの段差のある場所に片足を乗せ、膝に手をついてぐーんと伸ばす。いずれも両脚均等に行い、バランスを整えること。

→+1 Technique

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足裏が硬いと血行が滞るほか、足を十分に使えない分、他の筋肉の負担に。ゴルフボールなどで痛気持ちいいと感じる強さで足裏をリリース。

Q. Withコロナ時代、自分も周囲も守れる走り方とは?

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A. スポーツ用マスクをしながら、歩行者との距離に注意!

夢中に走っている間も道ゆく人への配慮を忘れない。そんな心がけが大切。

「マスクについてはランナーの間でもいろんな意見がありますが、ロードには当然ランナー以外の方もいるのでスポーツマスクの着用を。一般的なタイプより呼吸しやすく、重宝します」

走り方でも、歩行者に意識を向けて。

「人の少ない道を選び、歩行者がいたら間隔を空ける。誰かと並走していて会話が盛り上がっても、歩行者を見つけたら会話を控えるのもマナーです」

Q. 走るフォームで気をつけるべきことは?

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A. 自然体であることを大切に。腕は、前後の振りを心がけて。

頑張って走ろうと意気込むと、思っているより体が力んでしまうもの。

「体を一所懸命に大きく使うと自分に合っていないフォームになるので自然体が一番。意識すべきは腕を前後にリズミカルに振ること。脇が開くと力が真横に逃げてしまうので注意しましょう。腕と脚は連動するので腕を正しく動かせば、無理なく足を運べます。視線はまっすぐ前方、10m程度先に向けていると気道が塞がらず、スムーズに呼吸を続けながら走れます」

森川千明さん ランニングコーチ。中学時代から陸上を始め、実業団選手として活躍。選手引退後は国内外のフルマラソンで好成績を収める。昨年の東京マラソンでは日本人8位(2時間42分58秒)を記録。

※『anan』2021年2月24日号より。イラスト・田中麻里子 取材、文・瀬尾麻美 門上奈央

(by anan編集部)