赤楚衛二 上京後、もがき続けた中で訪れた転機とは?

2021.2.4
ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(以下、チェリまほ)では、非モテの陰キャである安達を演じていた赤楚衛二さん。
Talent

表情や動きから醸し出される絶妙な仔犬感と、情感あふれる表情や佇まいに心を奪われた人は少なくない。あまりのリアルさに、本人はどんな人? と興味津々。しかしてそこに現れたのは優しい雰囲気はそのままに、男らしく爽やかな好青年なのでした。

――いまだチェリまほ人気が冷めやりません。いまや海外でも人気ですが、反響は届いていますか?

赤楚:シンプルにSNSのコメント数がドッと増えたのを感じています。そのなかに英語や中国語などいろんな言語が飛び交っているのが衝撃ですし不思議な気持ちです。

――撮影中は手応えのようなものがあったんでしょうか?

赤楚:台本も面白かったですし、演じていても楽しんでいただけるものになるとは感じていました。でもまさか、ここまでとは思わず。

――でも、安達役があまりに自然だったので、今日お会いして纏う空気が全然違って驚きました。

赤楚:短い期間での撮影だったこともあり、撮影の日は朝から夜までずっと安達でいたんで、自然とそうなっていたのかもしれません。あと、周りのスタッフさんやキャストの皆さんが安達として接してくれたおかげで、僕自身も安達でいさせてもらえたというのもあると思います。

――憑依型というか…役に入り込んでしまうタイプですか?

赤楚:どちらかといえば役に引きずられがちではあります。僕自身、準備不足で立つと全然お芝居がうまくいかないんで、作品に入ると、24時間ずっと役のことを考えているせいもあるのかもしれません。

――すごく自分とかけ離れた役もありますよね。その場合はどうアプローチされるんでしょう。

赤楚:基本、どんな役も自分と共通した部分はあると思っています。たとえば直情型のヤンキーならば、自分の中にある負の感情にフォーカスして、そこを膨らませていく。安達ならば、自分の中の“陰”な部分と人見知りを最大限に膨らませたらああなった感じです。あと、この役はどうやって食べるんだろうとか、どうやって歩くんだろうとかばっかり考えていたりします。

――安達との共通点はどこですか。

赤楚:きっと安達は30歳まで自分の居心地のいいように生きてきた人だと思うんです。あまり新しい刺激を受けないようにしてたところは、似ていたかもしれない。僕も上京したての時は、東京怖いって…東京に住んでいる地元の友達とばっかり会っていましたから。

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――ご自身では自分のことをどんな人だと思います?

赤楚:それがわっかんなくて。たとえば仕事をしている時と、友達と会っている時の自分って、性格まで違っちゃってる気がする。だからってあまり自分探ししすぎてもだし、人に言われる自分が自分なのかもと考えています。それでよく言われるのがマイペース、ですね。

――先ほど上京したての時は刺激を受けないようにしていた、とおっしゃっていましたが、変化してきた理由はなんだと思います?

赤楚:共演の方や同じ事務所のメンバー、いろんな人に会ううちに、自分の視野が広がったり、新しい発見があって、いろんなものに触れて刺激を受けることに、楽しさを感じるようになったことですかね。

結局、どうしたって自分は自分でしかない。

WHO’S HOT

――昔から俳優になりたかったそうですが、きっかけは何ですか?

赤楚:家族で映画を観て楽しんだ記憶があって、シンプルに両親を楽しませたかったんです。20歳の時にサマンサタバサのオーディションに受かって、いまの事務所に呼んでいただいて上京しましたが、それがなければ、大学を卒業して普通に就職していたはず。ただ、上京して1~2年くらいは本当に地獄でした。お芝居の経験もほぼなくて、レッスンに行っても先生の話が理解できないんです。もがきながら仕事を一個一個やるうちに、達成感を覚える瞬間や、こういうことかなっていう発見があって、追い求めていくのが徐々に楽しくなっていった感じです。

――地獄のような1~2年で、辞めようとはならなかった?

赤楚:絶対ならなかったですね。自分がどうしてもやりたくて上京したんで、意地もありました。でも根本的に、どんなにしんどくても、俳優を辞めるっていうのは選択肢になかったです。それより仕事がないという恐怖のほうが大きかったです。

――それでもしんどいことはしんどいわけですよね。

赤楚:僕、究極に追い込み癖がありまして…。なんでうまくできないんだ、なんで自分はダメなんだって自問自答を繰り返していたら本当にしんどくなって爆発、みたいな。それで、もやもや考えていたことをすべて投げ捨てたら、結局、どうしたって自分は自分でしかないっていう結論に至ったっていう。

WHO’S HOT

――そんな時期を経ていまの活躍があるわけですが、ここまでの道のりはどうでした? 

赤楚:そうですね…毎回、作品ごとに登らなきゃいけない、越えていかなきゃいけない壁が大きくなってるのを感じるんです。なんだかんだで楽できてないってことは、いい形でこれているのかもしれません。何より、仕事が続けられていることがありがたいですよね。

――模索しながらお芝居を続けていたわけですが、どこかでハマったという瞬間があったんですか。

赤楚:へんな完璧主義者じゃないけれど、出来上がったものに関してはいつも反省ばっかしちゃうんです。ただ、現場で自分ではまったく想定してないものが生まれた瞬間…役がこう動きたかったんだなっていう時があって、その時に、これがお芝居かって思ったんです。

――自分では想定していなかった役の感情があふれてきた…?

赤楚:はい。その時になんだこれはって…。たぶん一番最初にそれを感じたのは、Webドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』という作品です。台本には“怒っている”って書かれていたんですよ。でも、目の前で起こったことを見たら、すごく悲しくなってしまって、全然泣くシーンじゃないのに涙が出てきて…。あれは衝撃でした。

赤楚さんのファースト写真集『A』が好評発売中(ワニブックス)。また、主演ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のBlu-ray BOXが3月24日に発売予定。そして次号のanan2237号では、共演の町田啓太さんと2ショットグラビアで登場! 多くの人々をときめきと幸福の渦に巻き込んだ“チェリまほ”の魅力に迫ります。

あかそ・えいじ 1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2013年にサマンサタバサ・メンズモデルオーディションでグランプリを受賞。‘15年に俳優デビューし、『仮面ライダー』シリーズなどで注目を集める。昨年、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』で連続ドラマ単独初主演。映画『思い、思われ、ふり、ふられ』などにも出演。

※『anan』2021年2月10日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・小松嘉章 ヘア&メイク・廣瀬瑠美 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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