2年後に流行るかも? ラップユニット・chelmicoのイチオシ芸人は!?

2021.1.8
今という時代の流れを読むことが得意&あるジャンルに少し偏った愛を持ったアノ人に聞く、次に注目すべきカルチャー。ここではラップユニット・chelmicoのRachelさんとMamikoさんに“サブカルチャー”についてお聞きしました!
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――さまざまなカルチャーをボーダーレスに楽しんでいるお二人。いつからサブカルチャーに親しんできました?

Rachel(以下R):本も漫画も映画も、昔から大好き。マミちゃん(Mamiko)のお笑い好きも、子どもの頃からでしょ?

Mamiko(以下M):そうだね。サブカルチャーのある生活にすっかり慣れてるし、興味の範囲も広いほうかもね。

R:いろんなものを取り入れることに抵抗がないよね。

――まず、Rachelさんは、読書家として知られています。特に今、注目しているジャンルは?

R:私、小説が好きで、これまであまり読んでこなかったエッセイが私的ブームです。コロナの影響もあるのかもしれないですけど、人と会って深く話す機会が減っている中で、その人自身の見方に惹かれますね。エッセイは世の中的にはとっくにキテるけど(笑)。

M:『いまだ、おしまいの地』は、Rachelから借りて読んだけど、たしかにRachelがエッセイ読むのは珍しいなって思った。

R:『イルカも泳ぐわい。』や『ベルリンうわの空』は、虚実織り交ざっていて、それが面白くさせるひとつのエッセンスかなって思う。

M:『ベルリン~』の作者・香山哲さんは、心の余裕を大事にしてるのがめっちゃいい。

R:もうサプリだよね。本が発売された時、香山さんによる「自分をビルドする20冊」のブックリストが、苦境にある本屋さんで配られたのもすごくよかった。私たちもCDを選んで、音楽ショップでできるかもね。

M:やっぱり、好きなものやいいものはみんなでシェアしたいよね。今日、借りてた続編、返すね。『イルカも泳ぐわい。』は、サイトで公開されてるものしかまだ読めてないんだけど、作者の加納愛子さんは、Aマッソというコンビのツッコミでセンス抜群。文章にもキレがあるから読んでて気持ちよかったな。

――Mamikoさんのおすすめは?

M:やっぱりお笑いですね。

R:マミちゃんが「クル」って言った芸人は、だいたい2年後とかにテレビに出始めたり、ラジオ番組持ったり、本当にクルからすごい!

M:そうだと嬉しいんだけど。’21年は、「忘れる。」を推したい! 去年のM‐1は2回戦で落ちちゃったんだけど、一番インパクトがあって、忘れる。が一番忘れられなかった!

R:コンビ名が、忘れる。なのに(笑)。

M:カナメストーンという、吉本からマセキ芸能社に移籍した漫才師も面白い。二人はすごい仲良しなの。

R:いいね、仲良し。うちらみたい!

M:あと、シシガシラ。ボケの人がすごくハゲイジリをされてて、その返しがすごく上手い。だけど、耳や足が小さかったり、ハゲ以外にもいろいろイジられるポイントがあるんだけど、その返しはできないっていうのがよくて。

R:“イジリしろ”がたくさんあるんだ。『ゴッドタン』とか出たら、また全然違うところイジられて面白くなりそうだね。

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『いまだ、おしまいの地』

『夫のちんぽが入らない』の作者による自伝的エッセイ。
『いまだ、おしまいの地 』こだま・著 太田出版¥1,300

主婦でもある作者が日々の生活を切り取る。「夫の転勤でついていった山奥=“おしまいの地”での話は不憫なのに笑え、愛おしくもあります。こだまさんは渦中の人なのに客観的な視点なのもカッコいい!」(Rachel)

『ベルリンうわの空』

ベルリン移住者の日常生活を独特のタッチで描く。
『ベルリンうわの空』香山哲・著 イースト・プレス¥1,000

ベルリンに住む著者の生活の記録。「Web連載時からのファン。現地に住む人が感じてることを、現実と空想を織り交ぜて描いています。人のために自分ができることをするというベルリンの人たちの考えも素敵」(Rachel)

『イルカも泳ぐわい。』

お笑いコンビAマッソのツッコミが放つエッセイ集。
『イルカも泳ぐわい。』加納愛子・著 筑摩書房¥1,400

人気Web連載「何言うてんねん」に初短編小説「帰路酒」他、書き下ろしを加えた40編を収録。「私的エッセイブームの始まり。加納さんの独特の視点から見る世界がすごく楽しくて、何回も読み直しています」(Rachel)

忘れる。

インパクトあるボケが持ち味のフリー2年目。

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鶴山侑一(右)のボケに、橋本知也(左)が激怒してツッコむ。「何度も言うボケのフレーズがクセになる! 子どもやギャル発でブレイクしそう。見た目といいシステム化されたネタといい笑い飯が好きなんだろうな」(Mamiko)

カナメストーン

中学時代からの仲良し同級生コンビ。

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ボケの山口誠(左)、ツッコミの東峰零士(右)による漫才師。「何度も漫才のシステムを変えてたどりついた今のスタイルが私は一番好き! インスタを見ると二人はいつも一緒にいて、服もおしゃれです」(Mamiko)

チェルミコ Rachel(写真・左)とMamiko(写真・右)からなるラップユニット。2018年メジャーデビュー。二人のキャラクターのようにポップでキュートな楽曲が、爽健美茶やApple Watchなど多くの広告に起用される。最新アルバム『maze』が発売&配信中。

※『anan』2021年1月13日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・小泉咲子 鈴木恵美

(by anan編集部)