尼神・誠子、和田彩花、バービー…“アップデート”が止まらないイマドキ女子

2021.1.8
「大変そう」「自分を変えるのが怖い」など、現状からなかなか自己更新できない人に向けて、アップデートの重要さ、そしてその一歩の踏み出し方をロールモデルとともにレクチャー。理解や共感も背中を押してくれる今、これを参考に、アクションを起こしてみてはいかが?

自己更新を怠ると自分や周りを傷つけることも。

様々な生き方や価値観への理解が広まっている中、自分のためにも社会のためにも、柔軟な思考のアップデートが必要に。

「現状維持の方がラクだしコストもかからないようにみえるけど、古い価値観のままいると誰かを傷つけたり、そんな自分が信用できなくなる。時どきで自分を更新することが自分を生きやすくするのです」(コラムニスト、エッセイスト・犬山紙子さん)

芸能や政治などの特別な世界だけではなく、身近な一般社会においても、会社で女性が高いポジションについたり、重要なプロジェクトに抜擢されたり。近年、女性の活躍が目覚ましいが、そこに立つのは自己更新を続ける人。

「割合としてはまだ男性中心の社会であるということを前提に、まず意見や問題提起を臆せず発信する女性が注目されるように。ひと昔前は女性が少しでも声をあげようものなら『ヒステリー女』『生意気だ』なんて言われてしまいましたが、今はSNSで意見を支持する共感の声も広がり、発信側にしっかり届くようになりました。賛同者の意見が可視化されたことで『意見を言っていいんだ』と自己更新のしやすさにもつながっているのではないでしょうか」

有益な情報を得やすく、発信しやすい時代だからこそ、興味が向いたテーマを入り口に思考をアップデートしたい。たとえばモデルのローラさんは、サステナビリティを通して価値観を更新させた。

「日本で手に入れた人気や立場をばっさりと切ってLAに移住するなど、なかなかできないこと。自分が幸せに生きるために素直に行動し、自信を持ち続ける姿は本当に素敵。また、中年以降ミニスカートをはいたり派手なメイクをすると揶揄されがちな日本社会の風潮にメンチを切って自分スタイルを貫き、バージョンアップし続ける夏木マリさんは、スーパーかっこいい人。ほかにも世間体より信念を貫く発言や行動をしながら自己更新を続ける女性たちを見ると、よくやってくださったという尊敬しかありません」

先駆者たちを参考に、今こそアップデートの準備をしてみて。

自分を更新する3つのアクション

1、過去の自分からの変化を前面に出す。

「自分を更新するのは、過去の自分の至らなさを認めることになるのでキツイもの」と犬山さん。「かつて私も自虐することで、同じ属性の女性たちまで一緒に貶めてしまっていた。それを認めて反省と謝罪をして、プラスに変えていくことで、自分のことが好きになり、ラクに生きられるようになると思う」

2、自分の持っている資源を還元しようと動く。

「お金や教育、文化に恵まれた環境の人が、それを当たり前だと思わず自己責任論を振りかざさないこと。そして自分の持てる個人的な力や影響を世の中をよりよくすべく還元することが、社会と自分を裕福にしていくはず」。自分の経験を活かそうと発言したり、アクションを起こすことは、自己更新の第一歩。

3、SNSなどを使い、考えを声に出して言う。

「メンタルが“激強”な人なんてそんなにいない。誰もがイヤなことを言われたら怒りもするし傷つくけど、それでも自分の後に続く人や周りの人のために動ける人がこれから世の中を引っ張っていくはず」。意見を発信しやすいSNSを使い、小さくても疑問や自分の考えを発信することもアップデートの一環。

犬山さん選のアップデートが止まらないイマドキ女子。

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誠子さん(尼神インター)…自虐キャラからの脱却で自己更新中!

言葉にできる強さにしびれました。

ブスを自虐して笑いを取ってきた誠子さんも、過去の自分に別れを告げて更新した人。

「“もうB(ブス)なしでも戦えるよ、B今までありがとう、バイバイ”という言葉を目にして感動。自分の実力を持って、これまでの武器であった自虐を封印するなんてかっこよすぎる! 私も自虐からの脱却がテーマだったけど自信がなくて反省しかできなかったから、この“自己効力感”の強さにしびれました」。前向きで潔い姿に共感する女性が大勢。

せいこ 1988年12月4日生まれ、兵庫県出身。芸人。狩野誠子としてのエッセイ『B あなたのおかげで今の私があります』(KADOKAWA)が発売中。

和田彩花さん…アイドルの立場でジェンダー問題にメス。

発言が難しい分野で勇気を持った人。

ハロプロ卒業後もアイドルとして活動中。

「アイドルは素晴らしい文化ですが自分らしくいることを発言しにくい分野でもあります。それにもかかわらず、アイドルの立場で、ジェンダー問題にメスを入れている勇気のある人です。アンジュルム時代、10代の若いメンバーが一部ファンから『口紅の色が濃い』など言われてしまうなか『好きな色のリップを塗りなさい』と背中を押した発言が話題に。若い世代を守ろうという気持ちが伝わります」

わだ・あやか 1994年8月1日生まれ、群馬県出身。「アンジュルム」、「ハロー!プロジェクト」のリーダーを経て、卒業後もアイドルとして活動中。

バービーさん(フォーリンラブ)…ボディポジティブを掲げ、町おこしも!

情熱が強く行動力が素晴らしい!

地元・北海道の町おこしを積極的に行ったり、どんな体型の女性でも自分の体が好きになれるようなランジェリーを企画したり、生理について発信したり、芸人の枠を超えたアップデートが止まらないバービーさん。

「女性の生き様や待遇に対しての疑問を、芸人の中で先陣を切って投げかけた人だと思います。彼女のおかげで息がしやすくなった女性も多いのでは。湧き上がるパッションが大きく、行動力が最高です!」

バービー 1984年1月26日生まれ、北海道出身。ピーチ・ジョンと“アンダー90cm”のブラジャーをコラボ開発し、自身もモデルを務めて話題に。

犬山紙子さん 1981年12月28日生まれ、大阪府出身。コラムニスト、エッセイストとして活躍。『スッキリ』(日本テレビ系)などにコメンテーターとして、ラジオ『犬山の遠吠え!やってまーす』(MBS)にパーソナリティとして出演中。

※『anan』2021年1月13日号より。イラスト・green K 取材、文・若山あや

(by anan編集部)