乃木坂46・樋口日奈が『教場』で自慢の黒髪ロングをばっさり!

写真・小笠原真紀 スタイリスト・鬼束香奈子 ヘアメイク・栗田佐智代 インタビュー、文・大澤千穂 — 2021.1.3
警察学校を舞台にした大作ドラマの第2弾『教場Ⅱ』。木村拓哉さん演じる風間公親教官に、訓練生たちが立ち向かう。期待の若手がずらりと揃う訓練生のなかでも注目の一人、乃木坂46の樋口日奈さんに黒髪をばっさり切って臨んだ作品への意気込み、将来への思いを聞きました。
2231.4.B75212

本気でがんばった先には、強くなった自分がいました

冷酷な警察学校教官・風間公親と教え子の葛藤を描いたドラマ『教場』が帰ってくる。木村拓哉さん演じる風間教官の元に入学した200期生。その一人、坂根千亜季を演じるのが乃木坂46の樋口日奈さん。

「1作目を見た時の緊張感がすごくて『私でいいんですか?』と思いました。同時に中途半端な気持ちでは重圧に負けてしまう。だから現場に入る前から自分の気持ちと覚悟をしっかり固めて臨みました」

その覚悟の表れが衝撃的なショートヘア。デビュー以来の自慢のロングを約30cmカットして、役に飛び込む心意気を見せた。

「『切れる?』と聞かれて『切れます!』と即答。この役に挑戦したい一心でした。実際に髪を切ったら心も軽くなって、メンバーからも『ショートのほうが似合うよ』って褒めてもらえたり…。切ってよかったです」

そして撮影前には本物の警察学校さながらの訓練も経験。身も心も役に入り込んだ。

「警察学校で教官をされていた先生の指導は想像を絶する厳しさで…。特に苦戦したのは、敬礼や警察手帳を見せる時などの所作を全員で揃えること」

周りとの調和を大切に動く、という部分では乃木坂46でのパフォーマンスの経験が生きたのでは?

「確かにお互いアドバイスし合いながら、周りの動きを感じて一つのものを作っていくという点では、乃木坂46の活動と共通点がありました。どちらも自分がよくできた、というだけではだめなんですよね」

そのことを痛感した、訓練中の忘れられないエピソードがある。

「訓練を風間教官…というか木村さんが見に来てくださったのですが、教官がいると私も含めメンバー全員『完璧にやらなきゃ』と自分に集中しすぎて…。結果バラバラの動きになってしまったんです。その時に木村さんが『これは競争じゃないよ。みんなで合わせることが大切なんだよ』と言ってくださって、ハッとしました。自分のことばかりに一生懸命になっていたなって。特に警察官は自分だけでなく周りの人の命も守る仕事だから、全体を把握することは何より大事。その時、人としても視野が広がった気がします」

厳しい訓練で一回り成長して挑んだ撮影は「呼吸を忘れるほどの緊張」との戦い!

「最初の撮影が、風間教官が教場で自己紹介をする場面。教官の一言一言が胸に刺さって、目に涙がたまって…。アドレナリンとかいろんな脳内物質が溢れ出てくるような、初めての感覚でした」

その緊迫した教場で警官候補生たちの人間性が試され、ふるいにかけられていく。樋口さん演じる千亜季はどんな女性なのだろう。

「やさしく穏やかだけど、警察官を志す強さはある。見てくださる方も千亜季の内面的な強さと静かに戦う姿を感じていただけたら」

 その姿は、温かい人柄で乃木坂46の後輩メンバーにも慕われる樋口さん自身とも重なるような…。

「あはは。自分から前に出るのは苦手だけど、耐え抜く気力は秘めているところとか…共通点はあるかも。私も乃木坂46の一期生として10年近く活動してきて、今はデビュー前とは比べものにならないくらい強い気持ちを持てていると感じていたので、千亜季が黙々と戦っている姿には密かに自分を重ねていました」


2231.4.75085

目を輝かせながら、背筋を延ばして自らを語る樋口さん。いままでも「夢は女優」と話していたが、この大作を経てその心境に変化はあったのだろうか。

「実はこのお話をいただいた時に、将来に対して揺れている自分がいたんですね。ときには『私は女優には向いてないんじゃないか』とかマイナスに考えることも…。でも今回、同世代の俳優さんの役との向き合い方を見て『もっと学びたい、お芝居したい』と、自信を持って言えるようになりました。才能がある人は他にたくさんいるんだから、その中でブレていたら通用しない。本気で努力して私にしかない輝くものを確立して…いつか後輩たちにそんな背中を見せられたら。この役に出会えて、いい方向に変われていると思います」

それは樋口さんが作品を通して伝えたいメッセージでもある。

「警察学校でもどこでも、ひたむきに努力をすることの大切さは同じ。本気でがんばった先に、強くなった自分がいるんです。訓練を積んで精悍な顔つきになっていく200期メンバーを見て『2021年、自分もがんばろう!』って思っていただけたらうれしいです」

ひぐち・ひな 1998年1月31日生まれ、東京都出身。乃木坂46一期生としてデビューし活動10年目。和風美人メンバーとして独自のカラーを築く。これまで舞台を多く経験、今作で本格的にドラマ進出。愛称ひなちま。

ブラウス¥25,000 スカート¥18,000(共にDEICY LUMINE新宿店 TEL:03・6457・7042)


TV

『教場II』 警察学校を舞台に、木村拓哉さん演じる冷酷無比な教官・風間公親が教え子と向き合う人間ドラマ第2弾。豪華メンバーが揃う200期生にも注目。2021年1月3日・4日21:00~フジテレビ系列にて2夜連続放送。

※『anan』2020年12月30日‐2021年1月6日合併号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・鬼束香奈子 ヘア&メイク・栗田佐智代 インタビュー、文・大澤千穂

(by anan編集部)