石崎ひゅーい「むしろ石崎のほうが…」 本名“ひゅーい”で苦労したことは?

2020.11.25
高い表現力とエモーショナルな歌声という歌い手としての唯一無二の魅力に加え、近年は菅田将暉さんが歌う「さよならエレジー」など、作り手としても注目を集める。石崎ひゅーいとは、いったい何者か――?

いま興味があるのは農業。ズッキーニを作りたい。

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――ひゅーいって変わった名前じゃないですか。この名前がついたことで“ひゅーい的人生”を歩んでいると感じることってありますか? たとえば、ちょっと変わった人生送らなきゃ、みたいな。

ひゅーいって名前をつけてくれたからこそ、こういう人生を歩めてきたんだっていう感謝もありますし、ひゅーいっていう名前だからこそ、自分を…へんな話、ブランディングしていこうっていう考えと両方ありますね。もしかしたら、歌とかやってなかったかもしれません。馬鹿にする人もいましたけど、あんま気になんなかったし、名前をやだなって思ったこともないかな。音楽の畑に来て、単純に覚えやすいのはラッキーなことだし、ありがたいっていう気持ちのほうが強いです。むしろ、石崎のほうが好きじゃなくて(笑)。

――どうしてですか?

ひゅーいに石崎ってあまり合わない気がして。あと、『キャプテン翼』って漫画に石崎くんってキャラが出てくるんです。いがぐり坊主の。そのイメージが強くて…。

――確かに、二枚目揃いのキャラのなかで、三枚目ですもんね。

…そうなんです。

――石崎さんって、音楽がないとダメなタイプに見えますが?

よくそう言われるんですけど、そんなことはないんですよ。ただ、歌うのは昔から好きでした。合唱コンクールとかで率先して歌うタイプで指揮者の女の子に褒められたりして。サッカー部だったんですけど、試合前にテンション上げるために円陣を組んで僕が歌ったりしてました。歌って喜ばれるのは嬉しかったし、そういう瞬間に、どうやら俺、歌上手いって思われてるって感じたりもして。

――自分には音楽しかない、みたいな感じではないんですね。

全然全然。

――では今、やっぱり自分には音楽だったんだ、って感じる瞬間みたいなものはありますか。

それはいっぱいあります。ライブが終わった後とか。この間も、配信ライブの収録で8か月ぶりにバンドで歌ったんですけれど、やっぱここに立ってないとダメなんだって思いました。あと、自分で作った曲が愛おしいみたいな思いがあるんですよね。ほんとに自分の子供みたいなもので、だからそれを世の中の多くの人に聴いてほしいし、そのために自分は何ができるかってことはよく考えます。たくさん聴いてもらうことが一番曲のためだと思うんで。

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――では、いま一番興味のあることってなんですか?

今は無理ですけれど、海外に行きたいんですよね。日本は、ツアーで結構回らせてもらっているんで。何か月か滞在して曲を作って帰ってきたいなと。あと…農業?

――えっ、農業!?

知り合いに農業をやりながら曲を作ってる人がいて。大根作ってる畑の隣で、パソコン置いて配信して…って面白いなって。

――どんな野菜を作ります?

ズッキーニ…あとヤングコーン。西洋系の野菜です。そこに田舎者が出ちゃってるんでしょうね。ベランダで家庭菜園もいいなって思ってたんですけど、調べたら結構虫が来るっていうんでやめました。

――そこは都会っ子なんですね。

ふふふ(笑)。

いしざき・ひゅーい 1984年3月7日生まれ、茨城県出身。2012年『第三惑星交響曲』でメジャーデビューを果たし、『夜間飛行』『花瓶の花』など話題作を次々発表。’18年には菅田将暉に楽曲提供した『さよならエレジー』がヒット。近年は映画『そらのレストラン』など、俳優としても活躍。12/25に単独弾き語りLIVEの開催も控える。

ユーズドのブルゾン¥49,800(ONtheCORNER TEL:045・211・4565) ビンテージのTシャツ¥4,900(Side Car Charlie TEL:03・6427・4879) シューズ¥17,000(CONVERSE ADDICT/コンバースインフォメーションセンター TEL:0120・819・217) パンツは本人私物

新曲「Flowers」は、現在デジタル配信中。映画『百円の恋』などを手掛けた武正晴監督による映画『アンダードッグ』(11/27全国公開)の主題歌で、くすぶった日々を送りながらも心の奥に戦いの炎を燃やし生きる、負け犬たちの心の叫びが綴られた楽曲に。また、発売中の、楽曲提供した菅田将暉の新曲「虹」は、公開中の映画『STAND BY ME ドラえもん 2』の主題歌。

※『anan』2020年12月2日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・入山浩章 ヘア&メイク・くどう あき インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)