「テスト前の中高生のノリ」岡崎体育が音楽制作をたとえる

2020.5.18
岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「睡眠」です。
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寝ているときに歌詞やメロディが降りてくるというような話をよく聞きます。枕元にメモ帳を置いておき、起き抜けに夢で見たアイデアを書き留めておくようにしている、なんていうエピソードもよく聞きますが、僕、岡崎体育はそういうことが一切ありません。そもそも、音楽に関する夢をまず見ません。夢には深層心理が反映されている、などといわれていますが、プレッシャーがかかる大舞台の前とか大事な収録の前などでも、僕はそれに関する夢を見たことがありません。よく見る夢は、歯が抜ける夢。それがダントツで多い。1本だけとかでなく、ボロボロ抜けて驚くという夢です。だから、先に書いたような音楽の睡眠学習ができる方、うらやましくて仕方ありません。そういう方は天性の才能なんでしょうね。

睡眠の導入について考え直してみても、寝ることと音楽は結びついていません。寝る前に音楽を聴くことはないですし、寝る前に音楽のこともあまり考えないようにしています。寝る前は、たいてい何か活字を読んでいますね。よくないのかもしれませんけど、スマホで時事的なニュース記事などを読んでいます。つらつらと読んでいると眠くなってきて、寝ます。

音楽を作っている立場で考えると、睡眠と音楽は分けておきたいのかもしれません。中田ヤスタカさんは、新幹線や車など移動中は音楽を聴かないとお話しされていました。同じように音楽プロデューサーの蔦谷好位置さんも、ごはんを食べに行ったときのお店のBGMがいつも気になってしまうとおっしゃっていました。プロの音楽家は、音楽が流れるとその音楽についていやでも考えてしまうのでしょう。このコード進行はなんだ? とか、このフレーズ違うほうがいいんじゃない? とか。音楽理論的に考えてしまうのだと思います。僕もそう……と言いたいところですが、僕の場合はそこまでシリアスなものではないような気もします。どちらかというと、テスト前の中高生と同じようなノリ。試験勉強したくない、考えたくないと逃避したくて、寝る前はわざと考えないだけのような気がします。だって、納期が迫って制作に向き合わないといけない状況になると、逆にめちゃくちゃ眠くなりますからね。机に向かっていても、午前中でも、めっちゃ眠い。テスト勉強のために机の前に座ると途端に眠たくなるのと、まったく同じ仕組みです。

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※『anan』2020年5月20日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)