裸で外を歩いてはいけない? 13のキーワードで読み解く「ドレス・コード?」展

2020.4.14
普段、私たちは気づかないうちにたくさんのドレス・コードに囲まれている。今日着ている服も、ひょっとしたら目に見えないコードに従った結果かもしれない。

『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』では、こうした暗黙のドレス・コードを13のキーワードを通して見つめ直す。

例えば「組織のルールを守らなければならない?」「教養は身につけなければならない?」など、下のキーワードの通り。学校や会社で制服を着る、ということはわかりやすいドレス・コードだ。一方でハイブランドを着ることで、高い教養を誇示しようとしたりも。もしそんな思いで服を選んでいるとしたら、あなたはすでにドレス・コードの支配下にあるといえそう。

会場では各キーワードのもと、数多くの衣装コレクションが展示される。ヨーロッパの王侯貴族が宮廷で着た豪華なドレスから『コム デ ギャルソン』『グッチ』『ヴェトモン』など現代の人気ブランドの最新スタイルまで。ドレス・コードの実例としてファッションを眺めてみるのも、新しい発見がありそうだ。

さらに“着ることの自由さと不自由さ”をテーマにしたさまざまな現代美術作品や、注目の演劇カンパニー「マームとジプシー」らによるインスタレーション、写真、映像作品も。私たちを無意識に縛る「ドレス・コード」という暗黙のルール。その正体を改めて考えてみたい。

展覧会を読み解く13のキーワード

00、裸で外を歩いてはいけない?

01、高貴なふるまいをしなければならない?

02、組織のルールを守らなければならない?

03、働かざる者、着るべからず?

04、生き残りをかけて闘わなければならない?

05、見極める目を持たねばならない?

06、教養は身につけなければならない?

07、服は意志を持って選ばなければならない?

08、他人の眼を気にしなければならない?

09、大人の言うことを聞いてはいけない?

10、誰もがファッショナブルである?

11、ファッションは終わりのないゲームである?

12、与えよ、さらば与えられん?

たとえば、こんな展示にはこんなキーワードが…。

【06、教養は身につけなければならない?】
高橋真琴の絵柄を大胆に使った『コム デ ギャルソン』のドレス。このギャップが、「ハイブランド=教養ある人のもの」というドレス・コードを改めて考えるきっかけに。

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COMME des GARCONS 2018年春夏 京都服飾文化研究財団所蔵 畠山崇撮影

【08、他人の眼を気にしなければならない?】
ピンクのジャケットを着た人に絞って路上観察したストリートスナップ。皆同じ着こなしに見えてくるコーディネートは「他人の眼」を意識した結果なのか、それとも?

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ハンス・エイケルブーム《フォト・ノート 1992‐2019》1992‐2019年 ©Hans Eijkelboom

【11、ファッションは終わりのないゲームである?】
26人の架空のキャラクターに、設定にふさわしい衣装を選ぶプロジェクトをインスタレーションに。私たちも自分というキャラクターを演じるために、ドレス・コードを利用しているのかもしれない!?

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マームとジプシー《ひびの、A to Z》2019年 ©Mum&Gypsy, photo by Sayuki Inoue

『ドレス・コード?――着る人たちのゲーム』 東京オペラシティ アートギャラリー 東京都新宿区西新宿3‐20‐2 4月11日(土)~6月21日(日) ※開幕延期、臨時休館中 11時~19時(入場は閉館の30分前まで) 月曜休(5/4は開館) 一般1200円ほか TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)

※『anan』2020年4月15日号より。文・松本あかね

(by anan編集部)