女性ホルモンを整えるには“両ひざを閉じて座る”!? 生活習慣の見直し方

2020.3.20
生活習慣に影響されやすい女性ホルモン。心も体もご機嫌に過ごすには、少しずつバランスを整えることが重要に。すぐに真似できる習慣をご紹介します!

習慣を見直せばホルモンは整い始める。

私たちの排卵や生理をコントロールする重要な働きを担っている女性ホルモン。

「排卵前はエストロゲンの分泌が増え、髪や肌の調子がよく気持ちも穏やかに。一方、排卵から生理開始までは、プロゲステロンが増え、妊娠しているかもしれない状態となり、イライラや不調を招きやすい時期に。この2つのホルモンが周期的に分泌され、女性の心身に大きな影響を与えています」(ウェルネスライフ研究所・神藤多喜子さん)

卵巣から分泌される女性ホルモンだが、指令を出すのは脳。しかし、この指令がストレスや生活習慣の影響により乱れがちに。すると、女性ホルモン量が崩れ、体や心の不調まで引き起こしてしまう。

「女性ホルモンは、2つのホルモンがバランスよく分泌される状態がベスト。それには、規則正しい生活と食事が不可欠です。できることから生活に取り入れてみましょう」

女性ホルモンを整える、3つのルール。

ルール1:自律神経を整えて、脳の働きをサポート。
「現代社会は、常に興奮状態が続いて交感神経が優位に立ちがち」と危惧する神藤さん。「自律神経の乱れ=脳の指令の乱れ。オンとオフをきちんと切り替えながら生活を」

ルール2:常に“循環”と“排毒”を意識して生活。
水分や脂肪が多い女性は、血液やリンパが滞りやすい。「便秘や体の冷えがあるのは、巡りが悪い証拠。循環と排毒は1セットと心得て、常に巡りのいい状態を保ちましょう」

ルール3:オキシトシンを増やして、ストレスブロック。
疲れを癒し、気持ちを安定させてくれるオキシトシンは、幸せホルモンとも呼ばれる。「自身が気分よく過ごすことで分泌されます。アイドルなどに夢中になることも効果的」

女性ホルモンを整える24時間

6:00

朝起きたら、深呼吸&ストレッチで目覚めのスイッチオン。
午前6時前後は、心身のスイッチが入りやすい時間帯。まずは深い呼吸でゆっくりと体を目覚めさせて。「寝た状態のまま手足を伸ばし、手先や足先も動かしましょう。徐々に交感神経に切り替わり、目覚めがすっきり。深呼吸は心を落ち着かせ、血行を促す作用も」。前日の就寝が遅くなっても、毎朝同じ時刻に目覚めることが大切。

6:20

洗顔のついでに舌苔を除去。自分を褒めることも忘れずに。

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睡眠中に舌の上に溜まった老廃物を取り除くと、排毒作用や唾液の分泌促進の効果が。「専用グッズで奥から前に撫でるように舌苔を掻き出して。体調によって舌苔の量や色は変化。白く薄い状態が健康な証です」。ケアの最後には、必ず自分を褒めること。「かわいいね! と褒めてあげれば、幸せホルモンがアップ。さらに白湯を飲んで体を温めましょう」

8:00

椅子に座るときは、ひざとつま先を揃えて閉じる!

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「子宮と骨盤を連結させる靭帯は、女性ホルモンの影響で緩みやすい。骨盤が歪むと子宮がねじれ、卵巣まで血行不良に。その結果、女性ホルモンにも悪影響を与えてしまいます。まずは日常の姿勢から改革を!」。座るときは、両ひざとつま先を閉じ、骨盤を立てるよう意識すると骨盤底筋群が鍛えられ、歪みを補正してくれる。

12:00

一日の食事のメインはランチに。食後は自然を感じながら過ごして。
一日の中で一番消化力が高まるのが、10時から14時の時間帯。「お昼はある程度重い食べ物もOK。食事の量は、朝1:昼3:夜2と心得て。よく噛むことで唾液の分泌量が増え消化力も上昇」。食後は外に出てリフレッシュを。「緑を見ることで心が落ち着き、興奮状態が一時的にオフに。自律神経が整い、午後の活力にも繋がります」

14:00

PCやスマホを触るときは、1時間に1回、目のマッサージを。

24h

日々酷使する目は、疲れが溜まる前にリセットを。「まずはこめかみをゆっくり円を描くようにマッサージ。次に人差し指を使って、眉頭、眉の中心、眉尻の順に数秒プッシュ。目元の血行がよくなり、肩こりや頭痛を防いでくれます」。また同じ体勢も代謝が滞る原因に。「座った状態で時々上半身をねじり、代謝や消化力を上げて」

15:00

仕事に疲れたら…好きな人や物を眺めて幸せホルモンを分泌!
ココアや生姜湯などの温かい飲み物でほっとひと息。疲れやイライラを感じたら、意識的に幸せホルモンのスイッチをオンに。「心地よい幸福感をもたらすオキシトシンは、母性を高めることで分泌が促されます。好きな人やかわいいと感じる動物など、写真を眺めるだけでOK。ぬいぐるみなど柔らかいものを触るのもおすすめ」

18:30

家に帰ったら、まずは脚上げを。血液&リンパの循環を促して。
デスクワークや立ち仕事で脚がパンパン…。頑固なむくみは、帰宅後一番にケアを。「楽な格好に着替えて寝転び、壁に沿わせて脚を上げます。体の力を抜き深呼吸をしながら、15分ほどキープ。脚に滞った血液やリンパの循環を促しながら、副交感神経に切り替えられます。夜の時間帯は、自分をいたわりながら過ごしましょう」

19:30

夜ごはんは、温かいスープや雑炊など消化しやすい食事を。
消化に時間がかかる時間帯のため、軽めの食事がベター。「2~3時間で消化できる煮込み料理がおすすめ。スープや雑炊、鍋なら、体も温まり一石二鳥です。大切なのは、寝る2時間前には食事を済ませること。眠る直前の食事は、胃の働きを活発にするため睡眠が浅くなる原因に。寝るまでに消化できる食事内容と摂取時間を意識して」

21:30

入浴中は胸まわりもマッサージして、下着の締め付けから解放。
疲れを取るだけでなく、質のいい睡眠に導くためにも重要な入浴タイム。「人間は体温が下がるときに眠くなるため、睡眠の1時間前に38~40°Cのお湯に浸かり体温を上げましょう」。入浴中は全身マッサージを。「特に胸まわりは、日中締め付けられて滞りやすい箇所。10秒ずつ胸下から持ち上げて全体をゆらし循環を高めて」

23:00

入浴後は間接照明をON。スマホやテレビも控えめに。
睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌をよくするためには、室内の照明が要に。「睡眠前は間接照明に切り替えて、部屋の明るさを落としましょう。また、スマホやパソコンのブルーライトも睡眠ホルモンの分泌を止める一因。できるだけ日付が変わらないうちに寝ることも大切。毎日、6~7時間は眠るように心がけましょう」

神藤多喜子さん 産婦人科病棟師長や出張開業助産師を経て、ウェルネスライフ研究所を設立。アーユルヴェーダに基づいた心と体の健康指導を行う。考案したおっぱい体操も人気。著書に『デリケートゾーンケアの教科書』(主婦の友社)など。

〈部屋着〉カーディガン¥7,400 オールインワン¥6,200 ヘアバンド¥2,000 ソックス¥1,800(以上ジェラート ピケ/ジェラート ピケ ルミネエスト新宿店 TEL:03・6457・8217) 〈通勤服〉シャツワンピース¥14,000(ラシア TEL:06・7525・8031) パンツ¥6,900(ランダ TEL:06・6451・1248) イヤーカフ¥1,900 リング(2点セット)¥1,700(共にゴールディ TEL:0120・390・705) バッグ¥29,000(ドレスレイブ/ノヴィア/ジオン商事 TEL:03・5792・8003) シューズ¥10,900(ア ドゥ ヴィーヴル TEL:06・6454・1266)

※『anan』2020年3月25日号より。写真・多田 寛 スタイリスト・安見未由 ヘア&メイク・高松由佳 モデル・木村舞輝(LIGHT magagement) イラスト・田中麻里子 取材、文・野村紀沙枝

(by anan編集部)