5Gで何が変わる? スマホの代わりにARグラス、ドローン配達に遠隔医療も!

2020.3.13
この3月から、日本でも5Gの高速通信サービスがスタート。スポーツ観戦やライブ、街歩きなど、アップデートされる楽しみ方をテックライターの太田百合子さんが解説。

高速サクサクで使い放題。スマホストレスゼロの5G。

5Gとは、今利用している4Gの、次の世代のモバイル通信サービスのこと。今年3月のスタート時、使えるエリアはまだ広くはないものの、対応のスマートフォンではこれまでの数倍高速でインターネットが利用できるようになります。アプリのダウンロードや動画の視聴の際に待たされることがなく、ストレス知らず。速さ以外にも、データの遅延が少ない、同時に多くの機器を接続できるといった特徴があります。さらに、5G対応の料金プランはデータ量の制限のない使い放題になる可能性大。サクサク高速で快適、かつ、使用データ量を心配することなくインターネットを楽しめるように。

春以降は、5Gの速さを活かした新しいサービスもスタート予定。離れた場所でもまるで会場にいるかのような、臨場感溢れる360度のライブ映像が楽しめたり、自分の好きなアングルの映像を選んでスポーツ観戦できるサービスなども登場します。さらに近い将来には、自動運転のドローンが自宅まで荷物を運んでくれたり、スマホの代わりに眼鏡型のAR(拡張現実)グラスが実用化されたりと、5Gネットワークの広がりに合わせて、まさに未来の暮らしが一気に身近なものになりそうです。

SPORTS
好きな選手の活躍を好きなアングルで。会場でも会場外でも楽しめる!

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大きなスポーツイベントが目白押しの2020年は、5Gでスポーツ観戦の楽しみ方が大きく変わりそう。高速大容量で、一度にたくさんの高画質映像を配信できるので、今までのようにみんな同じ映像ではなく、複数配信されている映像の中から自分の見たいアングルのものを選んで視聴するといったことが可能になります。ゴールシーンを様々な角度から見比べたり、好きな選手の動きを追いかけたり、同じ試合を個々の好きなスタイルで楽しむ、今までになかった観戦方法が実現。ほかにも、例えばVR(仮想現実)ヘッドセットを装着して、監督や選手の目線を体験したり、選手のプロフィールやルールの解説を、ARグラスで実際の試合を観ながらチェックできるサービスも登場しそう。またライブビューイング会場など、実際の試合会場から離れた場所でも、会場にいるのと変わらない臨場感のあるスポーツ観戦体験ができるようになるでしょう。

MUSIC
VRライブがもっと身近&手軽に! 会場の臨場感を自宅で体験できる。

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音楽ライブの楽しみ方も、5Gで大きく変わりそうです。ライブ会場に行く、あるいは映画館などのライブビューイング会場に足を運ぶといった今ある方法に加えて、高速通信を活かしてVRで参加するという、新しいライブ体験が可能になりそう。3月18日にはNTTドコモが「新体感ライブ」として、SixTONESとSnow Manのライブイベントを、8Kの高画質なVR映像で配信予定。ソフトバンクでも、現在提供中のAKB48グループの劇場公演のVRライブ配信サービスを、今後5Gでも提供予定で、より迫力ある体験ができそう。まるでその場にいるかのような高画質で臨場感溢れるVR映像を、自宅でくつろぎながら楽しめるようになれば、音楽ライブの楽しみ方がグンと広がるでしょう。会場のキャパシティの都合で人気公演のチケットが取れないといった悩みや、会場が遠くて移動に時間とお金がかかるといった悩みから解放される日も近い!?

TOWN
街がエンターテインメント空間に! KDDI×渋谷区のプロジェクトに注目。

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KDDIは、渋谷区観光協会と渋谷未来デザインとともに、5Gを使って渋谷の街全体で様々なエンターテインメントを楽しめるようにする「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」を推進中。東急やパルコ、ベイクルーズなど、渋谷にゆかりのある32社・団体が参画を発表しています。AR技術を用いて街歩きをしながら様々なアートが楽しめる仕掛けや、街にスマホをかざすだけでおいしいレストランの情報や、お得なショッピング情報が得られるサービスが、これまで実験的に行われています。スポットごとに異なる新曲の試聴ができるといった、街とエンターテインメントコンテンツを組み合わせた新しい試みも。例えば位置情報に連動したゲームなど、街歩き×スマホで楽しめるサービスはいくつかありますが、高速な5Gを活用すればさらに、場所に合わせた高画質な映像や高音質な音楽など、リッチなコンテンツを堪能できるようになります。

LIFE
ARグラスやドローン、遠隔医療など、未来の暮らしが5Gで一気に実現。

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いつでもどこでも高速に繋がる5Gのネットワークが当たり前になれば、生活はガラッと変わります。例えばごく近い将来には、スマホの代わりにARグラスを使って、音声によるハンズフリー操作での情報チェックが実現。ARナビを活用すれば、わざわざスマホを取り出したり、歩きスマホで視線を落としたりすることなく、より快適に安全に目的地にたどり着けるように。また、すでに楽天などが実験を開始しているドローンを使った無人配送サービスも、高速で遅延の少ない5Gを使えば現実的なものになりそう。ドローン配送が普及すれば、注文した商品をより早く受け取れるようになるでしょう。さらに、5Gで多くの情報をリアルタイムにやり取りできるようになれば、離れた場所にある機械を遠隔操作したり、遠い場所にいるドクターに診察してもらう遠隔医療も可能に。5Gは未来の暮らしを現実にする、大きなポテンシャルを秘めています。

太田百合子さん 三度のごはんと同じくらい、デジタルガジェットが大好物なテックライター。“難しいテクノロジーをわかりやすく解説する”をモットーに、WEBや雑誌を中心に幅広く記事を執筆。

※『anan』2020年3月18日号より。文・太田百合子 イラスト・沼田光太郎

(by anan編集部)