「まだまだです」謙虚なシェフが生み出す“ビビッドなケーキ”が気になる!

2020.2.21
スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『Patisserie L’UNIQUE(パティスリー リュニック)』のモンテリマールほかです。
FOOD

蜂蜜ムースの白にナッツやドライフルーツが色硝子みたいにきらめく「モンテリマール」。南仏伝統のヌガーを模したおなじみの生菓子も、ここのはひと味違う。蜂蜜ムースにはマスカルポーネムースも重なり、柔らかな乳味もふわりとまとう。赤いラインはフランボワーズとグロゼイユ(赤すぐり)のジュレ層で、キュンとくる酸味も赤の色彩もビビッド。蜂蜜の甘さをすっきりさせつつ華やぎを添え、おいしい輪郭をくっきり浮かび上がらせる。

「どうすればもっとおいしくなるか、いつも考えています」と、片桐甫(はじめ)シェフ。『パティスリー ユウ ササゲ』でスーシェフをしていた時に生み出した、「シシリエンヌ」も少しずつ進化させてきた。ピスタチオムースは香りをキープすべく、火をなるべく入れず、生クリームはあえて乳味弱めのものに。口にすればピスタチオ香に溢れ、フィヤンティーヌがザクザクとナッツの香ばしさを後押ししてくる。濃密なピスタチオの世界にパッと広がる、甘酸っぱいグリオットチェリーのジュレとムースは目が覚めるほど鮮烈! ピスタチオとチェリーの王道の組み合わせなのに、なんて艶やかなのだろう。それでも「いや、まだまだです」と、彼が見ているのはもっと上。おいしい進化は果てしなく続くのだ。

左から、シシリエンヌ¥520、モンテリマール¥480、トンカ・マカダミア¥480。(すべて税込み)トンカ・マカダミアは鎌倉『ル・ミリュウ』でシェフパティシエを任されていた時に考案。桜餅や杏仁を思わせるトンカ豆とマカダミアナッツが見事にフュージョン!

Patisserie L’UNIQUE 神奈川県横浜市磯子区洋光台3‐10‐15 林第一ビル1F TEL:045・367・9616 10:00~20:00(変動あり) 火曜休(臨時休あり)

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

※『anan』2020年2月26日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・中根美和子 取材、文・chico

(by anan編集部)



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