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“自由と規律”を使い分け サッカー日本代表のコミュニケーション術

2020.1.26
NHKサッカー解説者・福西崇史さんに、昨年からの日本代表の活躍にみるチーム力を語っていただきました。強いチームの作り方や、より強く団結するためのヒントをお伝えします。

森保ジャパンは発展途上。チームはW杯まで進化する!

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日本代表とオリンピック代表を兼任している森保一監督。彼の目指すサッカー、チーム作り、代表の現在地とは。代表経験もある解説者・福西崇史さんに聞いた。

「日本代表の目標は2022年のカタールW杯ベスト4。オリンピック代表はメダル獲得が目標です。森保監督は“全員攻撃、全員守備”を掲げて、本番でそれを最大限に発揮できるよう、いまはチーム作りを進めている最中です。選手はその戦術に合う者を選抜していますが、集めただけではダメ。勝つには、個を活かしながらも一つになる団結力が必要なのです。僕はジュビロ磐田時代に優勝を経験しています。年月をかけて仲間と信頼関係を築けたからこそ、フォーメーションなどの戦術面で修練できました。一方、代表は公式戦の合同練習はわずか数日間。そんな状況下であるから、試合は選手や、選手の組み合わせを試す検証の場でもあるんです。だから、いまは進化の過程にすぎません。長い目でチームを見守り、森保ジャパンを応援したいです」

森保ジャパンの“全員攻撃、全員守備”

「監督にはそれぞれ“やりたいサッカー”があります。そうした戦術にマッチする選手を招集し、チーム作りをしていくのが基本です」と福西さん。森保監督の戦術は“全員攻撃、全員守備”。サンフレッチェ広島の監督時代から掲げていたという、その内容とは。

「ボールをつなぐことですね。森保ジャパンは、ロングパスを出しません。攻めなら、キーパーを含めてボールを保持したまま少しずつ上がる。そこでボールを取られたら、瞬時に守備に切り替えて、今度はみんなで奪いにいくというのが森保監督の戦い方です。また、例えばボールを取りにいく位置などを全員が共有し、乱さない戦いをするのも特徴。そのためにもコミュニケーションは重要です」

共に過ごす時間を確保しにくい代表練習。監督はどんな工夫をしているのだろうか。

「自分はあえて何も言わず、選手同士で話し合い解決するしかない状況を作ったり、逆にこうしろと細かく指示をしたりと、“自由”と“規律”を柔軟に使い分けて意思疎通を図っていると思います。選手経験があるぶん、選手の気持ちがよくわかる人だと思いますね」

土台となる重鎮、伸びしろのある若手…。それぞれが全力を尽くすプレーを目指して。

森保ジャパンでおなじみの選手といえば、何人かの名前が頭に浮かぶ人も多いのでは。

「選手が偏るのは当たり前ともいえます。なぜなら、所属クラブで結果を出し、かつ戦術を理解してくれれば、継続して呼びたいと思うから。なので監督が期待する役割を理解できる選手が招集のベースといえます。昨年末のE-1サッカー選手権でいうと、佐々木翔選手や森島司選手。かつて監督が指揮していたサンフレッチェ広島所属ですから、監督の考えを理解していて、だからこそ必要な選手といえるでしょう。一方、勝つためには能力の高い選手も絶対必要。例えば、大迫勇也選手、吉田麻也選手、南野拓実選手、中島翔哉選手、堂安律選手などの海外組です。W杯は世界と戦うのですから、日頃から世界と戦っている選手だからこそ、渡り合えるところもあるはずです。彼らは主力になりつつありますが、どれも確定ではありません。層を厚くするために、可能性を秘めた伊東純也選手や久保建英選手などを投入していますし、大迫選手の代わりとなる選手も探っています。W杯直前まで、監督の人選は終わらないでしょう」

すべては2022年のために! トライアンドエラーを繰り返し、最強のチームを作り込む。

日本代表のチーム作りの期間は4年だが、各所属クラブのスケジュールもあり、合同練習できるのは、公式戦ではほんの数日間。

「このことは各国同じ条件。本来なら練習時間はあるほどにいいのですが、取れなくてどの国も苦しんでいます。だから、公式戦を練習の場にするしかないのです。例えば、試合途中まで主力組で挑んでも、後半から交代させて新規の選手を使ってみる。結果が求められる場面でも、選手の力や組み合わせを試してみるしかないんですね。4年というスパンを考えれば、新しい選手が台頭したり、その逆も然り。常にメンバーを更新し続けなければいけません。さらに大きな壁となるのが、当然ではありますが、相手がいること。相手次第でせっかく積み上げてきた戦術がボロボロと崩れることもあります。これらはオリンピック代表にも同じことが言えます。だから、代表のチーム作りは難しい。それでも高い目標を目指し強いチームを構築していくのです」

ふくにし・たかし NHKサッカー解説者。著書も多数あり。現役時代はジュビロ磐田などに所属し、日本代表では2度のW杯出場ほか国際試合で活躍。

※『anan』2020年1月29日号より。写真・Getty Images 取材、文・伊藤順子

(by anan編集部)

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