宇垣美里さん「人生一度きりなんだから、ちゃんと生きろよ!」

2019.11.23
今年、TBS職員からフリーに転身して、活動の幅を広げている宇垣美里さん。宇垣さんはアナウンサーとして、しいたけ.さんは占い師として、言葉を扱う仕事という共通点がある二人。共に唯一無二のコメントが注目を集めているが、その根底にあるものとは? しいたけ.さんの「カラー心理学」に加えて、言葉に対する意識についても聞きました。
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――しいたけ.さんは宇垣さんが独立を発表する直前に、TBSの番組で共演していたんですよね。その時の宇垣さんの印象は?

しいたけ.:共演する以前から、宇垣さんっておもしろい方だなと思っていて。というのも、人間って大人になると、今いる環境に適応するために、自分の役柄を演じ切らなければいけない部分がどうしてもあると思うんです。とくにアナウンサーという職業はそれが求められそうですが、宇垣さんからはその場に呑み込まれない努力みたいなものを感じたというか。理不尽だったり、失礼だったりする状況を笑って受け流さず、ちゃんと心に刃物を持っている。その姿に勇気を与えられたんです。

宇垣:ありがとうございます(笑)。もちろん受け流すことができないわけじゃないし、そうしていた時期もありました。でも、「嫌だけど喜んだほうがいいな」って思って呑み込んでいたものって、あとから自分を刺すんですよね。自分で自分を責めてしまうくらいなら、その場で意思表示したほうがいい。そう思って、今はきちんと言うように心がけています。

しいたけ.:宇垣さんはクレバーな方なので、適当な言動を見過ごせないんじゃないでしょうか。

宇垣:確かに、咀嚼されていない言葉に対しては、「どういう意味ですか?」って聞くことはあります。ただそれは職業病のようなもので、「これ読んで」と渡された原稿に明らかに誤りがあるとわかったら、そのまま読むことはできません。ある種、アナウンサーという仕事に対するケジメというか。内容の誤りはもちろん、人を傷つけるような表現がないように、ということも大切にしています。

しいたけ.:人を傷つけるとは?

宇垣:なんだろう…。たとえば結婚した女性に、「次はお子さんですね」とか。「勘弁してくれ~」って思うんですよ。私そんなこと言わないし、私はその原稿を絶対に読めないって。「それ男性にも聞く?」みたいなことに対する怒りも、たぶんすごく強いんだと思います。

――しいたけ.さんは言葉に対して、何か意識していることは?

しいたけ.:僕が占いという仕事を選んだ時に、とにかく気にしたのは、「この人が帰りの電車の中でどんな表情をするのか」なんです。もしかしたらただの自己満足かもしれないんですけど、僕が占うとか、それを読むとかしていただくことで、その日のお弁当のランクがひとつ上がる、みたいなことがあったら嬉しいな、と。

宇垣:しいたけ.さんの占いって、すごく寄り添ってくれている感じがするんです。人間が12星座の12タイプに分かれるとは思えないのに、「私のことを言ってくれている」って気持ちになれる。読んでいてほっとするんですよね。

しいたけ.:手紙だと思って書いているからかな? 手紙なら公表するものではないので、かっこつけずに済むというか。読んでくれている人と同じ言葉遣いで書きたい、とはいつも思っています。

子どもらしさと正直さを持っている人なのでは?

しいたけ.:以前もそう感じましたが、今日もお話を聞いていて、宇垣さんはカラー心理学的に白と黄色が強い人なのかな、と。白は中学生の色なんです。

宇垣:中学生?

しいたけ.:いわゆる思春期の子どもっていうか。頭の悪い大人に嫌気がさしてくるんです。白はある種の潔癖なので、それに耐えられなくなると、一気に景色を変えたくなる。だから白には旅行好きの人が多いんです。

宇垣:旅行は大好きです。

しいたけ.:それと、生きることへの本気度が異様に高い。でも、常に本気だと社会の中では生きづらいところがあるので、あえて鈍感でいようともしている。あと、黄色っていうのは幼稚園児の色。好奇心が旺盛で、見たことがないものを見たい気持ちが大きい。白と黄色は、どちらも子どもらしさを持っていて、正直者なんです。

宇垣:潔癖な部分はあると思います。ちゃんとしていないと嫌。それは身だしなみとかそういうことではなく、本気じゃないとか、一生懸命じゃないって、私は好きじゃないですね。「人生一度きりなんだから、ちゃんと生きろよ!」と思うし、自分に対しても手を抜きたくないって思っています。

――ちなみに宇垣さんは、好きな色ってありますか?

宇垣:赤が好きです。それも真っ赤よりは、紅葉したような赤。あと、からし色とか深緑も好きです。

しいたけ.:白をベースに持っている人って、“無”なんです。面倒くさがりという気質もかなり持っているから、もしかしたらギアを上げるきっかけとして、赤とか刺激のある色を選ばれるのかな、とちょっと思いました。

宇垣:私、洋服もメイクも毎日いろいろ変えたいんです。「こういう人」って決めたくなくて。色もそうですが、森ガールみたいなふわふわした服も好きだし、モードな格好も大好き。「そのほうが楽しくない?」って思います。

しいたけ.:すみません、全然関係ない話かもしれないんですけど、数年前にハワイに行った時のことを思い出して。その時に衝撃だったのが、街を歩いている外国の人たちの格好。おじさんとか、お腹が出ているのも気にせず、好きな服を着ているのがすごく素敵で。

宇垣:私もそれ、この間アメリカに行った時に思いました! みんな体型も性別も気にせず、好きなキャラのコスプレをしていて、すごく楽しそうだったんです。あれはハッピーな光景だったなぁ。

――宇垣さん、しいたけ.さんに何か聞いてみたいことはありますか?

宇垣:今日は何て言ってくださるのか楽しみに来ましたが、潔癖なところであったり、常に本気を追求するところであったり、それは白と黄色なんだって。言葉にしていただくとスライムが形を持った、みたいな気持ちになりますね。

――そのカラーは、自分にどう生かしていくといいですか?

しいたけ.:カラー心理学って18色もあるし、自分のカラーが1色ではなかったりもするから、自由に解釈してもらっていいと思います。それにカラーは、生まれながらに決まっている12星座と違って、今の自分の感覚で選んでもらえる気楽さが僕は好きなんですよね。今日この対談で気づいたんですけど、僕はカラーを通して「ハワイのおじさんの風を届けたい」って思っていたんじゃないかって。宇垣さんみたいに、ある意味、不真面目に受け止めてもらえたほうが…。あ、宇垣さんが不真面目って言っているわけではないですよ?

宇垣:はい(笑)。

しいたけ.:「白と黄色。そうなんだ」ぐらいが幸いです。

うがき・みさと 1991年4月16 日生まれ、兵庫県出身。2014年、TBSに入社。『あさチャン!』などに出演し、今年3 月に退社。現在、テレビ、ラジオ、執筆業などで活躍中。

しいたけ.さん 占い師。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究する傍ら占いを学問として勉強する。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)など。しいたけ.公式サイトhttps://shiitakeofficial.com/

※『anan』2019年11月27日号より。イラスト・100%ORANGE 写真・小笠原真紀 スタイリスト・小川久美子  ヘア&メイク・高梨祐子 インタビュー、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

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