なぜ「月経前はノンワイヤーブラ」? 女性ホルモンの変化と“美乳”

2019.9.14
月経周期によって女性ホルモンの影響を受け、変化するバスト。そんな繊細なお胸様と、どの時期にどんなふうにつきあえばよいのか。おっぱいの気持ちを理解して、ハッピーバストライフを送りましょう。

女性ホルモンとお胸様の深い関係。

月経前になると胸が張る、部分的に痛みが出る。毎月女子を悩ませるお胸様のトラブルは、女性ホルモンのバランスが原因、と婦人科医の松村圭子先生。

「女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、排卵後はプロゲステロンの量が増えます。プロゲステロンは妊娠の準備をするホルモンで、体を休ませよう、栄養を溜めさせようと頑張る性分が。そのため月経前はなんとなくダルかったり、バストに水分が溜まって張りが出たりするんです」(松村先生)

バスト美容家の中村ひろ美さんは、月経前1週間はバストを優しくいたわる時期、とアドバイス。

「この時期は積極的な美乳ケアをするより、リラックスすることを心がけて。どんなにふっくらキレイなバストでも、痛みや不快感があったら幸せな気持ちになれませんよね。月経前はバストの不快感を和らげ、月経後、肌も体も絶好調のときに攻めのケアをしましょう。また、女性ホルモンの中でもエストロゲンは、曲線美や美肌を作る、美容の強い味方。ダイエットやストレスで乱れがちなホルモンバランスを整え、自前のホルモンを味方につけることこそ、美乳作りの第一歩です」(中村さん)

月経期

エストロゲン

キレイをサポートする、別名「美のホルモン」。
月経後から排卵前の1週間にかけて分泌量が増える、女性ホルモンの一種。女性らしい曲線や潤いのある肌、ツヤやかな髪を育てるのに役立ち、美のホルモンとも呼ばれる。エストロゲンが優位になる排卵前1週間は、基本的に肌や体調が絶好調。美乳や美肌作りのために攻めのケアをするなら、この時期が狙い目。

プロゲステロン

張りや痛みなど不調を起こす原因に。
排卵後から月経前の2週間にかけて分泌量が増える、女性ホルモンの一種。妊娠に備えて体を整えるため、水分を溜め込んでむくみやすくなる、乳腺が発達してバストに張りや痛みが生じることも。月経前1週間は、イライラしたりダルくなったりする月経前症候群(PMS)もあるので、できるだけリラックスして過ごしたい。

排卵前1週間

月経後のバストは補整&ナイトケア。

美乳を作るなら、バストが柔らかい月経後がチャンス。「ワイヤー入りでストラップ太め、サポート効果のあるブラを使い、脇に流れた肉を集めて補整しましょう」(中村さん)。夜は、ナイトブラで形が崩れるのを防いで。「バストを支えるクーパー靱帯は、傷むと再生が不可能。寝返りの振動には要注意です」(松村先生)

バストまわりをほぐして巡りを整えるマッサージ。

美乳作りのためには、バストまわりをほぐすことが第一、と中村さん。「姿勢が乱れたり上半身の動きが少ないとバストまわりの筋肉が固まりがち。筋肉が凝るとそこにお肉が引っ張られ、バストが脇に流れやすく。バストまわりの凝りをほぐせば胸が美しく正面を向き、巡りがよくなって肌もトーンアップします」(中村さん)

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  1. まずデコルテをほぐす。拳の第二関節をデコルテに当てて上下に動かしながら、胸の中央から外へとマッサージ。
  2. 腋の下の肉をほぐす。親指をデコルテ側に、そのほかの指を腋の下に当てて肉をつかみ、もみほぐして。
  3. 腕を上げ、指の腹で、バスト横の筋肉を矢印のようにほぐす。腋の下のバストサイド全体をまんべんなく。
  4. 片手で逆側のバストの輪郭を、円を描くように優しく流す。血流を促し、バストの肌を美しく整えて。
  5. 両手のひらをおへその上に当てて、そこからバスト下まで流す。お腹の肉をバストに流し込むつもりで。
  6. バストの下から上へと手のひらで流す。右手と左手どちらかで必ずバストを支え、揺らさないように注意。

月経2週間前~

アロマオイルでリラックスケア。

「ストレスはホルモン分泌を命令する脳の視床下部にダメージを与え、月経不順やPMS を引き起こすことも。月経前は自分なりの方法でストレス解消を」(松村先生)。「好きな香りのオイルでボディを流したりバストのパックをすれば、美容に役立つしリラックスできて一石二鳥。パックは胸が強く張っているときを避けて」(中村さん)

月経1週間前~

ゆったりブラで快適に過ごして。

ただでさえ張りがあってデリケートなバストに、ぎっちぎちの補整タイプブラはNG。ノンワイヤーのブラレットなどに切り替えを。「締めつけると不快感が増してしまうので、ソフトサポートタイプに変えましょう。素材もシルクやオーガニックコットンなど、肌あたりの優しいものがおすすめです」(中村さん)

月経周期にかかわらず、日々心がけたいホルモンケア。

ホルモンが増えても減ってもハッピーでいるために、下の3 つを実践しよう。

お胸のサイズは小まめにチェック!

バストサイズを1年以上測っていないという人は、今すぐショップへGO 。「月経前は、月経後に比べてバストの体積が約30%増えることも。月経前後両方で、ブラのフィッティングをすべきかも」(松村先生)。「バストのサイズは、意外と変化します。特に30 代後半からは女性ホルモンの減少とともに肉質が変わり、小さくなります。できれば半年に一回計測を」(中村さん)

タンパク質と油でホルモンを作る。

美バストをゲットしたいなら、まず自前のホルモンを活用すべし、と松村先生。「せっかく曲線美を作るエストロゲンがあるのだから、これを利用しない手はありません。ホルモンの材料は、主に脂質とタンパク質。良質な脂質であるオメガ3 系を含むアマニ油やエゴマ油、タンパク質豊富な肉や魚を摂って、質のよいホルモンを作る食生活にスイッチしましょう」(松村先生)

自律神経が整うヘルシーライフを。

ホルモンの分泌を調整する脳の視床下部は、自律神経のコントロールも司る部位。自律神経が乱れるような生活習慣は、視床下部を通じてホルモンも乱してしまうという。「規則正しい生活、質のよい睡眠、ストレスケア。当たり前のようでいて難しいこれらを実現できれば、自律神経やホルモンのバランスが整い、心と体の健康、肌やバストの美容が叶うのです」(松村先生)

松村圭子先生 婦人科医。成城松村クリニック院長。婦人科医の立場から、女性の心と体の健康、美容を考察。『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など著書多数。

中村ひろ美さん バスト美容家。バスト美容サロン『mamma spa』代表。見た目の美しさだけでなく、心と体の健康から理想のバストにアプローチするメソッドを提唱する。

※『anan』2019年9月18日号より。イラスト・きくちりえ(ソフトデザイン) 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)

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