痩せにくい&便秘…夏こそ注意したい「腸冷え」 その対策とは?

2019.7.22
暑さで自覚が少ないぶん、夏の冷えは意外と厄介。知らないうちに「腸冷え」が進行して不調の原因になっているかも…。暑くても実践できる“冷やさない”腸温活で、無理なく冷えを予防&改善。夏バテと無縁の元気な腸を手に入れよう。
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薄着や冷房、冷たい食べ物…。実は夏は、冬と同じくらい腸が冷えやすい季節。さらに、ここ数年は35°C以上の猛暑日が増えたため、より腸に負担がかかっていると、松生クリニック院長・松生恒夫先生は指摘する。

「外と室内の温度差が10°Cを超えると、急激な寒暖差で腸冷えが起こりやすいのです。冷えによって交感神経が優位になり、腸の血流が減って活動が停滞し、便秘や免疫力低下にもつながります」

夏の腸冷え対策は、暑さに対応しながら行うことが大切。エアコンを我慢して熱中症になっては本末転倒だし、冷たい食べ物や飲み物をすべて断つのもむずかしい。

「夏は腸を“冷やしすぎない”ことを意識しましょう。エアコンの風に直接当たらない、飲み物は常温で飲む。そうした小さな工夫を重ねることで冷えは防げます」

冷やさないことと同時に心がけたいのが、腸を動かすこと。朝食を欠かさない、日頃から歩くようにするなど、生活習慣も見直そう。

「朝食におすすめの食材はキウイです。腸内環境を整える酪酸を作り出す水溶性食物繊維がキウイに多く含まれるので、便秘解消にも役立つでしょう。腸の動きをスムーズにしたうえで冷やさないこと。これで夏バテも予防できますよ」

“腸冷え”になる3大要因

薄着

薄着や露出で肌をさらすほど「温度差」によるダメージが。
夏はどうしても薄着になり、肌を露出しがち。暑い外にいるときは良くても、エアコンがガンガンに効いた場所との行き来があったとき、肌を覆う被服が少ないほど体温調節がうまくできず、腸冷えに。

エアコン

オフィスやお店ではとくに冷やさない工夫が大切。
「寒いと感じるくらいエアコンの効いた場所に長時間いると体が冷え、当然、腸も冷えます」(松生先生)。オフィスやレストランなど、設定温度を自分で変えられない場所はとくに要注意。

食べ物

内側からのダイレクト冷えは量を減らしてブロック。
かき氷やアイス、冷やし中華…。冷たい食べ物や飲み物を摂りすぎると腸などの内臓を直に冷やしてしまう。食べる量を減らす、温かい飲み物と一緒に摂るなどして冷えすぎを予防しよう。

“腸温活”をはじめよう!

薄着冷え対策には

温めアイテムを仕込んで薄着でも冷やさない。
冷え対策といえど、夏に厚着をするのは非現実的。そこで、活用したいのが“隠れ温めアイテム”。薄手の腹巻きや一分丈のショーツを着用するだけで、薄着のままでもお腹の冷えはぐっと軽減する。保湿ケアも兼ねて温感クリームをお腹まわりに擦り込んでおけばより効果的。カーディガンなどの羽織りものは、お守りのようにいつも持ち歩こう。

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いつものショーツに重ねるほか、1枚ばきも可能な一分丈ショーツはスカートのときにぜひ。吸汗&速乾性の素材でさらっと快適なうえ、伸縮性抜群だからストレスフリー。カラーは紺とグレーも展開。ウイング まるで素肌¥1,600(ワコール TEL:0120・307・056)

エアコン冷え対策には

直の冷気や汗冷えは禁物。冷えを感じたらお腹を温めて。
エアコンによる腸冷えを防ぐポイントは、冷気に直接当たらない、汗冷えを避ける、お腹を温める、この3つ。サーキュレーターなどで冷気を循環させるのも◎。

「寒いと感じたらお腹にハンドタオルや手を当てるだけでも温まります。簡単にできる腸冷え対策です。エアコンの設定ができるなら、自分が快適と感じる温度にすることも大切」

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コンパクトなデスクファンは、パーソナルスペースを涼しくするのに有効。首振りにしたり風量を調節したりして、冷えすぎない適度な涼感を手に入れて。低騒音ファンだから仕事中も気にならない。USBデスクファン首振りタイプ¥3,232(無印良品 池袋西武 TEL:03・3989・1171)

食べ物冷え対策には

腸の温め&活性化作用のある食材を味方にしよう。
冷たいものは食べすぎない、ドリンクは常温を選ぶなど、基本的なことをまず押さえよう。そのうえで、温かい食事や飲み物にちょい足しすることで、腸の保温効果を高めるオリーブオイルとスパイスを取り入れてみて。また、腸の筋肉の緊張を緩める作用を持つペパーミントや、腸の働きを促すキウイ、全身を温めるカレーにも要注目。

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ペパーミントに含まれるメントールには腸を動かす筋肉の緊張を緩める作用が。清涼感のあるペパーミントティーはホットでも飲みやすく、お腹も温まる。レーベンスバウム オーガニックハーブティー ペパーミント 20P入り¥800(おもちゃ箱 TEL:0120・070・868)

松生恒夫先生 医学博士。松生クリニック院長。「便秘外来」を開設。『長生きしたけりゃ、腸は冷やすな』(主婦の友社)など、腸関連の著書多数。新刊は『キウイを食べると腸が健康になる!』(現代書林)。

※『anan』2019年7月24日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・熊坂麻美

(by anan編集部)

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