逆に太りやすくなる!? ダイエットをうかつに始めてはいけないワケ

2019.1.30
“うかつにダイエットを始めてはいけません”と指摘するのは、予防医学研究者・石川善樹さん。ダイエットにまつわる9つのポイントを教えてくれました。
ダイエット

ダイエットを始めたほとんどの人は、痩せるまでのプロセスでは大いに頑張ります。でも、痩せた後のことまではあまり考えていません。痩せた後、痩せたままの体重でいるための計画を練らずにダイエットに取り組むことが、リバウンドする一番の原因です。お金持ちになりたいと思っていても、いざお金持ちになったらどうするかは意外と考えない。または、素敵な男性と知り合いたいけど、知り合った後にどうしたいかは考えない…。何かを手に入れることと、それとともに暮らすことはまるで違います。それは、お金であれ彼氏であれ体重であれ同じなのです。

ダイエットをすると、どうしてもその過程で筋肉は減ります。体重50kgの人がダイエットして47kgになり、リバウンドしてまた50kgに戻ったとします。このとき、体重は以前と同じ50kgでも、実は体組成は全然違っています。具体的には、筋肉が削げ落ちて脂肪が増えているので、消費エネルギーが減り、太りやすい体になっているんです。だからダイエット前と同じ食習慣に戻ると体重は50kg以上に増えてしまうことに。

ダイエットで体重が減るときは、水分か筋肉か脂肪が減ることになります。このとき脂肪だけ減らして筋肉の量を保つことは、理屈としては可能かもしれません。でも本当にそれをやろうとしたらものすごく大変。具体的なトレーニングのメニューを見せられたときに、多くの人は「じゃあ、やめときます」と思うはず。となると、筋肉が減って太りやすい体質になっているのに痩せたままでいるためには、減量前と違う食習慣と運動習慣を身につけることが必要になってきます。新しい体重になるには新しい習慣が不可欠なのです。

1、痩せることと痩せたままでいることは、イコールではありません。

ダイエットで大切なのは、とりあえず痩せるために食事制限や運動を頑張ることではなく、痩せた体重をどうやってキープし続けるか。痩せた後からが本当のダイエットのスタート。目先のことではなく将来を見据えよう。

2、体重は以前と同じでも、体質は痩せにくくなっています。

ダイエットで食事制限をすると筋肉の量が減ってしまうのは、基礎代謝をセーブするために筋肉を分解するから。筋肉が減って代謝が落ちた体は、以前より太りやすい体質に。減量前と同じだけ食べるとリバウンドする。

3、脂肪だけを減らすダイエットは、実現困難です。

食事を減らすだけでなく、筋トレなどを取り入れれば、筋肉を減らさずに脂肪だけを減らすことが理屈上はできる。ただし現実的には、それを実現するにはかなりハードなトレーニングが必要で、長続きする可能性は低い。

4、新しい体重になるには、新しい習慣が不可欠です。

減量後の自分は、以前の自分とは別人。なぜなら、筋肉と脂肪のバランスが変わっているから。なので、新しい体重を維持するには新しい習慣を身につける必要がある。しかも長く続けられる、小さな努力でできるものを。

5、痩せた後の体重を維持するには、カラオケを毎日10曲歌う必要が。

カラオケで最もエネルギー消費の大きい楽曲は約20kcal。平均的には10~15kcal程度だとか。体重を3kg減らした状態を維持するためには、毎日135kcal消費する必要がある。カラオケならば約10曲分に!

6、服の試着と同様、ダイエットもお試し期間がマストです。

これなら続けられそうと思うことができないから、失敗することに。まずは、例えば135kcal分食事を減らす生活を取り入れて試してみる。そうした新習慣が苦にならずに続けられたら初めて、本格的にダイエットに挑戦を。

7、食事制限は、毎日食べているものから減らしましょう。

カロリーの摂取量は毎日めまぐるしく変わるもの。なので食事制限をする際のポイントは、食べる時間や会食の機会などに左右されないベースの部分を減らすこと。例えば、食事の度に必ず摂る主食を減らすのがベスト!

8、暇な人ほど太ります。部屋が汚い人ほど太っています。

暇な時間が多い人ほど太る。ソファに座ってぼーっとテレビを見ているときに、ついついお菓子に手が伸びる。一日のうちでそうした暇をできるだけ作らないことが痩せるコツ。部屋がキレイな人は太りません!

9、痩せる習慣は、毎日していることに紐付けるのが成功の鍵です!

ものぐさな人に「今日からこれをしてください」と新しい習慣を勧めても、続けるのは困難。歯磨きや洗顔、毎日行っている習慣に紐付けてちょっとした運動を取り入れるのが、痩せたままでいる新習慣を根付かせるコツ。

石川善樹さん 予防医学研究者。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了。自治医科大学で博士取得。著書に『最後のダイエット』(マガジンハウス)など。

※『anan』2019年2月6日号より。取材、文・石飛カノ ©franckreporter

(by anan編集部)

男が嫌う「NG美容法」をもっとチェック_バナー

足立梨花&生駒里奈サイン入りエコバッグが当たる!anan×COOL CHOICE Twitterキャンペーン