「勤労感謝の日」はなぜ11月23日なの? 暦との関係とは

2018.10.15
私たちの国に古くから伝わる暦は、生活に役立つ知恵が詰まっています。今回は暦にまつわる4つのお話、「虫の声とオノマトペ」「初恋の日(10/30)」「勤労感謝の日」「冬を告げる花」をお届けします。教えてくれたのは運命学研究家・C.I.さんです。
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秋の夜長に聴き入る虫たちの演奏会。

【擬声語の文化から覗く、日本語と外国語の違い】
季節の移ろいを細かく記した七十二候という暦で、10 月中旬~下旬は「蟋蟀(きりぎりす)戸に在り」と書かれています。秋も深まり、虫たちが人の住処の前で音楽会を開いているかのような描写です。

そんな“虫の声”ですが、これを単なる音ではなく「声」として認識できるのは、母音がベースの言語を使う民族だけだとか。実際には虫の声に限らず、風や波などの自然音にしても日本語では「ひゅーひゅー」とか「ざぶーん」とか、さまざまな擬音語が作られていますね。童謡でマツムシは「ちんちろりん」と鳴きますが、さて他の言語では?

英語に翻訳された日本のマンガを読むと、擬声語(オノマトペ)の表現の仕方が楽しめます。いろいろ調べてみると面白いですよ。

「勤労感謝の日」に秘められた切なる願い。

【一年の労をねぎらいつつ自然の恵みと脅威を思う】
11月23日の「勤労感謝の日」は、古来の神事である「神嘗祭(かんなめさい)」と「新嘗祭(にいなめさい)」に関連しています。

今年の収穫物を喜び、神々に捧げる神嘗祭と、奉納した新穀を天皇や神に仕える者が神と共に食する新嘗祭。とくに後者は、かつて冬至近辺の日に行われ、神意の込められた穀物を人の代表がいただくことで、来たる新年に恵みを降ろし、無事を願う意味が込められていたようです。「勤労」と「感謝」が人間社会の中だけで語られるのではなく、人と万物との相互関係の中でなされるとき、本当の豊かさが世界中に溢れるのかもしれません。それに何より、大自然に対する畏怖の念を失えば、人間などひとたまりもないことを忘れてはならないのです。

色濃く甘い初恋の思い出。

【詩だからこそ心に響く二人の美しい恋路】
「まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり」

詩人&小説家であった島崎藤村。明治29年10月30日刊行の文芸雑誌に、彼の「初恋」という詩が掲載されたことにちなみ、10月30日は「初恋の日」に制定されています。

それにしてもこの詩、初恋とはいいつつも、全文を読むと生々しいほどに親密な二人の関係が描写されていて、随分と恋模様は進展しているようです。なにせ逢瀬の場所である林檎の木の下に続く道は、この二人が幾度となく草を踏みしめて作ったというのですから。

この「初恋」はWeb上の電子図書館・青空文庫の『若菜集』にも全文が収められています。興味のある方はぜひ読んでみてください。

冬を告げる山さざんか茶花。花言葉は、「ひたむきな愛」。

【山茶花と椿。冬を彩る赤い花たち】
立冬――冬の到来を告げる七十二候の一節に「山茶(つばき)、始めて開く」とあります。現代では「つばき」=椿ですが、昔の暦では山茶花を椿と混同していました。実際、中国語で山茶花といえば椿を指します。分類学的にも山茶花は「ツバキ科ツバキ属」であり、見間違えるのも無理はありません。

ただ、椿が咲くのは春に近い時期ですし、散り方にも大きな違いが見られます。山茶花は咲き乱れた後、散った花びらがレッドカーペットのようになります。一方、椿は気位高く咲き誇った後、最後は花ごと落ちます。ちなみに、葉も山茶花のほうが少しギザギザしています。 

冬を彩る赤い花々を見て、「山茶花かな、椿かな」と愛でる、そんなひと時も味わい深いものです。

C.I.さん 運命学研究家。易・四柱推命・西洋占星術などの運命学を学び、ブログ(With the I Ching)やツイッターで日頃の考えを綴る。最近は、4匹の愛猫たちと過ごす日々。

※『anan』2018年10月17日号より。イラスト・角 裕美

(by anan編集部)


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