仲良しだったはずなのに…突然“相性”が悪いと感じるワケ

2018.7.26
話のテンポが合う、なぜか同じことを思いつく…。「相性」の良し悪し次第で、その人のポテンシャルが最大限に発揮されたり、思わぬ面が出てきたりも。そんな相性の不思議について、具体的なケースを基に3人のスペシャリストが解説します。

「一緒にいる相手によって、印象が変わる」のは?

相性

→人間は多面体であり、さまざまな条件で相性が変化するから

ある人と一緒にいるときはいつも機嫌が悪いのに、別の相手の前では穏やかになり、さらに別の人に対しては急に子どものように振る舞ったり…。接する相手によって、その人のパーソナリティまで別人のように変わって見えることがある。実はこれも、相性の知られざる側面の一つ。

「人間の性質は多面体であり、非常に複雑なもの。単に相性の良し悪しだけで語れるものではなく、誰が、どの部分に光を当てるかによって人柄は変化します。光を当てる角度が悪いと思ったら、少し位置をズラしてみればいいだけ。糸口はあるはずです」(心理テスト研究家・章月綾乃さん)

さらに、相性はそのときに自分が置かれた状況によっても絶えず変化する、という話も。

「学生時代の友人と、大人になって反りが合わなくなった、という事例はよくあること。生活環境や成長のスピードなど、後天的な要因によっても相性は変わり得るものなのです。大切なのは、変化を受け入れること。自分にとってその瞬間に居心地がいいと思える相手を選ぶことも、決して間違ってはいないでしょう」(精神科医・水島広子さん)

「チームが変わると物事の運び方が変わる」のは?

相性

→環境とともに自分の役割が変わり、補完し合うことができるようになるから

「お互い共通の目的意識を持っている場合、相性は補完関係で測ることができます。仲良し2人組だと仕事がまったく進まなかったのが、3人体制になった途端に効率が上がった、というのは、3人揃うことではじめてチームとしての役割が補完できるようになったため。この場合は共通的理解というよりも認知的理解、つまり“相手と自分の違いを知る”ことや、自分に足りない能力を相手がどのように補完してくれるか、という認識が重要になります」(プリンシプル・コンサルティング・グループ代表・秋山進さん)

もちろん、2人だけで補完関係が成立している場合、人数が増減することでかえってバランスが崩れるというケースも。とはいえ、お互いの認知的理解さえあれば、仕事レベルでは立て直しもきく。

「また、それぞれの役割は環境によっても当然変化します。今まではチームの中で“使われる”立場だった人が、部署を変わって“人を使う”立場になった瞬間、予想以上のパワーを発揮するということも。このように、チームとの相性、仕事や役割との相性、さまざまな積み重ねが要因となって人を動かしていくのです」(プリンシプル・コンサルティング・グループ代表・秋山進さん)

水島広子さん 精神科医。対人関係療法の、日本における第一人者。新著『イライラを手放す生き方―心の強い人になる条件』(さくら舎)が発売中。

秋山 進さん プリンシプル・コンサルティング・グループ代表。著書に『職場の「やりづらい人」を動かす技術』(KADOKAWA)など。

章月綾乃さん 心理テスト研究家。雑誌やWEBで連載多数。「占いと心理テスト章月綾乃の開運ブログ」(https://ameblo.jp/shouzuki-ayano/

※『anan』2018年8月1日号より。イラスト・いいあい 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)


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