ネガティブな感情も否定しない! 直観力を育む技術とは

2018.2.8
柔軟な発想、溢れるアイデア。創造力の源となる直感力に優れたクリエイターに共通するのは、多彩な感情を体験していること。ネガティブな感情のなかにも、豊かな宝が埋まっている!
悩み

「僕は常々『感情は王様、理性は家来』と言ってるんですが、直感力や創造力を高めるには、脳のなかで絶対的な権限を持っている感情を活用するのが大切なんです」と語るのは予防医学研究者、医学博士の石川善樹さん。

「実際、クリエイティブな人はポジティブ、ネガティブにかかわらず、さまざまな感情を経験しているとの報告があります。脳が最高のパフォーマンスを発揮している超集中状態、いわゆる“フロー”に入るための最初のステップでも、強い感情のエネルギーが重要な役割を果たしているんですよ」

感情とは振り回されるものでも、無視するものでもなく、活用するもの。上手な扱い方をマスターして、直感力に磨きをかけよう。

感情を客観的に味わうことを身につけよう。

感情を満遍なく味わうことがクリエイティビティを高めるには必要、と石川さんは説く。とはいえ、妬みや不満のようなネガティブ感情を積極的に味わうのはやはり気が重いもの。

「感情自体にいい悪いはなく、ネガティブ感情にも大切な役割があるので敬遠しないで。コツはネガティブ感情にハイジャックされないよう、悲しみなら悲しみと一体化せず自分を引き離すこと。I am sadではなく、I feel sadのスタンスで、“悲しみという感情を感じている自分がいる”という客観性を保つよう心がけて」

また感情は、クリエイティビティを阻む先入観や思い込みを溶かし、新たな気づきをもたらすきっかけにもなるという。

「僕も家族への不満をずっと抱いていた時期、なぜこんなにイライラするのかと自問自答し続けていたら、あるとき友人の家族が重病になったと聞き、『人はいつでも健康である』という勝手な思い込みに気づきました。もう家族が元気でいてくれるだけでありがたいと。イライラという感情が感謝という感情に変換された瞬間でしたね」

思考がクリアになる“フロー”体験も感情が鍵に!

超一流アスリートやアーティストの活動中に、よく観測されているという“フロー”。集中力が極限に高まり、能力を最大に発揮できている状態のことだ。

「フロー状態の脳は、理性が低下し、直感的に物事を捉える部分がよく働いている。まさにクリエイティビティが炸裂している状態なんです」と石川さん。

意識的に“フロー”状態に入るためには4つのステップを踏む必要があるが、その最初のステップが「強い感情」だという。

「僕の場合は“面白い!”という感情がジャンピングボードになる場合が多いですね」

自分はどんなことで感情が大きく振れるか、心が高揚するか、何を面白く感じてわくわくできるか、日々の体験を通して見出しておくといいだろう。

石川善樹さん 1981年生まれ。東京大学医学部卒業後、ハーバード大学院修了。専門は予防医学、行動科学など。著書に『仕事はうかつに始めるな』などが。

※『anan』2018年2月14日号より。イラスト・藤田 翔 取材、文・片岡まりこ

(by anan編集部)


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