浅田舞、SNSでの近況報告に「そっと静かに画面を閉じる」 加藤ミリヤとの対談で明かす
悩みはあるけど明るく前向きに解決する、それがガールズパワー。
加藤:はじめまして、加藤ミリヤです。
浅田:浅田舞です、よろしくお願いします。妹の(浅田)真央が、夏に村上佳菜子ちゃんと一緒にアイスショーに出た時、ミリヤさんの「旅人」という曲を使わせてもらったり、ライブにもお邪魔しているんですが、私はちらっとテレビ局でお見かけしたぐらいで…。
加藤:そうなんですね。今回、私の小説にちなんで同世代の方とぜひお話ししたくて、舞さんをリクエストさせていただいたんです。
浅田:うれしいです。小説、読ませていただきました。
加藤:ありがとうございます!
浅田:登場人物の5人と私は違うタイプだけど、生活スタイルやそれぞれの悩みがすごくリアルに描かれていて、わかる、わかる! って一気に読んじゃいました。
加藤:わー、うれしいです。
浅田:この悩みって自分だけじゃないんだ、って前向きになれたし。このような物語を書こうと思ったきっかけは何ですか?
加藤:私が28歳になった時、27歳の時とは周りが変わったのを感じたんです。たとえば、結婚する子が途端に増えたりして。
浅田:そうそう! SNSを開けば、婚約、結婚、妊娠、出産のラッシュで…、だからそっと静かに画面を閉じる、みたいな(笑)。
加藤:あははは(笑)。それで28歳って変化する年なのかな、って思ったんです。大学を卒業して社会に出て、仕事を頑張ってきたところで一区切り、ちょうど変化を求めたくなる時期というか。
浅田:なるほど。私の場合は、結婚って遠くにあった話だったのに、気づいたら現実的に考える年なんだ、って実感しました。
加藤:そうなんですよね。で、それがまず一つあったのと、小説の出版はこれで5作品目なんですが、これまでは自分の内側の話ばかりで、私にはそれしか書けないと思っていたんですね。でも一方で、今の時代だからこそ、女性のエンぁと思って。そこから生まれたのが、裕福な専業主婦の夢、同性の恋人がいる渚、ファッション誌の編集者の愛、1児の母となった円、快楽主義を貫くさくらの5人。同じ28歳でも、置かれた立場や環境は違うし、それぞれに悩みを持っているんだけど、結局は自分の力で、そして同世代のガールズパワーで解決して、みんなが幸せになればいいなっていうような。
浅田:それにしても、5人のキャラがリアルすぎるんですが…。どうやって書いているんですか?
加藤:いろんなSNSを見ながら、ほとんど想像で作りました。もともと人をよく観察するタイプで、空想癖もあるので…。曲の歌詞は家、新幹線、飛行機で書くと決めていて、小説は若者のいなさそうな喫茶店で書いてます(笑)。
“結婚、出産をすれば偉い”ではないんですよね。
浅田:5人それぞれの悩みも、すごくよくわかりますが、とくに私が共感したのは、お母さんとの確執を抱えていた愛ちゃんです。私、小さい頃からずっとフィギュアスケートしかやってこなかったし、家族の生活もフィギュアがメイン。長女の私は、母の前では常にいい子でいないと、という気持ちがあって、思春期の頃は、自分の思っていることを母に何も言えなかったんです。
加藤:そうなんだ…。
浅田:母は6年前に他界してしまったんですが、元気な時にちゃんと私の思っていることを伝えられたのかな、って考えると後悔しかなくて…。だからケースは違うんだけど、愛ちゃんの、お母さんに対する思いとか確執みたいなものから生まれる感情が何となくわかるんです。それから、人気インスタグラマーの主婦・夢ちゃんにも共感するところがあって。
加藤:へえ〜!
浅田:みんなに憧れられるようなセレブな生活をしていながら、人に話せない悩みを持っている夢ちゃんを見ていると、“結婚することが偉いわけじゃないし、幸せそうに見えていても誰にも言えない悩みがあるんだなあ”とも思って。私も、最近「今すごくいいね」って褒めていただくことが増えたんですね。でも、華やかそうに見えているかもしれないけれど、秘めた悩みもあるわけで。
加藤:よくわかります。そんな中、28歳の終わりに、結局、みんな誰かを羨ましいと思っているんだけど、その人になりたいか、というとまた別で、これが自分の人生だよねってところに腹が落ちるもんじゃないかな、とも思ったんですよね。
浅田:そうなんですよ。私は最近、フィギュアの仕事以外にもこうやって対談をさせてもらったり、バラエティ番組に出たりといろんなことにチャレンジできているんだから、もっと仕事の幅を広げて楽しみたいなって思いました。よく、「もうアラサーだから」なんて言う人もいるんだけど、これから学べることがたくさんあると思っているので、どんどん走り続けていきたいな。ただ、結婚に焦りがないって言っちゃうと、どんどん婚期が遠のきそうだから、大声では言えないけど…。
加藤:あははは(笑)。私がこの小説を通して伝えたいのは、ひとことで言えば、ありきたりだけど“Enjoy my life”なんですよね。20代前半は、自分には何ができるんだろうとか、仕事どうしようって考えすぎている気がして。それが28歳ぐらいでスパークして、人生って色々あるけど、これからもっと楽しみたいな、ってシンプルに思える日がくるし、頑張っている女性にこそ、そう思ってほしい。だから、舞さんからどんどん走り続けたいなんて聞くと、すごい救われます。今日、最高の対談だった! ありがとう。
浅田:こちらこそ! 結婚している28歳も、結婚したくない28歳も、私のようにいずれ結婚したいけど今は仕事が楽しいという28歳も、誰が読んでも共感できる作品だと思います。
加藤:単行本では、連載であまりフォーカスされなかった円やさくらのその後を描いているので、ぜひこちらも読み比べてもらえたら嬉しいです。
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