俳優・橋本淳が「いまも時折思い出すくらいです」と言うほどのダメ出しって?

2017.12.2
人気劇団、城山羊の会の1年ぶりの公演『相談者たち』。出演者の吹越満さんと、橋本淳さん、作・演出の山内ケンジさんの鼎談を行いました!

普通に見えるのにどこかが変!? シュールでユーモラスなセリフ劇。

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男と女の理性という建前と本音の部分(主に下半身)とを、時にシュールに、時にバカバカしくユーモラスに描き出す城山羊の会。人気劇団の1年ぶりの公演は男と女の“別れ”がテーマ。

橋本:山内さんの作品は、予想だにしない斜め上を行く展開だったり演出だったり、毎日この先どうなるかがわからない面白さがありますよね。

吹越:うん。稽古していても、どこかに爆弾が埋まっているような感じがあるんですよね。今回も、なんかなさそうなのに…ある、じゃない?

橋本:(笑)。ありますね。

吹越:気づかないくらい微弱の不条理な電流が要所要所に流れていて、一見普通なのに、すごく変っていう。

山内:今回はとくにミニマリズムを目指して、余計なドラマティックなことはなるべく削っております。普通なんだけど微妙に変っていう会話が、だらだら続くのを面白くすることに挑戦しているわけでございます。

橋本:…まあ、いまは面白くなりそうな予感はあるんですが、互いの絶妙な空気感で笑いになっていくものなんで、ここから全員で微調整しながら作っていくことになるんだとは思うんですが…ねぇ、吹越さん。

吹越:僕が以前に出演した2作に比べると、家庭によくあるささやかなエピソードなんですよね。これまでは明らかに変な人だったのが、今回そんな変じゃない。いまのところは。

橋本:でも、途中で予想もしていない展開になることありますからね。

吹越:ただ今回、お父さんが娘に言うセリフとかも普通でねぇ…。昨日、その普通な感じが難しいっていう話をしていたんだよね。

橋本:はい。普通に娘のことを心配しているお父さんですもんね。

山内:僕は毎回、そんなに書きたいことがあるわけじゃないんです。劇場を決めて、キャスティングして、タイトルを決めてからお話を考える。そのモチベーションになるのはいつも役者さんで、ある意味、どうしたらこの人の意外な面が出せるかっていうだけで書いていたりします。

吹越:役者にとって怖いのは、山内さんのダメ出しだよね。同じことを言うにしても山内さんのタイミングとか言葉の選び方が面白いんだから。

橋本:僕、前回の稽古の時に言われた「あっちゃんのそのセリフは、翻訳劇だと思うのは僕だけでしょうか」ってダメ出しは、効きましたねぇ。いまも時折思い出すくらいです。

山内:フフフフ…(笑)。今回は初めてご一緒する方が多くて、物語の重要度が低くなり、ナチュラルにお芝居で見せていく作品になっておりまして、その派手ではない感じが、僕にはすごく新鮮…です。まあ、その前提にあるのは、キャストの皆さんの魅力なわけですけれど。

吹越:ではその魅力を…最大限に出そうとしなくても、自然に漏れ出ちゃうようにできればと思います。

橋本:騙されたと思って一度劇場に足を運んでくだされば、きっとその面白さをわかっていただけるはずなので、ぜひいらしてほしいですね。

ふきこし・みつる 1965年生まれ。城山羊の会へは今回が3作目の参加となるほか、山内さんの監督作、映画『友だちのパパが好き』にも出演。来年1月からは舞台『プルートゥPLUTO』への出演が控えている。

はしもと・あつし 1987年生まれ。城山羊の会へは、’14年の舞台『トロワグロ』で初参加。それを映画化した『At the terrace テラスにて』にも出演。現在放送中のドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)に出演。

11月30日(木)~12月10日(日)三鷹市芸術文化センター 星のホール 作・演出/山内ケンジ 出演/吹越満、安澤千草、橋本淳、村上穂乃佳、鄭亜美、折原アキラ 前売り3800円 当日4000円(全席自由・共に税込み) 三鷹市芸術文化センターTEL:0422・47・5122 http://shiroyaginokai.com

※『anan』2017年12月6日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 取材、文・望月リサ

(by anan編集部)


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