若くして骨折も…? 専門家に聞く“骨のケア”
骨コンシャスな生活で、今ある骨量をキープすべし。
骨は成長とともに増え続け、20歳頃、その量がピークに達する。
「そんな一生のうちで最も多い骨量を“ピーク・ボーン・マス(最大骨量)”といいますが、20歳前後から40代半ば頃までは、ほとんどそのままの量をキープし続け、以降は徐々に下降線。女性の場合は、閉経にともないホルモン量が減る50代になると、骨量は一気に減少し、骨粗鬆症という骨が弱く折れやすい病気のリスクが高まります」(伊奈病院・石橋英明先生)
50歳以降なんてまだ先の話、とピンとこない人もいるかもしれないけれど、油断するなかれ。
「今の若い人たちは、20歳になるまでに骨量を十分に増やすことができず、ピーク・ボーン・マスの水準が低いことが心配されています。その原因は、ダイエットによる骨の成長に必要な栄養素の不足や、日焼けを気にして日光にできるだけ当たらない、などの生活習慣によるものです。骨量が少ないと、その弊害は妊娠や授乳期に早くも表れます。そもそも骨はカルシウムの貯蔵庫で、その99%が骨に蓄えられ、残りの1%が血液や体液中にあります。女性は妊娠や授乳期になると、赤ちゃんの体を作るために多くのカルシウムが必
要です。不足する場合は、自分の骨を溶かしてカルシウムを血液中に供給します。ピーク・ボーン・マスが低い人はそれによって骨量がさらに減ってしまうので、若くして骨折することもあります」
20歳以降は、努力しても骨量を大きく増やすことはほぼできないそう。一方、油断をしているとどんどん減ってしまうので、要注意。
「まずは、骨の元となっているカルシウムとタンパク質を、食事から十分に摂ることが大切です。今の時代、牛乳や小魚など、カルシウムを多く含む食材の摂取量が少ないために、不足している人がほとんど。また、タンパク質は肉に多く含まれますが、ダイエットを
している人からは敬遠されやすく、とくに女性に不足しがちです」(管理栄養士・安中千絵さん)
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