清野菜名 リリー・フランキーと「恋人みたいな感覚でした」
清野菜名さんが現れた途端、場の空気が明るく和やかなものに変わった。カメラの前に立つと、こちらからお願いするより先に、次から次へといろんな表情をしてみせる。アンニュイな顔、少し照れてのビッグスマイル。時おり、お茶目なポーズをとってみせ、周りのスタッフにも笑顔が伝染していく。
――なんというか…清野さんの壁を作らない人懐っこさというか、あまりの屈託のなさに驚きました。
清野:なんなんですかねぇ。そもそも、芸能人という肩書があんまり自分に似合ってない感じがするんです。感覚としては、会社に勤めている友達と同じように、演技の仕事に就いている普通の人です。
――映画『パーフェクト・レボリューション』で演じられたミツは、風俗嬢で、精神に障害があるゆえに気性が激しい女性ですが、抵抗はありませんでした?
清野:もともと自分が知らないものに興味を惹かれるタイプで、台本を読んだ時に、考えるよりも先に「やりたい!」って思ったんです。監督から手紙もいただいて…。そういうお手紙自体が初めてで嬉しかったですし、気持ちだけで最後まで走れた感じでした。
――特に魅力を感じたのは?
清野:単純にストーリーが面白かったし、台本を読みながら、自分の頭の中で勝手にミツが動きだしていたんです。普段はそういうことはないんですが、これに関しては、自分がミツになりきれているというか、私自身がミツだったというか。なので、役で悩むことはなかったんですが、つねに感情が100か0な役だけに、演じるのにパワーが必要ではありました。でも、ここまで感情を表に出す役をやったことで、自分の感情の振り幅が一気に広がったというか…ドンッて開いたみたいで、いま他の役を演じる上でも活きていたりします。
――今回の作品や役のどこが、これまでとは違ったんでしょう?
清野:私にもわからないんです。私、セリフを覚えるのに時間がかかるんですけれど、この時は、すぐにセリフが入ったんです。ただ、ミツでいると感情を解放することが普通になりすぎて、加減がわからなくなってしまって、シーンのたびにリリー(・フランキー)さんに、やりすぎてないか確認してました。リリーさんが「ミツよりミツだから大丈夫」って言ってくださったおかげで安心してやれたっていうのもあります。
――それだけの役となると、プライベートに影響を及ぼしそうです。
清野:しんどい部分も多い役なので、早く切り離したいと思うことはありましたよ(笑)。撮影期間中、生活していて嬉しいことがあると、その喜びの表現がミツみたいになってしまうこともあったりして。
――ミツは他人との境界が薄い役ですから、周囲は戸惑うのでは?
清野:「酔っ払ってんの?」って聞かれたことはありました(笑)。
――ミツは特にシンクロ度の高い役だったということですが、他の作品の時も、役と自分をシンクロさせるタイプなんですか?
清野:基本的には、作品に入っている間は、その人になりたい、近づきたいと思っています。いまはドラマ『トットちゃん!』の撮影中なんですけれど、(黒柳)徹子さんがパンダがお好きだっていうことでパンダの服を買ったり。可愛いものがお好きだと伺って、ザ・女の子なアイテムを身につけたりしています。普段の私は、メンズライクな服が多いんですけどね。
――リリーさんとは初共演にもかかわらず、いい関係が築けたとか。
清野:そうですね。役柄上、近い存在でいたいと思って、自分から喋りかけていたら自然と仲良くなって、泊まりの撮影では、ホテルのロビーで飲んだりしていました。その時一緒に過ごしていた時間は、私たちにしかわからないようなものがあったと思っていて、撮影中は本当に恋人みたいな感覚でした。
――そうなると、クランクアップ後どうだったのか気になりますが。
清野:引きずらないタイプなので、ハイって切り替わりました(笑)
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