秦基博「ひねりなく素直に選んだ」 デビュー10周年ベスト盤の手ごたえ

2017.6.18
デビュー10周年を迎えたシンガーソングライターの秦 基博さん。昨年のアリーナツアーから、5月の横浜スタジアムでの記念コンサートまで、アニバーサリーイヤーを全国各地のライブで駆け抜け、最後の記念碑として10年間のベスト盤『All Time Best ハタモトヒロ』で締めくくる。
秦基博

「正直言って節目の年とはあまり意識していなかったし、お祝いしてもらうのが照れくさい気持ちでしたが、いろんな場所で《おめでとう!》と言われ、やっぱり嬉しかったですね。こんなにも音楽のことだけ考えて10年を過ごせたのも、皆さんのおかげなので、このベスト盤は僕から《ありがとう!》と感謝の気持ちを伝える作品だと思っています」

通常盤の収録曲には、シングル全曲とミニアルバム、EP盤の表題曲を選び、「ひねりなく素直に選んだオールタイムベストな一枚」とのこと。秦さんの歌声に癒され、励まされてきた人にとって、この10年間を振り返り、思い出を共有できる名曲揃いだ。

「どうやっても自分のことが作品に投影されるので、10年前からずっと、自分がそのとき感じていることが歌になります。やはり表現する上で、自分の言葉じゃないと意味がないので、よりいっそう自分の身の丈に合うリアリティのある言葉で歌詞を作るようになりました」

聴き手の心情にすーっと入り込み、一緒に切なさを感じたり、勇気をもらったりする秦さんの歌。大きく揺さぶるのではなく、静かに心を掬うような名曲を数多く生み出してきた。

「シンプルに味わい深いものを書く、ということが表現としてベストだと思っています。たくさん装飾して饒舌に語るのではなくて、一見シンプルにそぎ落としているようだけど、聴く人によって味わいが出てくる、と言うのかな。もちろんそのゴールに到達しているわけではないけど、この10年で自分の言いたいことへ、よりダイレクトにアプローチできるようになってきたと感じています」

歌詞とメロディと歌と。シンガーソングライターの表現とは、この3つが三位一体で関係し合い、少しのズレがあっても、気持ち良くは歌えないとか。

「曲を書くときは例えば、この3番目の音には母音のアをのせたいな、とか細かい部分までこだわりますね。それは理屈やルールではなく、僕自身の感覚的なジャッジなんですが、そういう感覚は昔から変わらず、体の中にありましたね」

秦基博

アーティストとして経験を積んで《進化》したものと、秦さんが生まれながらに持っていた《感覚》。その2つがある限り、この先も心打つ名曲を、限りなく歌い続けてくれるのだろう。

「振り返れば、目の前にある一曲をどう歌おうか、しか考えていなかった。その結果10年経っていたという幸せな状況でした。今後もきっとその生活は変わらないと思うので、皆さんにもっと楽しんでもらえるようチャレンジし続けたいですね」

はた・もとひろ 2006年『シンクロ』でデビュー。『ひまわりの約束』を筆頭に、叙情溢れる名曲を生み出してきた。9/23に「Augusta Camp 2017」(富士急ハイランド コニファーフォレスト)に出演する。

『All Time Best ハタモトヒロ』【はじめまして盤】¥2,500 選りすぐりの13曲と「Rain」(『言の葉の庭』EDテーマ)含むボーナストラックの15曲を収録。【通常盤】2枚組¥3,400 【初回限定DVD付き】¥5,500 【Blu‐ray付き】¥6,500(UNIVERSAL SIGMA)

※『anan』2017年6月21日号より。写真・内山めぐみ 文・北條尚子

(by anan編集部)


【人気記事】
「もうラーメンを超えてる」フードライターがつぶやく昼だけ提供の“澄まし麺”
【男子戦慄…】血の気が引いた「彼女からの恐怖LINE」2選
この手があった!便秘、下腹、体重の変化が!anan総研(PR)