ヒュー・ジャックマン「深い繋がりを感じている国は日本」その理由は?
最後にして最高傑作の呼び声高い『LOGAN/ローガン』!
【映画、ときどき私】 vol. 93
2029年になり、超人的な力を持つミュータントたちは大半が死滅。ウルヴァリンことローガンもまた、長年の激闘による影響で、驚異的だった治癒能力も衰えてしまっていた。そんななか、最後のミッションを “プロフェッサーX” と呼ばれるチャールズ・エグゼビアから託される。
それは、ミュータントの希望である謎の少女ローラを守ること!
強大な武装組織から執拗に狙われ、逃走の旅に出ることになったローガン、ローラ、チャールズの3人。しかし、その先にはさらに壮絶な運命が彼らを待ち受けていたのだった……。
マーベルのスーパーヒーローたちのなかでも高い人気を誇っているウルヴァリン。本作が最後ということもあり、すでに期待と寂しさに包まれているファンも多いはず。そこで今回は、長年主演を務めたあの方に直接お話を聞いてきました。なんと……。
“世界的トップスター” ヒュー・ジャックマンに直撃!
2000年の『X-メン』で初登場したのをきっかけに、一躍ブレイクしたヒューは、いまやハリウッドを代表する俳優のひとり。本シリーズを17年もの間支え続け、何よりも思い入れのある役柄だけに、東京でプロモーション活動のラストを迎えたいまの心境や本作への見どころなどについて語ってもらいました!
ついに最終作となりましたが、どのようなことを意識しましたか?
ヒュー 今回のローガンはとても新鮮なんだけど、いままでよりも掘り下げことで、生々しい感じにしたかったんだ。それによって、すごく複雑なキャラクターとして描くことができたと思うよ。「このキャラクターとはこの映画で終わりなんだ」というような別れ方をしたかったのもあったからね。
では、ラストシーンを撮り終えたときの気持ちは?
ヒュー すごく興奮していたんだけど、ローガンを演じるのはこれがラストチャンスだというプレッシャーを感じていたし、「とにかくいいものにしたい!」というのと、「後悔したくない!」という気持ちがあったよ。
ただ、そのときは急に天気が悪くなってしまって、すぐに撮影することになったから、あんまり考えたり悩んだりする時間はなかったんだ。それに、ローラを演じた11歳のダフネ・キーンにとっては初めての映画だったので、僕は彼女のことのほうが心配で、あんまり自分のことは考えてなかったかな(笑)。でも、彼女は本当に素晴らしかったから、終わったときにはホッとしてたんだ。
そしたら、監督がぼくのところにきて、「本当は全部撮れているんだけど、あと30分あげるよ」って言ってくれたんだよ。そういう彼の思いやりや優しさを感じられるとても特別な撮影だったね。
ウルヴァリンといえば、いつも眉間にシワを寄せていて険しい表情ですが、Twitterなどで発信されるヒューの素顔は、見ているだけで元気になれるほどのステキな笑顔が印象的。そこで気になるのは、どうやって仕事とプライベートをうまく切り替えているのかということ。
これだけ長い間同じ役を演じていたので、実生活でも引きずったことはないですか?
ヒュー それはまったくないよ! なぜなら、役のなかで怒りを全部出し切っていて、僕にとってはセラピーみたいなものだったからね(笑)。というのは冗談で、それが演じるということなんだ。だから、もちろん家でも怒ることはあるよ(笑)。
あとはみんなも同じだと思うけど、仕事を始めたばかりの頃は、「明日は大きな仕事がある」といって心配したり、不安になったりするよね。でも、そのうちにだんだん自信も出てきて、経験豊富になってくると、仕事場ではがんばってやるけど、終わったらそういうものは仕事場に置いてくるような切り替えができるようになるもんなんだよ。
特に今回の作品では、まるで別人のように見えるヒューに誰もが役者魂を感じるはず。とはいえ、本作は男性向けの作品だと思っている人も多いのでは?
ぜひ、女性へのオススメポイントを教えてください!
ヒュー この映画はスーパーヒーローの話ではまったくなくて、家族の物語なんだよ。ローガンというのは、ケンカをしているときのほうがいきいきと楽に生活できているんだけど、家族や誰かとつながりを持つというのがすごく苦手。だから、他人と繋がったり、誰かを守ったり、愛したりすることが最初のうちはなかなかできないんだ。
でも本作では、チャールズとローガンの関係は父と息子のようであり、ローガンとローラの関係は父と娘のようになっていて、そういう家族関係が描かれているから、僕の妻は「いままでのシリーズで今回が最高よ」と言ってくれたよ! それだけ言えば十分だったかな(笑)。
では、『ウルヴァリン:SAMURAI』でも縁のある日本で終わりを迎えるいまの気持ちは?
ヒュー どの国でも同じように言っているわけじゃないというのをまず信じて欲しいんだけど(笑)、僕がもっとも深い繋がりを感じている国は日本なんだよ。というのも、『X-メン』で初めて来日したとき、息子はまだ3か月だったんだけど、初めてニコッと微笑んだのが日本だったんだ!
そういう思い入れだけじゃなくて、僕がアメリカ以外で初めて行った海外も日本。それに、映画のプロモーションがなくても観光でよく訪れているんだ。だから、初来日から17年後のいま、この作品でまたここに来て、ファンのみんなにも会えてすごく興奮しているよ!
インタビューを終えてみて……。
取材の前から、「ヒュー・ジャックマンといえば、親日家で愛妻家でとにかく気さく」という噂を聞いてはいたものの、実際の彼を目の前にしてみると、まさにその通り! ひとつずつの質問にしっかりと答えてくれる姿だけでなく、あまりのカッコよさと優しい笑顔には思わず鳥肌が立ったほどです。
今回もファンたちと触れ合ったり、観光したりと、日本を満喫してくれたようですが、次はどんな作品とともに来日してくれるのか、そのときを楽しみに待ちたいと思います。
こんなウルヴァリン見たことないと大興奮!
本作はこれまでのシリーズとはひと味違うので、ウルヴァリンファンだという人はもちろん、あまりスーパーヒーローものに詳しくないという女子でも、楽しめること間違いなし! ますます迫力を増した圧巻のアクションシーンも、胸が熱くなる家族の物語も必見です。長年、全身全霊で挑んできた名優ヒュー・ジャックマンのほとばしる思いは、ぜひスクリーンで受け取って!
衝撃が走る予告編はこちら!
作品情報
『LOGAN/ローガン』
6月1日(木)全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
© 2017Twentieth Century Fox Film Corporation