佐藤寛太、鈴木伸之とサウナも! 「劇団EXILEは、優しい先輩方ばかりです」

写真・山本嵩 文・田嶋真理 スタイリスト・平松正啓(Y’s C) ヘアメイク・KOHEY — 2021.12.9 — Page 1/2
今回、ご紹介するのは、映画『軍艦少年』。大切な家族を失った親子が生きる意味を見出していく、喪失と再生を描いた物語です。最愛の母を亡くし、喧嘩に明け暮れる主人公・坂本海星を演じた、佐藤寛太さんにお話をうかがいました。

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「僕にとって宝物のような作品になりました」


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映画『軍艦少年』は、『ギャングキング』『セブン☆スター』などで知られるヤンキー漫画のカリスマ・柳内大樹氏による同名漫画を実写化した作品です。

舞台は、長崎県にある軍艦島の見える街。最愛の母を亡くして喧嘩に明け暮れる息子・海星と妻を亡くして酒に溺れる父親・玄海は互いに反目し、いがみ合っていました。そんなある日、海星は両親が生まれた軍艦島にふたりの大切な物があることを知り、軍艦島へ行くことを決意します。

気の荒い主人公・海星を演じたのは、劇団EXILEのメンバーで、映画『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズや『いのちスケッチ』などで存在感を発揮した佐藤寛太さん。失意に沈む主人公の父親・玄海を演じたのは、国際派俳優の加藤雅也さん。そして、海星の同級生・結役に山口まゆさん、海星の友人・純役に濱田龍臣さん、海星を見守る玄海の幼なじみ・野母崎巌役に赤井英和さん、海星の母親で玄海の妻・小百合役に大塚寧々さんら、フレッシュな若手俳優とベテランの実力派俳優が脇を固めています。

監督を務めたのは、テレビドラマ『おっさんずラブ』『あのときキスしておけば』のYuki Saito氏。主題歌は、1997年に結成した京都出身のロックバンド10-FEETのフロントマン、卓真さんがソロ名義初となる楽曲を書き下ろして提供しています。さらに、映画『007 スカイフォール』や『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』などに登場した軍艦島で、2015年の世界文化遺産登録後初となる映画撮影を敢行しているところにも注目です。

ーーこの作品に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

佐藤さん 原作にシンパシーを感じました。この作品で演じる役は、俳優人生、そして僕個人の人生においても起点になると考え、完成した作品を観てくださる方々のもとへ届けたいと強く思いました。


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ーーこの作品や佐藤さんが演じた主人公・海星のどのようなところに惹かれましたか?

佐藤さん 海星は純粋で口下手ですが、優しくてカリスマ性があるところに魅力を感じました。この作品は、自分のまわりにいる人たちは、血のつながりに関係なく、困ったときに手を差し伸べてくれる存在なんだと気づかせてくれるんです。とても温かい作品だと思います。

ーー佐藤さんは、本作の舞台となった軍艦島のある長崎県で幼少期を過ごされたそうですね。

佐藤さん 佐藤さん 7歳まで長崎県に住んでいました。この作品のオファーをいただいたとき、長崎県でロケできることがわかり、とても嬉しかったです。僕の母親は福岡県、父親は長崎県出身なんです。以前、福岡県にフィーチャーした作品に出演したことがあったので、今回、長崎県を舞台にした作品に出演でき、親孝行ができたような気持ちになりました。

ーー以前、このコラムに登場されたEXILE NAOTOさんが、主演映画の撮影の際に自分でドリップしたコーヒーを毎回差し入れしていたとおっしゃっていて。

佐藤さん 僕もコーヒーが大好きなんです。NAOTOさんのコーヒーの差し入れ、素敵ですね。大人だなぁ。

ーー佐藤さんがこの作品の座長として、心がけたことは?

佐藤さん 僕が作品を読んだときに感じたエネルギーを、実写化した作品にも投影したいと思いました。そのために、自分が早い段階でセリフをしっかりと頭の中に入れ、作品にかける意気込みが自分の行動を通して共演者やスタッフの方々に伝わるように心がけました。


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ーー本作で金髪姿を初披露されています。

佐藤さん ロケ中の撮影終わりに、現地の美容室で染めていただいたので、当日は2時間ぐらいしか寝ることができず、感動よりもつらい気持ちのほうが印象に残っています(笑)。中盤と終盤で僕の髪型が変わっているのですが、この作品以外のお仕事を入れずに注力していたからこそできたことなので、髪型の変化にも注目していただきたいです。

ーー共演者の方々の演技で印象に残ったところを教えてください。

佐藤さん みなさん、素晴らしいお芝居をされる方ばかりでしたが、僕の同世代では結役の山口まゆさんが印象に残っています。結は海星を気にかけ、ときには厳しい言葉を投げかけるという難しいシーンを胸に届くお芝居で表現されていて、素敵な女優さんだなと思いました。

純役の濱田龍臣さんは、僕が俳優になる前からテレビなどで拝見している方でした。年齢とともにキャリアを重ねて成長されている、すごく気になる俳優さんでしたから、今回、共演させていただき、楽しかったです。

ーー海星の父親を演じた加藤雅也さんとは、どのようにコミュニケーションを取りましたか?

佐藤さん 加藤さんとは『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズの撮影中にご飯をご一緒したことがあって。それまでは加藤さんに対してクールなイメージを抱いていましたが、公私に渡ってたくさんお話をしてくださる気さくな人柄に衝撃を受けました。『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズでは共演シーンがなかったのですが、本作では父親役が加藤さんで良かったと思いました。僕が自由に動いても加藤さんは受け止めてくださるので、胸を借りる気持ちで演じました。クランクアップの際には、ハグしていただきました。


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ーー本作で演じた海星は高校生です。ご自身はどのような高校生でしたか?

佐藤さん ほぼ毎日、僕が所属する事務所LDHのダンススクールEXPGに通っていました。楽しんでというより、ダンスがうまくならなければならないという使命感を感じながら、レッスンを受けていました。そのとき以外は、どこにでもいるような普通の高校生活を送っていました。

ーー佐藤さんが劇団EXILEに加入して、今年で約6年目となります。劇団EXILEではどのような立ち位置ですか?

佐藤さん 末っ子として、のびのびやらせていただいています。僕が生意気なことをしても許してくれるんです。メンバーの方とふたりで遊びや食事に行くこともあります。青柳翔さんとはキャンプ、鈴木伸之さんとはサウナ、小野塚勇人さんとはキックボクシング、八木将康さんとはゴルフに行きました。劇団EXILEは、優しい先輩方ばかりなんです。

ーー最後に、本作の見どころをお願いいたします。

佐藤さん 僕が原作を読んだとき、たくさんのパワーと感動をもらいました。僕がどれだけ表現できているのかわかりませんが、実写化にあたり、共演者やスタッフ一同が寝る間を惜しんで良いものを作ろうと奮闘し、僕にとって宝物のような作品になりました。映画をご覧になった方々が、心に力強いものを得ることができる、期待を裏切らない作品に仕上がっていると思います。本作の人間模様や軍艦島の景色を含めて楽しんでいただきたいです。


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インタビューのこぼれ話

佐藤さんの、気になるプライベートの過ごし方は? 「昔は仕事にがむしゃらでしたが、最近は自分の時間を大事にして興味があるものに手を出す余裕が出てきました。現在は山に登ったり、キャンプをしたり、キックボクシングをしたりすることを楽しんでいます。キックボクシングは高校生の頃から習っていて、アクションの演技にも通じるものがあるので、いまや生活の一部となっています」。

Information


★メイン写真

映画『軍艦少年』
12月10 日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開
出演:佐藤寛太、加藤雅也 / 山口まゆ、濱田龍臣 / 柾木玲弥、一ノ瀬ワタル、花沢将人、髙橋里恩、武田一馬 / 赤井英和、清水美沙 / 大塚寧々
監督:Yuki Saito
脚本:眞武泰徳
原作:柳内大樹『軍艦少年』(講談社「ヤンマガKC」刊)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2021『軍艦少年』製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/gunkanshonen/
衣装協力:カーディガン ¥52,800、パンツ ¥49,500、ブーツ ¥74,800(OUR LEGACY/エドストローム オフィス 03-6427-5901)そのほかのアイテムは、スタイリスト私物

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