ファン待望『ひよっこ2』 佐藤仁美のダイエットのせいで…

2019.3.22
高度経済成長期真っ只中。茨城から集団就職で上京してきた谷田部みね子(有村架純)らが、東京で様々な経験を積み成長していく姿を描いた、連続テレビ小説『ひよっこ』の最終回から約2年。ファン待望の『ひよっこ2』が放送される。そこでプロデューサーの菓子浩さん、脚本家の岡田惠和さんを直撃!
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朝ドラ放送から約2年! 『ひよっこ』が帰ってきた

「放送終了後、ハガキやSNSなどで“毎朝見ていた登場人物が見られなくなって寂しい”という声が多く寄せられ、続編やスピンオフを期待する内容もありました」(菓子さん)「朝ドラ終了時から、2をやりたいという意思は伝えていました。もともと僕には『北の国から』みたいなドラマシリーズをいつか持てたら幸せなんじゃないか、という気持ちもあったし、こういう日常を描いた作品は延々と物語を描いていくことができるから。だから、局が同意してくれたことはもちろん、役者たちが全員2に出たいと言ってくれた時はうれしかったですね」(岡田さん)

2で描く時代は1970年。これにはあるこだわりがあるという。「岡田さんから『朝ドラ最終回から続編の放送までと同じ時間経過で、2年後の1970年の話にしたい』と言われた時、それはいい! と思いました。登場人物たちがキャストや視聴者のみなさんと同じスピードで年をとっていくことで、登場人物をより身近に感じ、共感していただけると思ったからです」(菓子さん)「もうひとつのこだわりが、彼らの足跡をちゃんと紡いでいきたかったから、キャスト全員が出演すること。30分×4本を連日放送するというスタイルは朝ドラみたいでいいと思ったけれど、その枠内でオールキャストを登場させるのにはかなり苦労しました」(岡田さん)

さらに岡田さんを苦しめたのが、高子役の佐藤仁美さんがダイエットに成功して痩せたこと。小誌でも昨年、その生まれ変わったカラダをグラビアに撮り下ろして話題に!

「なかったことにはできないですからね(笑)、一応言及してますよ。でも、高子のおかげで食文化をいろいろ調べていたら面白かった。当時の日本にはダイエットなんて概念はなく、むしろ積極的にカロリーを摂取したい風潮でした。洋食だって手に入る食材でなんとなくそれっぽく作ってたけど、‘70年の大阪万博で一般庶民が世界各国の本場の料理を食べて初めて、これまで食べてた洋食は違うなってムードになって。そんな背景もあり、2ではすずふり亭の洋食にも影響してます」(岡田さん)

クランクインに先立って衣装合わせの時に久しぶりに有村さんと顔を合わせた菓子さんは「自然と『ただいま』『お帰り』のやりとりになってうれしかった」と振り返る。一方で、「前に出ようとする芝居ではないのに、みね子が登場しないシーンでも、ちゃんとみんなの心にみね子がいると思わせてくれるのが、有村さんのすごさ」と岡田さん。「人の暮らしはそんなにすぐには変わりません。みね子とヒデの夫婦、奥茨城村のみんな、すずふり亭の面々など、登場人物たちの普通の2年後を見てほしいです」(岡田さん)

菓子 浩さん 1968年生まれ。’93年にNHK入局。携わった作品はドラマ10『はつ恋』『さよなら私』、連続テレビ小説は『ちりとてちん』『あまちゃん』など多数。

岡田惠和さん 1959年生まれ。連続テレビ小説『ちゅらさん』で向田賞と橋田賞、ドラマ10『さよなら私』で文化庁芸術選奨文部科学大臣賞など、多数の受賞歴をほこる。

『ひよっこ2』 みね子と秀俊の結婚から2年後の1970年(昭和45年)の秋を舞台に描かれた『ひよっこ2』。懐かしい面々が再集結した、ほっこり幸せな近況報告をお楽しみに! 3月25日(月)~28日(木)の4夜連続、NHK総合で19:30~20:00に放送。提供:NHK

※『anan』2019年3月27日号より。取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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