田代 わこ

インパクト強っ! 究極のオタク皇帝が集めたアートを見てきた

2018.2.1
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』に行ってきました。好奇心いっぱいのオタク皇帝、ルドルフ2世が主役のこの展覧会では、芸術・科学的なものからキモエロ絵画までさまざまな作品が勢ぞろい。ちょっとアブナイ香りもただよう美の世界をレポートします!

名品&珍品に興奮!

【女子的アートナビ】vol. 98

『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』では、神聖ローマ帝国皇帝、ルドルフ2世(1552~1612)が愛した芸術家たちの作品を中心に、同時代のアートや天文機器、貴重な資料などを多数紹介。

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プラハやウィーンをはじめとしたヨーロッパ各地の美術館や修道院などから名品や珍品が来日し、華やかでちょっと怪しげな “皇帝のプライベートミュージアム” を体感できる空間になっています。

ルドルフ2世って?

ヨーロッパの名門、ハプスブルク家出身で、神聖ローマ帝国皇帝だったルドルフ2世。さらに、オーストリア大公、ローマ王、ハンガリー王、ボヘミア王という肩書もあり、いかにもすごそうな方なのですが、歴史的な知名度は今ひとつ。

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しかも、皇帝としての評価は散々なもので、仕事に興味を示さない・結婚もしない・後継ぎも残さない……というナイナイづくしで “無能” 呼ばわりされ、晩年は弟に実権を奪われたうえ城に幽閉され59歳で死去、とあまりにも切ない最期。ですが、そんなルドルフ2世にもズバ抜けた一面がありました。究極の “オタク” だったのです。

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1576年、24歳のときに父の跡を継いで神聖ローマ帝国皇帝になり、1583年にはウィーンからプラハに遷都。そこで広大な領土などから珍しいものや芸術作品を集め、思う存分に自分の好きな世界を作り上げていきます。

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美しい絵画や工芸作品はもちろん、異国の珍しい動植物、鉱物や天文学、占星術、当時の最先端科学に関するものまで収集。なかには伝説の動物である一角獣の「ツノ」など、怪しいものも含まれていたようですが、好奇心旺盛なルドルフ2世は、生きた動物も集めてプライベート動物園までつくったそうです。

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さらに、芸術家や科学者、錬金術師のパトロンとして文化芸術を保護。プラハ城に華やかでちょっと怪しげな宮廷文化が花開きました。無能呼ばわりされた皇帝も、今では当代随一の趣味人・教養人として評価されているようです。

インパクト強すぎっ!

変わり者だったルドルフ2世の姿を端的に表現したのが、同展のメインヴィジュアルにもなっている作品《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》。

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こちらのお顔、インパクト強すぎです。描いたのは、皇帝お気に入りの画家、ジュゼッペ・アルチンボルド(1526~1593年)。野菜や植物で構成された奇妙な肖像画で、ふつう、こんなふうに自分の顔を描かれたら気を悪くしそうなものですが、皇帝はご満悦だったとのこと。(やはり、かなりブッ飛んでいる皇帝さんです。)この絵を読み解くには、ローマ神話や当時の情勢、植物のことなどさまざまな知識が必要で、教養人であれば深く理解できて楽しめるそうです。

皇帝のプライベートミュージアムを体感

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動物愛好家でもあった皇帝は、特に馬が好きで、ヨーロッパをめぐり純血種の馬を購入していたとのこと。そんな馬をテーマにした油彩画なども展示されています。

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動物だけでなく、もちろんエロティック系の絵画もありました。神話をもとにした女性像やキュートなお尻を丸出しにした少年風キューピットなどドキッとする作品も見ることができます。

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展示されているのは絵画作品が中心ですが、最後の展示室ではルドルフ2世の奇妙なお宝を中心に陳列した“驚異の部屋”風の空間が再現されています。このような部屋は、現代の博物館や美術館の原型になったとのこと。からくり時計や天球儀、望遠鏡や動物のツノなどがずらりと並び、皇帝のプライベートミュージアムを体感できます。

オタク皇帝が愛したアートが見られる展覧会は3月11日まで開催。ちょっと怪しげな美の世界にハマること間違いなしです!

※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しております。

Information

会期:~3月11日(日) 2/13(火)のみ休館
時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
料金:一般 1,600円/大学生・高校生1,000円/中学生・小学生 700円
公式サイト



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