レアな機会? 日本を代表するデザイナーたちの“原画”展

2019.12.5
今、ものづくりの現場で注目を集める“デザインエンジニア”。製品の仕組みを作るエンジニアと、ビジュアルを設計するデザイナーを兼ね備える存在だ。その第一線で活躍する田川欣哉氏がディレクターを務める本展『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』では、プロダクト、グラフィック、建築などの分野で日本を代表するデザイナーたちの“原画”が並ぶ。鉛筆書きのレタリングや、写生したように細密なスケッチ。木やプラスチックなどで試作したものもあれば、原稿用紙に書かれた草稿もまた“原画”として展示されている。

今やこれらの原画はとても貴重なもの。というのも、デジタル上の制作がメインの現在では、デザイナーのアトリエといえども、手書きの“原画”に触れる機会は滅多にないからだとか。20代の頃の経験を振り返りつつ、氏は言う。

「このようなプロセスを垣間見ることは『つくる人』を目指す当時の私には宝物のような体験でした。良質なインスピレーションを絶えず浴びたことで、今の自分が成立していると思います」

デザイナーの卵たちにこの“宝物”を譲り渡すために、本展は企画された。原画からはデザイナーたちの試行錯誤や、最高のクオリティに研ぎ澄まされていくまでのプロセスが読み取れる。何気なく馴染んでいる美しさや使いやすさの秘密を、原画の向こう側にいるデザイナーがそっと教えてくれる。そんな特別な機会になりそうだ。

佐藤 卓 スケッチ

art

柏木 博 草稿

2179 art2

原 研哉 スケッチ

art

小泉 誠 試作

art
art

田川欣哉さん デザインエンジニア。テクノロジーとデザインに精通、プロダクトサービスからブランディングまで幅広く手がける。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェロー。

『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 東京都港区赤坂9‐7‐6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン 開催中~2020年3月8日(日)10時~19時(入場は閉館の30分前まで) 火曜、年末年始休(12/24、2/11は開館) 一般1200円ほか TEL:03・3475・2121

※『anan』2019年12月11日号より。文・松本あかね

(by anan編集部)

エンタメ-記事をもっと読む-_バナー

池田エライザさんのヘルシービューティのヒミツ