腐らせないで!「野菜の保存方法」絶対やってはいけないのはどれ?

監修・東進ゼミナール 理科担当 鈴木啓介 — 2019.3.29
せっかく新鮮な野菜を買ったのに、冷蔵庫に入れたらあっという間に食べられなくなってしまった……こんな経験をした方もいらっしゃると思います。そんなときに役に立つのが理科の知識。学校で習った知識を活かせば、野菜を長持ちさせることだってできるのです!今日は東進ゼミナール理科担当・鈴木啓介先生と一緒に、“野菜の正しい保存方法”を学びましょう。

【問題】

野菜の保存方法として、間違っているのはどれ?
(1)アスパラは立てた状態で保存するのがよい。
(2)ジャガイモは新聞紙にくるむなどして光を当てないようにして保存するのがよい。
(3)葉のついた大根は、葉をつけたまま保存するのがよい。
(4)レタスは芯を取ってから、ぬれたペーパータオルを芯のところに詰めて保存するのがよい。

正解

(3)葉のついた大根は、葉をつけたまま保存するのが良い。

解説

野菜の保存方法って、野菜の種類によって異なるので、すべてを覚えるのは大変ですよね。しかし、適切な方法で保存することで持ちが良くなったり、味が良くなったりするので、この機会に知っておきましょう。

野菜保存の基本原則は“その野菜が育った環境に近い状態で、栄養や水分が落ちないようにする”です。

(1)のアスパラは、地面から真上に伸びます。なので、立てた状態で保存するのが良いです。では、寝かせて保存するとどうなるのでしょうか?

実は、野菜は収穫された後も成長し続けようとします。アスパラも上へ向かって成長しようとするのですが、寝た状態なのでまずは起き上がらなくてはならず、アスパラの中にある栄養分が、無駄に使われてしまうわけです。

(2)のジャガイモは、地中で育つ野菜なので、光を当てずに保存するのがベストです。ジャガイモも、収穫後成長を続けようとします。

光が当たると、ジャガイモが光合成をしようとして表面が緑色に変色していく“緑化”が起こります。ジャガイモの緑化した部分には有毒成分が含まれることがあるので注意が必要です。

スーパーでジャガイモを購入するときは、前の方にあり光が当たっているものではなく、すこし中の方にあり光が当たっていないものを買うのが良いかもしれませんね。

では(3)はなぜ間違いなのでしょうか?

育った環境に近い状態で保存するのが良いのであれば、葉をつけたまま保存した方が良い気がしますよね。もちろん大根も、アスパラ、ジャガイモ同様、収穫後も成長を続けようとします。

葉の部分が成長するとき、根の部分から水分や養分を吸収するのです。その結果、大根の白い部分の水分や養分が減ってしまうのです。

(4)のレタスの芯を取るのも(3)と同様の理由です。収穫後も葉が成長を続けようとし、芯の部分から水分などを吸収しようとします。その結果、芯の部分からレタスが傷んでしまうのです。

ただ、芯を取るときに金属の包丁を使うと、変色してしまうので手で取るようにしましょう。

野菜は育った環境に近い状態で保存をするのがベストですが、収穫後も成長し続けようとするので、そこで無駄に成長をさせないようにしなければいけません。難しいポイントですね。

育った環境に近い状態で、その野菜が眠っているような状態をつくるのがベストなのです。

しかしながら、収穫後も成長を続けようとする野菜の生命力はすごいですね。十分に摂取して、生きる活力にしていけると良いですね。


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