月9ドラマにも出演・宮世琉弥「今の17歳の気持ちも忘れずにいたい」

2021.11.1
錚々たる共演者たちと渡り合い、俳優として貪欲に成長する宮世琉弥さん。オープンで天真爛漫な人柄の奥に、強い意志を秘めていました。

自身の演技を俯瞰し、表現を広げる実力派の17歳。

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月9ドラマへの出演が目標だったという宮世琉弥さん。前クールの『ナイト・ドクター』でのオーディションで役を掴んだ。

「大人数から選んでいただいて嬉しかったですし、俳優としていい経験がたくさんできました。心美を演じた原菜乃華さんは同学年なので、すごく刺激を受けて。また、岸(優太)くんは見たまんま、すごくいい人! ずっと和ませてくれました。この状況が落ち着いたらごはんを食べに行こうって約束してくれたんですよ! すごく楽しみです」

この作品では、憧れの大人との出会いもあったそう。

「ありのまま、現場で楽しんでいた田中圭さんを見て、遊び心のある大人ってカッコいいなって。来年は18歳で高校を卒業するので、殻を破りたい気持ちもありますし、大人にならなきゃいけない部分もありますけど、今の17歳の気持ちも大事に、忘れずにいたいです」

感謝も、絶対に忘れないと心に誓っていること。

「今、こうして自分のことを取材してもらっていることにも感謝しています。人間ってどうしても慣れちゃうじゃないですか。その慣れが一番怖いなって。当たり前のことなんですけど、感謝しながらお仕事をするのと、慣れて何も感じずにするのとでは、全然違うので。というのも、初めて個人で雑誌の取材に呼んでもらえたのは高校1年生で、つい最近なんです。その時の嬉しさとありがたさが、今でも心に焼き付いていて…」

ネクストブレイク俳優のひとりに数えられるまでになり、ファンからの応援を糧に「もっとステップアップしていきたい」と意気込む宮世さん。俳優として転機となった作品に、『恋する母たち』と『青のSP -学校内警察・嶋田隆平-』を挙げる。

「『恋する母たち』では、特に、僕のお母さん役の仲里依紗さんに優しくしてもらい、現場で話をしているだけでもいろいろ吸収させてもらいました。同級生役の奥平大兼と藤原大祐は、友達でもあり同世代のいいライバルです。『青のSP』では、藤原竜也さんのお芝居にまったく歯が立たず…。どんどん藤原さんのオーラに取り込まれていって、最後はそのオーラに完全に囲まれて、のみこまれていました。もし次の機会をいただけたら、藤原さんという大きな壁に立ち向かえるように、成長していたいという気持ちにさせてもらいました」

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次々と話題作に出演するようになった今、演じることが楽しくて仕方ないことが目の輝きから伝わってくる。

「数学の問題を解くみたいに、自分なりに役を考えていく過程が楽しいんです。難しい役ほどやりがいがありますね。あ、いちおう数学は得意科目です(笑)。お芝居は、いつも裸のまま飛び込んでいく感覚です。たとえば、寒さを感じるお芝居をする時に、最初から腕を組んで震えるという決まりきったポーズを“寒いってこうだよね”ってやるんじゃなくて、その時に感じた寒さを表現する。だからテストも毎回が本番という意識です。今は、悪の道に染まってしまった役もやってみたいですし、高校生の今だからこそできる青春モノも興味がありますし、とにかくいろんな役を演じたいです!」

そう考えるのは、俳優としてさまざまな役を演じた経験が、人生の最終目標と位置付ける映像作品作りに繋がると信じているから。

「僕は宮城県出身で、東日本大震災を経験しているんですけど、年々、風化していると感じていて。震災が忘れ去られないように、いずれは自分が作った映画というかたちで伝えたくて、今から家で動画の編集の練習をやっています」

編集ソフトやカメラなど、最新ガジェットに興味津々! 一方で、一日中手持ち服でコーディネートを考えるくらい大好きなファッションは「流行とは逆流したい!」。

「流行っているから着るんじゃなくて、自分の好きなスタイルを貫きたいです。女性も、自分らしさを大事にしている人に惹かれますね。周りに流されず、その人が着たい服を着ていてほしいなって。恋愛をするなら、絶対に純愛がいいです。一途にひとりの人を好きでいたいな」

みやせ・りゅうび 2004年1月22日生まれ、宮城県出身。’20年『恋する母たち』(TBS系)での好演が話題に。今年も『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)など話題のドラマに次々出演し、活躍している。

ジャケット¥118,800 パンツ¥30,800(共にノア/ノア クラブハウス TEL:03・5413・5030) トラックジャケット¥33,000(フレッドペリー/フレッドペリーショップ東京 TEL:03・5778・4930)

※『anan』2021年11月3日号より。写真・池野詩織 スタイリスト・丸山 晃 ヘア&メイク・NOBUKIYO 取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)