志村 昌美

『映画デパプリ』ゲスト声優の和牛「売れたと実感できたのはファミレスのご飯を食べた時」

2022.10.11
2004年にスタートして以来、長年にわたって愛され続けている人気アニメ「プリキュア」シリーズの映画最新作『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』は、現在大ヒット公開中です。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。

和牛の水田信二さん & 川西賢志郎さん

【映画、ときどき私】 vol. 525

お子さまランチのテーマパーク<ドリーミア>を舞台に繰り広げられる本作で、園内にいるロボット役としてゲスト声優を務めているのは、和牛の水田さん(写真・左)と川西さん(右)。今回は、作品のモチーフでもあるおいしいご飯にまつわるエピソードやおふたりの恋愛観、そして芸人として夢を叶えた秘訣などについて語っていただきました。

―本作で映画声優初挑戦となりましたが、演じてみていかがでしたか?

川西さん 初めてのことだったので、うまくいっているのかわかりませんでしたが、最後に「いいものが録れました」と言っていただいたときにようやく手ごたえを感じました。プロの方々のなかで、自分たちがどうなじんでいるのかは楽しみです。

水田さん 今回はロボット役ということで、最初に自分のなかで勝手にイメージしていたのがターミネーター。「もう少し子ども向けの感じでお願いします」と言われたときは戸惑いました(笑)。

―観客に注目してほしいポイントがあれば、教えてください。

川西さん 何体かのロボットを担当させてもらっていますが、僕たちらしさを出してもいいロボットがいて、そこだけは関西弁になっています。そういうところも見つけていただけるとうれしいですね。

水田さん 昔、洋食屋さんで働いていたからというのもありますが、料理名を言うシーンでは、不覚にも僕の食いしん坊の部分が出てしまいました。ハンバーグでテンションが上がっているので、そこは感じてほしいですね。

勝負の前は、早くパワーになるものを食べる

―本作では「ご飯」がテーマとなっていますが、おふたりの勝負飯は何ですか?

水田さん かつ丼を食べる人がよくいますが、かつ丼は消化するのにエネルギーを使ってしまうので、僕はあえて食べないようにしています。その代わりに僕が選ぶのは、早くパワーになるパスタ。なかでもミートソースがお気に入りで、3~4時間かけて自分で作っています。

川西さん 僕はどちらかというと、勝負前は抜きたいタイプ。空腹にして飢えておきたい感じです。あとは、集中したいときに口がネギとかニンニクくさくなったりすると、気が散って嫌だというのもありますね。それよりも、僕が魅力を感じているのは、勝負が終わった後の暴飲暴食。そのときはなんぼネギくさくなっても、なんぼ油まみれになっても関係ないですから!

水田さん 僕も勝負のあとは、一番好きなものを食べたいですね。もちろん、ミートソーススパゲティです。

―本当にお好きなんですね。下積み時代を支えてくれたメニューなどもありますか?

川西さん 若手の頃によく食べていたのは、冷凍うどん。いつもお腹ペコペコだったので、うどん2玉に、卵2つとネギとのりと天かすをどっさり乗せて、ガーっとかき込んでいました。

水田さん 僕は、アサリの雑炊です。元気になりたいときは、アサリに含まれているタウリンを摂ったほうがいいと言われていますから。しかも、栄養ドリンクとかではなく、なるべく自分が作ったものから摂ることを心がけていたので、若手のときからけっこうちゃんとしたものを作っていました。

野菜中心のメニューを作ってもらえたらうれしい

―栄養管理まですごいです。その後、「これを食べられるようになったから売れたな」と感じたことは?

水田さん それは、ファミレスのご飯です。お金がなかった頃は、ドリンクバーだけか、がんばってフライドポテトしか頼めなかったので、御膳みたいなものを頼めるようになったときは、「ちゃんと食えるようになったんだなぁ」と実感しました。

川西さん 僕は、やっぱり回らないタイプのお寿司ですね。特に東京でいいお寿司といったら値段は無限ですから。それが食べれるようになったのは、ある程度お金を持てるようになってからだと思います。

―では、女性に作ってもらったらうれしい料理があれば、教えてください。

川西さん ご飯屋さんにあったら絶対に頼むのが、小鉢に入ったおばんざいの盛り合わせ。不足しがちな野菜を中心にしたメニューで作ってもらえたらうれしいですね。

水田さん 僕は、肉と魚をシンプルに焼いたものと豚汁とかを作ってもらえたらいいかなと。ただ、もともと自分が料理人だったこともあって、肉の火の通し方や魚の焼き方、具材をどのくらいの大きさに切っているのか、といった基本的なところは見させてもらうと思います。でも、どんなものも何も言わずにちゃんと食べますよ!

―逆に、おふたりが作ってくれるとしたらどんなメニューですか?

水田さん これまで彼女が作ってくれた料理のなかで、失敗したものをあえて作りますね。「本当はこうするんだよ」というのを見せたいので(笑)。とはいえ、ビシビシ教えたりはしないので、作っているところを見て盗んでねって感じです。

川西さん 僕は「リクエストがあればがんばります!」くらいで、強いて言えばたこ焼きですね。イタリアで食べるピザがおいしいように、関西人がたこ焼きを作ってくれたらおいしく感じるんじゃないかなとは思うので(笑)。

―やはり関西人ならではのこだわりがあるのでしょうか。

川西さん いや、むしろそういうのをしたらダメなんですよ。だって、いまのたこ焼きの粉はよくできてますから。水で溶くだけで、余計なことをしないのが一番です!

おふたりにとっての理想の女性像とは?

―以前、ananのインタビューで水田さんはご自身のことを「すぐ人を好きになる“恋多き男”」とおっしゃっていましたが、40代になってから好みなどに変化もありますか?

水田さん そこはあまり変わらないので、よく笑って、よく食べて、人の悪口を言わなくて、キレイで、ちょっとエッチな人が好きです(笑)。前は42歳までに結婚したいと言っていましたが、もう42歳になったので、いまは43歳か44歳までにできたらいいなと少しずつ延びてます。

―川西さんは、あまり恋愛で感情が揺れることがあまりないそうですが。

川西さん そうですね。恋愛で感情の振り幅が大きくなることはないので、恋愛体質ではないんだと思います。恋バナとかもちょっとしんどいというか、カフェで長時間文句を言っている人とかを見ると、「別れたほうがいいんじゃない?」とまとめたくなるタイプなので(笑)。僕はあまり恋には生きていないのかもしれないです。

―とはいえ、水田さんのように理想はありますか?

川西さん 僕はよく言っているのは、ちょっと男を立ててくれるような古風な感じで、お胸がちょっと豊満な「昭和が生んだ爆乳」みたいな人がタイプです。ここは太字で書いておいてくださいね(笑)。あとは、自分と気が合う人を見つける直感には自信があります。たとえば、会話をしていてやたら言葉がぶつかる人がいますよね? おそらくそれはお互いの会話のテンポが違うということだと思うので、そういう些細なところを見ています。

スイッチが入るのは、衣装と髪型がバシッと決まったとき

―なるほど。また、本作ではおいしい笑顔を守るためにプリキュアが立ち向かう姿が描かれていますが、おふたりもいつもお客さんを笑顔にしている立場です。逆に、おふたりを笑顔にしてくれるものといえば?

水田さん 最近は、動物のかわいい動画ばっかり見ています。あとは、実家の猫の動画を送ってもらうのが楽しみです。

川西さん 1日のうちに絶対にときめく時間といえば、自分へのご褒美でもあるご飯を食べているとき。飲み物と料理の組み合わせを考えたりもするので、特に晩御飯をけっこう大事に考えています。

―お仕事のオンオフにしていることはありますか?

水田さん 毎日仕事が終わったら飲むので、その瞬間に「もう仕事は終わったんだな」とオフになりますね。

川西さん 僕はいまだに自分でもオンオフがわからなくて……。仕事のことをずっと考えているといえば考えているので、オンとうっすらオンみたいな状態かもしれないです(笑)。でも、舞台のそでに行って、お客さんの笑い声を聞くときは、完全にオンになります。

水田さん 僕は衣装に着替えて、前髪のセットがバシッと決まったときにはスイッチが入りますよ。

逃げずに続けていくことが、夢を叶える秘訣

―「プリキュア」シリーズといえば、夢を持つ大切さを伝えている作品でもありますが、おふたりは芸人になるという夢を叶えています。夢を実現するために必要なことは、何だと思いますか?

川西さん 細かいことにも、逃げずに続けていくことじゃないでしょうか。といっても、しんどかったら1回逃げて、パワーを充電して戻ってくるのもありかなとは思います。ただ、逃げたままではそこに成功はないので、戻ってきたらしっかりと向き合うことですね。

水田さん 僕の場合はしんどい時期でも、おいしいものを食べたり、仲間と遊んだり、自分の生活のなかで楽しい瞬間や幸せを感じる時間というのを適度に作るようにしていました。追い詰めているだけだったら、僕は多分続かなかった気がします。この先も心身ともに、健康でいることは大事にしたいです。

川西さん 今後の夢については、具体的な目標というよりも、いままでやって来たことを続けていくなかで、芸人として強く太くなれたらいいなと考えています。

―それでは最後に、ananweb読者に向けて、メッセージをお願いします。

水田さん 今回の作品はすごく彩りが華やかなので、これを観た次の日は、絵心が上達して、塗り絵のペンも進むんじゃないかなと思います。あとは、色白ぽっちゃり特集で僕がananの表紙になる日まで待っててください! 

川西さん 『プリキュア』は子ども向けのかわいい物語のように思われがちですが、実は大人も楽しめていろんなことを考えされられる作品となっているので、ぜひみなさんにも観てもらえたらいいかなと。それから、女性の方々に「そないに脱毛せんでもええんちゃう?」というのは伝えたいですね。細かいところまで気にして一生懸命な姿はかわいらしいですけど、「ちょっとくらい生えててもええよ」と僕は思っています(笑)。

インタビューを終えてみて……。

幅広い質問に答えていただくなかで、水田さんと川西さんのさまざまなこだわりやいろんな一面を垣間見ることができた今回の取材。おふたりとも素敵な声をお持ちなので、映画声優が初めてというのには驚きましたが、どんな声色で楽しませてくれるのかにぜひ期待してください。

ユーモアたっぷりの味付けに心が温まる!

人生に欠かせないものといえば、何と言ってもおいしいご飯と輝く笑顔。その大切さを教えてくれるプリキュアと、最高のテーマパークでドキドキとワクワクを味わってみては?


取材、文・志村昌美

ストーリー

食べるのが大好きな中学2年生の和実ゆいたちが住むのは、おいしーなタウン。そこにある日突然、お子さまランチのテーマパーク<ドリーミア>が現れる。子どもたちは遊び放題、食べ放題のため、みんな楽しく遊んでいた。ところが、実は<ドリーミア>にはある秘密が隠されていたことが明かされる……。

キラキラでいっぱいの予告編はこちら!

作品情報

『映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!』同時上映『わたしだけのお子さまランチ』
全国公開中
配給:東映
https://2022.precure-movie.com/
©2022 映画デリシャスパーティ・プリキュア製作委員会