旅先での急な生理、どうする? お助けアイテム&トラブル対処法

2022.12.25
ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは「旅先での生理トラブル」。今冬は年末年始の休暇に旅行や帰省をするという人も増えそう。生理期間と宿泊が重なっても快適に過ごすためのアイデアとは?

月経カップと出合って生理期間の生活に変化が。

Entame

楽しみな旅行と生理が重なったらどうする…? そこで今回は、これまでに70か国を旅してきた、旅人でエッセイストのたかのてるこさんに、生理中でも快適に旅するヒントを教えてもらった。

「そもそも中学、高校と水泳部だったので、旅デビュー前から、生理には悩まされていたんです。試合と重なると、タンポンを使っても経血漏れが気になって集中できなくなることも。なので、低用量ピルで生理の時期をコントロールできると知って、即飛びつきました。日本ではなかなか承認されなかったのですが、2000年頃にようやく解禁されて、どれだけ楽になったか。それ以来、旅の日程が決まると、生理の時期とかぶりそうな時は、ピルを使っていました」

世界を旅する中で、いち早く、海外で便利な生理用品とも出合っていたそう。

「2007年頃、ハワイで長期滞在した時、思いがけず生理がきてしまって。生理用品の持ち合わせがなかったので、宿のお姉さんにナプキンをもらいに行ったんです。そしたら、“大変よね、わかるわよ~”みたいな感じで意気投合(笑)。生理の悩みをおしゃべりしていたら、月経カップを教えてくれたんです。当時はまだ日本になかったし、どんなものかもよくわからなかったから、イラストを描いてもらって、とりあえずスーパーに買い出しに。で、一度使ってみたら、“めっちゃいい!”って衝撃を受けて、友達へのお土産に月経カップを買って帰りました。私は経血が多いタイプで、タンポンでも不安な時もあったんですが、月経カップにしてからはそんな心配からも解放されました。それからは、旅先でのもしもに備えて、月経カップと布ナプキンを持っていくように。どちらも洗えば繰り返し使えてエコだし、荷物もかさばらないからいいですね。国によっては、日本のようにトイレにサニタリーボックスがあるとは限らないので、ナプキン以外の選択肢があると安心です」

“迷惑をかけてはいけない”の呪いにとらわれすぎないことも、旅先でうまく生理と付き合うコツだという。

「旅先でも日本でも、困ったことがあれば同じ人間、同じ女性同士、助けを求めて大丈夫。自分だって、人から『ナプキンを分けてもらえませんか?』って言われたら、『どうぞ~』って分けますよね。旅先で偶然出会った人でも生理の悩みは全女性共通の問題だから、きっと気持ちを理解して、寄り添ってくれるはず」

たかのてるこさん 旅人、エッセイスト。世界の魅力を伝える〈地球の広報〉として、全国で講演中。『ガンジス河でバタフライ』など著書多数。最新刊は『世界は、愛でできている』(テルブックス)。

anan総研メンバー150名にアンケート。

Q、旅先で急に生理が始まったことがある?

ある…71%、ない…29%

予期せぬタイミングで、旅行中に生理が始まってしまった経験がある人は7割以上。また「ある」と回答したほぼ全員が「そのせいで、旅が思うように楽しめなかった」そう。

Q、「ある」と答えた方に質問です。どのように対処しましたか?

予備のナプキンを持っていた…50%、近隣のコンビニなどに買いに行った…45%、同行者の友人などに借りた…5%

半数は「予備のナプキンを持っていた」と答えたものの、急いで近隣に買いに走ったという人も45%。女性同士の旅行の場合、同行者に借りてなんとかピンチを凌いだという声も。

Q、旅行時に経験した生理にまつわるトラブルがあれば教えてください。

  • ホテルのシーツを汚してしまった経験があり、旅行の時はいつも自宅から大きなバスタオルを持っていくように。荷物がかさばるので毎回、大変…。(29歳・営業)
  • 生理痛が重いほうなので、せっかくの海外旅行でベッドから全く起き上がれなくなったことが。一緒に行った友達にも申し訳なかったし、最悪の思い出。(23歳・会社員)
  • お正月に祖父母の家に泊まりに行った時、ナプキンを捨てる場所に困って、コンビニのビニール袋に入れておいて自宅まで持ち帰りました。(32歳・デザイナー)

Q、生理中に旅行する場合、1日あたり何枚くらいのナプキンを用意しますか?

1日平均5.2枚

人によってバラつきはあったものの、心配なので普段の生活よりも少し余分に持っていくという人が多数。昼用・夜用と種類を分けて持っていくので、準備もかなり面倒との声も。

Q、宿泊先でシーツやタオルを経血で汚した経験はありますか?

ある…48%、ない…52%

宿泊先で、経血でシーツやタオルを汚したことがあるという人が約半数も。スタッフの人に伝えるのも恥ずかしく、申し訳ない気持ちもあり、対処法に困ったという声が多数。

旅先や帰省中の“困った”に応える、お助けフェムケアアイテム。

1、月経カップ&月経ディスク

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1 つあれば、繰り返し洗って使える旅の救世主。
右から、持ち手がリング型になっているので、初心者でも取り出しやすい。メルーナ クラシック¥3,960(メルーナジャパン TEL:06・6245・7744) 台湾発の世界最小サイズの月経カップ。フルムーンガール スモールサイズ¥4,620(ビープル TEL:03・5774・5565) 膣口のすぐ近くに装用する月経カップに対し、月経ディスクは子宮頸部の下に装用。月経カップを使用して、違和感があったという人も試す価値あり。インティミナ ジギーカップ2 サイズA(スモール)¥6,600(ラブピースクラブ)https://www.lovepiececlub.com/shop/

2、薄型生理用ナプキン

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スリムでも吸収力◎のナプキンで荷物を軽量化。
できるだけ荷物を軽量化したい旅行時に「頼りになる」とアンケートでも人気が高かった薄型の生理用ナプキン。なかでも使用率ナンバー1だったのが、ロリエのスリムガードシリーズ。薄型でも抜群の吸収力で、就寝中や多い日でも安心して使えるのが魅力。バリエーションが豊富なのもうれしい。上から、ロリエ スリムガード 特に多い夜用35cm羽つき ラベンダーの香りつき12コ入り¥383*編集部調べ 同 多い昼~ふつうの日用20.5cm羽つき 無香料28コ入り¥383*編集部調べ※共に医薬部外品(花王消費者相談室 TEL:0120・165・695)

3、就寝時のサポートアイテム

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老舗寝具メーカーが作った就寝時の強い味方。
老舗寝具メーカー・西川から、生理用品と併用して経血漏れからシーツや衣類を守るフェムケア用品が今年4月に発売された。防水シートつきでサニタリーショーツの上にはけば経血漏れを気にせずに過ごせるオーバーパンツや、シーツやベッドの上に敷くオーバーシーツなど種類も様々。上から、まもら騎士 生理用オーバーパンツ メーカー希望小売価格¥3,278 同 生理用オーバーシーツ 165×70cm メーカー希望小売価格¥2,178(西川 TEL:0120・36・8161)

4、100均で買えるサニタリーバッグ

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“捨て場所”に困った時、頼れる便利グッズ。
アンケートでも多く声が上がった、旅先や帰省先での生理用ナプキンの捨て場所問題。とくにパートナーの実家や祖父母の家に泊まった際などは捨てづらく、仕方なく持ち帰ったという人が多数。そんな時に役に立つのが、中身が見えず、ジッパーを閉じればニオイも漏れずに使用済みナプキンを持ち運べるサニタリーバッグ。100円ショップで簡単に手に入るので、不安を感じるという人は帰省の前に用意しておくと安心。おむつ用ポリ袋などを代用するのもオススメ。

マナー講師に聞く、旅先での“困った”どうするのが正解?

お話を伺った方・松原奈緒美さん EXSIA代表。マナー・コミュニケーションのスペシャリストとして活躍。著書に『新しい生活様式・働き方対応 ビジネスマナー100』(新日本法規出版)がある。

Q、生理中は、大浴場を利用してはいけないの?

A、雑菌感染などの恐れもあるので避けるのがベター。
タンポンなど使用しても湯船や洗い場にもし経血が流れた際、不快な思いをされる方もいるので避けるのがマナー。また生理中はデリケートな時期なので、雑菌感染などの恐れも。残念な気持ちもわかりますが、ご自身のためにも大浴場は利用しないほうがいいと思います。

Q、宿泊先でシーツやタオルを経血で汚してしまったら?

A、自己処理はせずにフロントに必ず連絡を。
自分で洗ったりなどの処理をすると、経血が広がってしまうこともあるでしょう。フロントにシーツやタオルを汚してしまった旨と謝罪の気持ちを伝え、ハウスキーパーさんにお任せするのが◎。恥ずかしくて言い出せないという人も、必ずベッドサイドにメモなどは残して。

Q、宿泊先での生理用品の捨て方にマナーはあるの?

A、トイレットペーパーなどで軽く包んでおくと◎!
生理用品の包装を巻いて、トイレに設置してあるサニタリーボックスへ。さらにトイレットペーパーなどで軽く包んで捨てると、よりよいでしょう。最近はアメニティでサニタリーバッグがトイレに用意してある施設も多いので、そういったものがあれば利用するのも便利です。

※『anan』2022年12月28日‐2023年1月4日合併号より。写真・安田光優 イラスト・REDFISH 取材、文・岡井美絹子(たかのさん)

(by anan編集部)